「キオクシアが上がりすぎて、もう手が出せない…」——そう感じている投資家が今、こぞって買っているのが半導体ETFです。
なかでも注目を集めているのが、野村アセットの NF・日経半導体ETF(200A) と、グローバルXの 半導体関連-日本株式 ETF(2644) の2本。
とくに200Aは「キオクシアの代わりに買える」として人気が爆発しています。
この記事では、2本のETFが「どんな商品なのか」「なぜキオクシア代替になるのか」「NISAは使えるのか」を初心者にもわかるように整理し、今後の株価までファンダ&テクニカルで分析します。
1. どんなETF?まずは2本の正体を整理
両者とも「日本の半導体関連株にまとめて投資する」ETFですが、中身はかなり違います。
| 項目 | NF・日経半導体ETF(200A) | グローバルX 半導体関連-日本株式(2644) |
|---|---|---|
| 運用会社 | 野村アセットマネジメント | Global X Japan |
| 連動指数 | 日経半導体株指数(トータルリターン) | FactSet Japan Semiconductor Index(配当込み) |
| 構成銘柄数 | 30銘柄 | 38銘柄 |
| ウエート方式 | 時価総額加重(上限なし) | 浮動株時価総額加重(1銘柄10%上限) |
| 信託報酬(税込) | 年0.165% | 年0.649% |
| 純資産総額 | 約676億円 | 約810億円 |
| 株価(6/19終値) | 6,299円 | 4,934円 |
| 分配金 | 年2回(4月・10月7日) | 年2回(4月・10月24日) |
| 銘柄入替 | 毎年11月末 | 年2回(1月・7月) |
| NISA成長投資枠 | ○ 対象 | ○ 対象 |
ポイントは2つ。
①信託報酬は200Aが圧倒的に安い(0.165% vs 0.649%)。 長期保有ならコスト差は無視できません。
②ウエート方式が決定的に違う。 200Aは「時価総額が大きい銘柄ほど比率が高くなる(上限なし)」方式。
一方2644は「1銘柄あたり最大10%まで」とキャップがかかります。この差が、次に説明する「キオクシア代替」の核心です。
2. なぜ200Aは「キオクシアの代わり」に買われるのか
ここが今回いちばんお伝えしたいポイントです。
構成銘柄の比較
■ 200Aの組入上位10銘柄(純資産比)
| 銘柄 | 比率 |
|---|---|
| キオクシアHD(285A) | 33.0% |
| 東京エレクトロン(8035) | 11.8% |
| アドバンテスト(6857) | 8.7% |
| ルネサス(6723) | 7.8% |
| ディスコ(6146) | 6.6% |
| 信越化学(4063) | 4.3% |
| レーザーテック(6920) | 3.5% |
| JX金属(5016) | 3.4% |
| HOYA(7741) | 2.8% |
| ローム(6963) | 2.0% |
上位10銘柄で純資産の84%を占め、なんとキオクシア1社で全体の3分の1。
これは時価総額加重で上限がないため、急騰したキオクシアの比率がそのまま跳ね上がっているからです。
参照:https://www.nomura-am.co.jp/fund/monthly1/M1520001.pdf
■ 2644の組入上位10銘柄(純資産比)
| 銘柄 | 比率 |
|---|---|
| ルネサス(6723) | 12.56% |
| 東京エレクトロン(8035) | 9.17% |
| レーザーテック(6920) | 8.77% |
| アドバンテスト(6857) | 8.58% |
| ディスコ(6146) | 7.86% |
| ローム(6963) | 7.42% |
| SCREEN HD(7735) | 7.08% |
| KOKUSAI ELECTRIC(6525) | 5.85% |
| SUMCO(3436) | 5.82% |
| 堀場製作所(6856) | 3.77% |
お気づきでしょうか。2644にはキオクシアが入っていません。
10%上限ルールと、リバランスが年2回(1月・7月)のため、まだ指数に組み入れられていないのです(※掲示板等では7月のリバランスで5%程度組み入れられるとの観測もあります)。
参照:https://globalxetfs.co.jp/funds/2644/2644_factsheet.pdf
「代替買い」の3つのメリット
キオクシア本体は株価が10万円台まで急騰し、1単元(100株)を買うには約1000万円も必要です。
個人投資家にはなかなか手が出ません。そこで200Aの出番です。
- 少額でキオクシアに実質投資できる — 200Aなら1口約6,300円。NISA成長投資枠で気軽に買え、その33%がキオクシア相当のエクスポージャーになります。
- 1社集中の怖さを少しだけ和らげる — 残り67%は東エレ・アドテスト・ルネサスなど他の半導体主力。キオクシアが急落しても全損ではありません。
- コストが激安 — 信託報酬0.165%は個別株の信用金利等を考えれば破格です。
逆に「キオクシアの値動きはいらない、半導体セクター全体に幅広く乗りたい」なら、分散の効いた2644の方が向いています。
NAND市況に一蓮托生にならない設計だからです。
3. ファンダメンタル分析と今後の株価考察
上昇の原動力は「AIのNAND需要爆発」
200Aを動かしているのは、ほぼキオクシア=NAND型フラッシュメモリの需給逼迫です。
生成AIの普及で、計算を担う「DRAM/HBM」だけでなく、大量のデータを保存する「NAND(SSD)」の需要が急増。
サムスンやSKハイニックスがHBM増産に資源を振り向ける中、NAND専業のキオクシアが価格上昇の恩恵をまるごと享受しています。
実際、キオクシアの2026年3月期は売上収益2兆3,376億円(前期比+37%)、営業利益8,704億円(同+92.7%)。
来期第1四半期(4〜6月)は営業利益が前年同期比約29倍の約1.3兆円という強烈な会社予想を出しています。
経営陣は「NANDのスーパーサイクルは少なくとも2027年まで続く」との見方を示しており、これが200A高騰の燃料です。
今後の予想:強気と弱気の両シナリオ
【強気シナリオ】 2026〜2027年はNAND供給が逼迫し、新規生産能力の本格稼働は2027年後半以降。
価格決定権がメーカー側にある間は業績拡大が続き、200Aもキオクシアと連動して上値追いの可能性。
証券各社の目標株価引き上げ(15万円台)も追い風です。
【弱気シナリオ】 メモリは典型的な市況産業(シリコンサイクル)。
韓国勢の増産で供給過剰に転じれば、NAND価格は一気に反落します。
キオクシアは実績PERが高水準で、米半導体株が下げた翌日に数千円急落することも珍しくありません。
200Aは「分散ETF」の顔をしながら、実態はキオクシアのボラティリティをほぼ丸かぶりする点に注意が必要です。
2644はキオクシア依存が小さいぶん値動きはマイルドですが、その代わり爆発力も200Aには劣ります。
「攻めの200A/バランスの2644」と覚えておくとよいでしょう。
4. テクニカル分析(チャートからの株価予想と売買条件)
NF・日経半導体ETF(200A)

- 6/19終値:6,299円(高値6,356円)
- MA9:4,660円/MA13:4,238円/MA26:3,596円
直近で出来高を伴って急騰し、株価はMA9を約35%も上回る極端な過熱状態。
短期的には強烈な上昇トレンドですが、これだけ移動平均から離れると、いったんの調整(押し目)リスクも高まります。
| 区分 | 条件 |
|---|---|
| 押し目買い | MA13(約4,200円)〜MA26(約3,600円)への押し目を確認してから |
| 損切り | MA26(約3,600円)を明確に終値で割れたら |
| 利益確定 | 過熱解消の陰線・上ヒゲ、または直近高値6,356円更新後の失速 |
高値圏での新規一括買いは避け、打診買い+押し目で買い増しが無難です。
参照:https://kabutan.jp/stock/chart?code=200A
グローバルX 半導体関連-日本株式(2644)

- 6/19終値:4,934円(高値5,088円)
- MA9:4,096円/MA13:3,851円/MA26:3,463円
こちらも強い上昇トレンドですが、MA9との乖離は約20%と200Aよりは穏やか。分散が効いているぶん、チャートの暴れ方もマイルドです。
| 区分 | 条件 |
|---|---|
| 押し目買い | MA13(約3,850円)接近を確認してから |
| 損切り | MA26(約3,460円)を終値で割れたら |
| 利益確定 | 高値5,088円更新の有無を見ながら段階的に |
参照:https://kabutan.jp/stock/chart?code=2644
5. まとめ
最後に要点を整理します。
- 200A … キオクシア33%の「実質キオクシア代替ETF」。少額・低コスト・NISA対応で攻めたい人向け。ただし値動きはキオクシア依存で激しい。
- 2644 … キオクシア未組入・1銘柄10%上限で分散の効いた「半導体セクター全体」ETF。信託報酬はやや高めだが、安定志向の人向け。
- NISA … 両方とも成長投資枠の対象。非課税で半導体テーマに乗れる。
- 最大のリスク … メモリ市況の反転。スーパーサイクルが終われば、特に200Aは大きく調整しうる。
「キオクシアに乗りたいが765万円は無理」という人には200A、「半導体に幅広く分散したい」人には2644——あなたの投資スタンスで選び分けるのが正解です。
過熱感の強い局面なので、一括ではなく分割で、損切りラインを決めてからエントリーしましょう。
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/


