【2026年8月】日経平均の見通しは? 相場全体とセクター動向を初心者向けに解説

日経平均の見通し 投資日記

2026年8月20日の日経平均株価は66,216円。年初来では+31.5%と大きく上昇していますが、6月につけた史上最高値からは8.5%下げています。

「最高値圏なのに下がっている」

「なぜか自分の持ち株だけ上がらない」

——そんな違和感を持っている方は多いのではないでしょうか。

この記事では、2026年8月時点の日経平均の見通しを、指数の現在地・セクター別の強弱・相場を動かす5つの要因という順番で、投資初心者の方にも分かるように日経平均 見通しを整理します。


1.【結論】日経平均の見通し

先に結論をまとめます。

  • 日経平均は史上最高値圏だが、主役だったAI・半導体だけが崩れている
  • TOPIXの下げは小さく、相場全体が崩れたわけではない
  • いま強いのは非鉄金属・鉱業・銀行・海運・サービス業
  • 弱いのは不動産・保険・鉄鋼・石油・情報通信
  • 見通しを左右するのは「AIか非AIか」と「金利上昇で得か損か」の2軸
  • 証券各社の年末予想は70,000〜75,000円が中心

「相場が終わった」のではなく「主役が交代している」というのが、2026年8月時点の日本株の実像です。


2. 日経平均の現在地|史上最高値からどれだけ下げたか

まず数字で現在地を確認します。

指数2026/8/20終値前日比高値からの位置
日経平均株価66,216.79円+890.37(+1.38%)6/25の最高値72,366円から**-8.5%**
TOPIX4,059.73+47.42(+1.18%)8/14の年初来高値4,220.31から**-3.8%**
東証グロース250761.60+19.32(+2.60%)2025年8月高値800.62に未達

2025年の大納会終値は50,339.48円(史上初の5万円台)でしたから、年初来の上昇率は+31.5%。2025年も年間+26.2%だったので、2年連続の大幅高です。

この数字だけ見れば「日本株は絶好調」ですが、直近3か月は大きく揺れています。6月に史上最高値をつけたあと7月に急落し、8月に戻したかと思えば再び下落しました。

日経平均の見通しを読むうえで最初に押さえるべき数字

日経平均は高値から-8.5%、TOPIXは-3.8%。

このたった2つの数字が、いまの相場の性格をすべて説明しています。次の章で詳しく見ていきます。


3. 日経平均とTOPIXの乖離が示すもの

なぜ2つの指数で下落率が違うのか

日経平均は225銘柄の株価を平均する指数で、株価の高い値がさ株(半導体関連やハイテク株が多い)の影響を強く受けます。

一方TOPIXは東証プライム全体を時価総額で加重するため、幅広い業種が反映されます。

つまり、半導体が崩れると日経平均だけが大きく下がる構造になっているのです。

2026年7月のデータが決定的

2026年7月の月間騰落率
日経平均株価-8.14%
TOPIX+0.21%
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)-20.61%

日経平均が8%下落した月に、TOPIXはほぼ横ばいでした。日本株全体からお金が逃げたのではなく、半導体という一角から資金が抜けて、他の業種へ移動したということです。

この構図は年初から続いています。4月に日経平均が初の6万円台に乗せた局面でも、TOPIX・東証スタンダードTOP20・グロース250は「置いていかれた指数」と指摘されていました。

日経平均が上がっても自分の持ち株が上がらないという体感は、この構造から来ています。

そして8月現在は、その構図が逆回転しています。半導体が下げ、他の業種が支えている。だからTOPIXの方が下落率が小さいのです。


4. 2026年ここまでの相場の流れ

日経平均の見通しを立てるには、ここまでの経緯を押さえておく必要があります。

時期出来事日経平均
2025年末大納会で史上初の5万円台50,339円
4月27日初の6万円台。AI・半導体が牽引60,537円
6月18日終値で初の7万円台。米国とイランの戦闘終結覚書署名を好感71,053円
6月25日史上最高値72,366円(ザラ場)。月間値幅8,341円は過去最大72,366円
7月米ハイテク安・中東再緊迫でAI半導体が急落。月間-8.14%64,141円(7/17)
7月31日日米協調による円買い介入(約15年ぶり)
8月14日米CPI・PPI鈍化で反発。一時69,500円超68,713円
8月17日長期金利2.945%(約30年ぶり高水準)
8月19日-2,134円の急落。AI・半導体総崩れ65,326円
8月20日米国株高と長期金利低下で反発66,216円

6月の月間値幅8,341円は過去最大でした。2026年の日本株は、上昇率だけでなくボラティリティ(値動きの荒さ)も歴史的だという点は押さえておきたいところです。


5. いま盛り上がっているセクターはどこか

ここからが本題です。東証33業種のうち、どこにお金が向かっているのかを見ていきます。

業種別騰落率ランキング

上昇上位10業種

順位業種騰落率
1サービス業+10.82%
2鉱業+7.70%
3その他製品+7.14%
4精密機器+6.57%
5電気機器+6.34%
6非鉄金属+6.21%
7海運業+4.77%
8金属製品+4.28%
9銀行業+3.51%
10ガラス・土石製品+3.03%

下落下位5業種

順位業種騰落率
29卸売業-1.00%
30不動産業-2.02%
31鉄鋼-2.33%
32保険業-2.91%
33石油・石炭製品-3.07%

33業種中22業種が上昇。一部だけが上がる相場ではなく、幅広く上がる相場になっている点が重要です。

なお、この週間データは8月18〜19日の急落より前の数字です。

特に電気機器(+6.34%)は8月18日に下落率トップへ転落しているため、直近の実感とはズレます。

日替わりのトップ業種=「循環物色」

2026年8月の日次データを並べると、面白いことが分かります。

日付上昇率トップ業種
8月4日非鉄金属
8月7日石油・石炭製品
8月10日サービス業
8月13日銀行業
8月19日海運業
8月20日輸送用機器

毎日トップが入れ替わっています。

これを「循環物色(じゅんかんぶっしょく)」と呼びます。一つのテーマに資金が集中せず、次から次へと物色対象が移っていく相場です。

循環物色は「相場が強い」証拠でもあります。買われる対象が尽きないということですから。ただし裏を返せば明確な主役が不在であり、一つのテーマを追いかけると振り落とされやすい局面でもあります。

参照:https://kabutan.jp/warning/?mode=9_1

セクター温度感マップ

温度業種理由
🔥 熱い非鉄金属・鉱業LME銅が14,000ドル台と史上最高値圏。データセンター需要
🔥 熱い銀行・その他金融長期金利2.9%で30年ぶり高値。利ざや改善
🔥 熱い海運中東リスクプレミアム、円安、増配
🔥 熱いサービス業週間+10.82%で断トツ。内需・値上げ浸透
🔥 熱い防衛関連防衛費増額、装備移転三原則改訂、利益率改善
⚡ 乱高下電気機器・精密機器(AI半導体)上昇も下落もトップ常連
⚡ 乱高下輸送用機器(自動車)円安メリットと関税影響が綱引き
❄️ 冷えている不動産金利上昇が直撃
❄️ 冷えている保険・鉄鋼・石油石炭週間ランキング下位
❄️ 出遅れ情報・通信年前半3か月で約-8%と最下位。AI代替懸念
❄️ 出遅れ中小型・グロース250昨年高値に未達

6. 日経平均の見通しを左右する5つの要因

① AI・半導体|主役だが足が乱れている

日経平均の上昇寄与額は半導体関連が過半を占めるほど偏っており、ここが動くと指数全体が振れます

世界半導体市場の規模見通しは従来の1兆ドルから2兆ドル近い水準へ拡大しており、ハイパースケーラー(メタ、マイクロソフト、アルファベット、アマゾンなど)の設備投資継続が生命線です。

一方で7月はSOX指数が-20.61%、8月19日も総崩れ。市場では「メモリー半導体もEVがたどった道と同じ現象が起きるのではないか」というピークアウト論も出始めました。

8月20日の反発ではソフトバンクG・アドバンテスト・キオクシアが指数を押し上げた一方、東京エレクトロン・イビデンは下落。同じ半導体でも銘柄によって明暗が分かれる選別局面に入っています。

② 金利上昇|2026年最大の構造変化

日経平均の見通しを語るうえで、今年最も重要な変化がこれです。

項目状況
新発10年国債利回り8月17日に2.945%(約30年ぶり高水準)
市場の見方「3%は通過点」
日銀政策金利1.00%(6月会合で引き上げ)
今後9月利上げをOIS市場が約8割織り込み。到達点1.5%、その先1.75%も

恩恵を受けるのは銀行・保険・その他金融。銀行株は30年ぶり高値をつけ、利ざや改善によるROE向上とバリュエーション切り上がりが期待されています。

逆風なのは不動産(借入コスト増)、高PERのグロース株(割引率上昇)、電力・通信などの高配当ディフェンシブ(相対的な配当妙味の低下)です。

ただし注意点があります。今回の金利上昇は日銀の利上げ観測だけでなく、積極財政に対する財政懸念も混ざっています。

10年債利回りが3%を超えると名目成長率を上回り、債務残高対GDP比が上昇する懸念が指摘されており、「良い金利上昇」と「悪い金利上昇」が同居している状態です。

③ 資源・中東情勢|非鉄と海運を押し上げる燃料

商品水準
LME銅(3か月先物)14,000ドル台を連日維持。最高値14,500ドル台に迫る
小売23,000円/g前後(3月ピーク約29,969円から調整後、足元回復)
BDI(バルチック海運指数)2,791

銅は供給逼迫懸念に加え、現物価格が先物を上回る強い需給。これが非鉄金属と鉱業を押し上げています。

中東情勢は今年2度、相場を動かしました。6月の米イラン戦闘終結覚書で日経平均7万円達成、7月の再緊迫で株安。

海運業が8月19日の急落日に上昇率トップだったのは、地政学リスクプレミアムの反映です。

④ 為替|円安だが政府が本気で止めにきた

ドル円は159〜160円。7月31日には日米協調による円買い介入が約15年ぶりに実施されました。

米国はドル売りではなくユーロ売り・円買いという形で参加しており、その狙いは「米国債市場の不安定化回避」だったとの分析があります。

円安が続く構造要因としては、①対外直接投資の拡大、②海外利益の海外再投資、③小売・金融など非製造業の海外展開加速が挙げられます。

構造的な円安なので、介入や利上げだけでは簡単に反転しないという見方が主流です。

⑤ 政策・株主還元|相場の底を支える需給

自社株買いは年間20〜22兆円ペースが持続可能と試算されており、株数の減少がEPSを押し上げる構造ができています。日経平均株主還元株40指数は6月に最高値を更新しました。

高市政権の積極財政は株にはプラスですが、債券市場には警戒材料。この綱引きが金利と株価の両方に効いています。


7. 需給|誰が買って、誰が売っているのか

2026年8月第1週の投資部門別売買動向

主体売買代金差額
海外投資家-3,827億円(2週連続の売り越し)
個人合計-1,566億円(3週連続の売り越し)
信託銀行+1,697億円(買い越し)

注目すべきは、海外投資家も個人も売り越しているのに、この週の日経平均は1,244円上昇していることです。

買い支えているのは信託銀行(年金など)と、統計に表れにくい企業の自社株買い。つまりいまの相場を支えているのは企業自身という構図です。

日本株は現物株の売買代金の7割前後を海外投資家が占めるため、海外勢が本格的に売りに転じると指数は下がります

日経平均の見通しを追ううえで、毎週チェックする価値のある指標です。


8. 証券各社の日経平均見通し

機関予想備考
野村證券2026年末70,000円(8/10上方修正)TOPIXのEPS予想を2026年度244.0(+19.2%)へ上方修正
大和証券年末80,000円6月時点の予想
証券各社年内75,000円8月時点で最高値予想が相次ぐ
シティ90,000円最も強気

野村證券は下振れシナリオとして「イラン情勢の緊張再燃やAI・半導体ブームの失速」を挙げており、上振れも下振れも中東とAIが鍵という点で各社の見方は一致しています。


9. 今後の注目イベント

時期イベント注目点
8月27〜29日ジャクソンホール会議5月就任のウォーシュFRB議長による初の基調講演
9月日銀金融政策決定会合利上げを市場が約8割織り込み。円相場の分岐点
9月FOMC7月は9対3で据え置き(3名が利上げ主張)。「ライブな会合」に
随時中東情勢再緊迫なら原油高・海運高・株安
10〜11月4-9月期決算円安による上方修正ラッシュがあるか

10. まとめ

2026年8月時点の日経平均の見通しを5点に整理します。

  1. 相場は壊れていない。主役が代わっただけ。 日経平均は高値から-8.5%だがTOPIXは-3.8%、33業種中22業種が上昇。
  2. 2つの軸でセクターが選別されている。 「AIか非AIか」と「金利上昇で得か損か」。強いのは非AI×金利メリット(銀行)と非AI×市況追い風(非鉄・鉱業・海運)。
  3. 主役不在で循環物色が続いている。 一つのテーマを追いかけると振り落とされやすい。
  4. 上がってきた理由が、そのままリスク。 円安・資源高・AI投資・金利上昇。どれも「続く前提」で買われている。
  5. 需給は薄い。 海外勢と個人が売り越すなか、自社株買いと信託銀行が支えている。

また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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