2026年4月28日、大林組(1802)・大成建設(1801)・清水建設(1803)・鹿島(1812)といったスーパーゼネコン各社の株価が一斉に急騰した。
上昇率は清水建設+9.42%、鹿島+9.15%、大成建設+7.91%、大林組+6.60%と、建設セクター全体が大きく買われる展開となった。
「なぜ建設株だけがこんなに上がったのか?」「このまま株価は上昇し続けるのか?」——そんな疑問を持った方も多いだろう。
本記事では急騰の背景にある3つの理由と、今後の株価見通しを個人投資家目線で分析する。
建設株が急騰した3つの理由
理由①|半導体株の下落による「資金ローテーション」
4月27日(月)、日経平均株価は終値で史上初めて6万円台を達成した。
翌28日(火)はその反動と、半導体検査装置大手アドバンテストの決算が市場の期待に届かなかったことを嫌気し、日経平均は前日比619円安と反落した。
ところが、TOPIX(東証株価指数)は3日続伸している。この”ねじれ”こそが重要なポイントだ。
日経平均に大きな影響を与える半導体・AI関連株が売られた一方、その資金の受け皿として内需バリュー株に買いが集まった。
その筆頭が建設株だった。建設業はトランプ関税の直接影響を受けにくく、国内需要に支えられた安定したビジネスモデルが評価されたのだ。
理由②|日銀の利上げ見送りで建設需要への安心感
4月28日に開催された日銀金融政策決定会合では、今回の利上げを見送る判断が示された。
「当面は低金利環境が続く」という安心感は、建設投資や不動産開発が活発に続くとの期待につながりやすい。
ただし、日銀は次回以降の利上げに含みを持たせており、今後の会合には引き続き注目が必要だ。
理由③|5月の本決算発表を前にした”先回り買い”
大林組は2026年5月13日、清水建設は同5月12日に本決算の発表を控えている。
直近の第3四半期決算ですでに大幅増益・上方修正が出揃っているだけに、「本決算でも好業績・増配が確認されるだろう」との期待から、発表前に機関投資家や個人投資家が先行して買いを入れたとみられる。
業績は本当に好調なのか?各社の実態を確認
急回復の構造的な背景
建設各社の業績が今なぜ改善しているか——その背景には「爆弾案件の消化完了」がある。
清水建設は麻布台ヒルズ工事の赤字受注で2024年3月期に上場以来初の営業赤字に転落。
大成建設も世田谷区本庁舎工事の大幅工期遅延で巨額損失を計上した。
その不採算工事がようやく消化され、コロナ禍以降に「選別受注」で積み上げた高採算案件が完成フェーズを迎えているのが、現在の好業績の正体だ。
各社の最新業績(2026年3月期・通期予想)

大林組: 国内建築の採算改善と海外土木の好調が寄与し、第3四半期の営業利益は前年同期比46.2%増の1,427億円。通期純利益予想は前期比17%増の1,700億円へ上方修正し、増配も予定している。

清水建設: 国内建築・土木の採算改善に加え、政策保有株の売却益が追い風となり、通期純利益予想を前期比67%増の1,100億円へ大幅に引き上げた。

大成建設: 長年の課題だった不採算工事の解消が進み、25年4〜12月期の建築事業の完成工事総利益率が10.9%へ急改善。同期間の最高益を更新している。

鹿島: 建設業で初となる売上高3兆円突破を見込む中、AIやロボットを活用した生産性向上を加速させている。
今後の株価見通し:上昇転換は本物か?
中長期(半年〜1年):強気シナリオ
建設株が「単なる一日の急騰で終わらない」と判断できる理由は、業績・政策・需要の3つがそろっているからだ。
受注残が圧倒的に潤沢: 業界関係者からは「これから5年ぐらいはほぼ固まっている」「10年先まで続く工事も受注している」という声が出ている。つまり、向こう数年の業績は今の時点でかなり見えている。
国策の追い風: 政府は2026〜2030年度を対象とした「第1次国土強靱化実施中期計画」を閣議決定した。老朽インフラの更新需要は今後加速度的に増え、公共工事の受注機会は中長期的に拡大が続く見通しだ。
データセンター・半導体工場の建設ラッシュ: TSMC熊本工場やラピダス北海道工場など、超大型プロジェクトへの参画が各社の業績底上げに貢献している。データセンター需要も旺盛で、民間建設投資が公共投資を補完する形で強い需要環境が続いている。
短期(1〜2ヶ月):一時的な調整は織り込む
一方で、4/28の急騰後は利益確定売りが出やすい局面でもある。
日銀が次回以降の利上げに含みを持たせており、5月の本決算発表前後に「材料出尽くし」の売りが入る可能性も否定できない。
また、人手不足は構造的な課題として残る。いくら受注があっても施工できなければ業績貢献には限界がある。
今後の株価はどうなる?

建設株の上昇トレンドは「本物」だと私は見ている。
4/28の急騰は短期的な資金ローテーションがトリガーになったが、その底流には各社の実力ある業績改善と、複数の需要ドライバーが重なるという強固なファンダメンタルズがある。
5月の本決算・来期見通し次第では、さらなる上昇余地が出てくるだろう。押し目を待ちながら中長期的に保有する戦略が現実的ではないか。
参照:https://kabutan.jp/warning/?mode=9_1
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 急騰の直接原因 | 半導体株からの資金ローテーション |
| 日銀の動き | 利上げ見送り=建設需要への安心感 |
| 業績 | 各社とも大幅増益・上方修正が相次ぐ |
| 中長期見通し | 国策・データセンター・インフラ更新で需要継続 |
| 短期リスク | 本決算後の利確売り・日銀利上げ観測 |
建設株は「トランプ関税の影響を受けにくい内需系バリュー株」として、不安定なマクロ環境のなかでも相対的に安定した投資先として改めて注目を集めている。
今後の日銀の動きと5月の本決算発表が、次の方向性を決める重要なカタリストになるだろう。
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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