はじめに:日経平均が史上最高値を更新

2026年4月16日、日経平均株価は前日比1,384円高の5万9,518円で取引を終え、2月27日につけた5万8,850円を上回り、史上最高値を更新しました。
わずか1か月前の3月には中東情勢の悪化で急落していた日本株が、4月に入って急反発。
4月10日時点ですでに月間上昇幅は5,860円(+11.5%)に達し、昨年10月以来の急ピッチな上昇となっています。
本記事では、日経平均急騰の背景、勝ち組銘柄TOP5、逆に売られている敗者銘柄、そして今後の株価動向を初中級者向けにわかりやすく解説します。
なぜ日経平均は急騰しているのか?4つの理由
① 米国・イラン和平交渉への期待
最大の要因は地政学リスクの後退です。
米・イラン情勢の収束期待を背景に、投資家のリスク許容度が一気に高まりました。
3月に売り込まれた反動もあり、「買い遅れまい」という焦燥感が買いを呼んでいます。
② AI・半導体関連株の再加速
中東情勢が不透明な中でも、業績成長が比較的見通しやすいセクターとして、AI・半導体関連株に投資資金が集中しています。
米国のフィラデルフィア半導体指数(SOX)が連日高値を更新したことも、日本のハイテク株を押し上げました。
③ 海外投資家による「ペイントレード」
中東紛争勃発で弱気に傾いた市場心理を突いて、海外投資家の逆張り買い(ペイントレード=痛みを伴う取引)の最有力候補に日本株が挙がっています。
ショートポジションの踏み上げも相場上昇を加速させています。
④ 円安基調と企業業績の好調
ドル円は158円台で推移し、輸出企業の追い風が継続。
2026年度はAI向け半導体・データセンター需要などから、営業利益+14.6%、純利益+15.0%と2桁増益が予想されています。
Sumitomo Mitsui DS Asset Management
買われているセクター・売られているセクター
4月相場の特徴を一言で言えば、「売買代金上位のAI・半導体主力株が買われ、戦争(有事)銘柄が売られる」構図です。
【買われているセクター】
- 半導体・メモリー関連:AIデータセンター需要の本格拡大
- 電線・電力インフラ:AI向け電力・通信ケーブル需要
- 半導体製造装置:設備投資サイクル継続
- 非鉄金属(AI素材):銅・スパッタリングターゲット需要
【売られているセクター】
- 防衛・重工株:中東停戦で「有事プレミアム」剥落
- 海運株:ホルムズ海峡封鎖解消で運賃急騰期待が後退
- 石油・資源株:原油価格急落で業績期待が剥落
- 総合商社:資源価格下落とトランプ関税の二重苦
明確に「AI・テクノロジー」VS「資源・有事」の資金シフトが進んでいます。
勝ち組銘柄TOP5
① キオクシアホールディングス(285A)

NAND型フラッシュメモリー世界大手。
4月10日に上場来初の3万円台(30,150円)に乗せ、売買代金は取引開始20分で2,000億円を突破。
4月14日には一時+17.9%高の36,870円で上場来高値を更新。
AI向けNAND需要急拡大で2026年中の生産分は「完売」状態です。
② フジクラ(5803)

電線大手。AIデータセンター向け光ファイバー・電力ケーブル需要で4月16日に前日比+4.72%の5,951円で取引を終了。
25年3月期末からの株式分割で個人買いも加速しています。
③ アドバンテスト(6857)

半導体試験装置の世界最大手。エヌビディア向けテスター需要で相場の牽引役。
ソフトバンクG、レーザーテック、東京エレクトロン、ディスコなどと並ぶ値がさAI関連株の主力として日経平均を下支え。
④ 古河電気工業(5801)

国内電線御三家の一角。
4月9日に一時4万5,000円台に乗せ、25年半ぶりの上場来高値を連日更新。
AIデータセンター向け需要で2024年以降株価上昇が続き、直近3か月で株価4倍超、売買代金はすでに2025年通年を上回る過熱ぶり。
4月8日には単日で+17.61%上昇、14日には年初来高値47,940円を更新しました。
⑤ JX金属(5016)

AIサーバー向けスパッタリングターゲットでグローバルシェア64%、圧延銅箔では世界シェア78%を保持。
2026年3月期第3四半期決算は売上高+18.9%、営業利益+44.8%と大幅増収増益で通期上方修正。
共通点は「売買代金上位の主力株」。流動性の高い大型株に海外マネーが集中流入しています。
敗者銘柄:戦争銘柄が売られている
① 三菱重工業(7011)

防衛費9兆円という政策追い風で2025年に大きく上昇しましたが、中東停戦ムードで利益確定売り。
防衛関連の「有事プレミアム」が剥落しています。
② 三菱商事(8058)

総合商社大手。
原油・資源価格の下落に加え、トランプ関税懸念で売られやすい地合いに。
③ INPEX(1605)

国内最大の石油・天然ガス開発会社。
3月19日には中東情勢緊迫化による原油高で上場来高値を更新、WTI一時100ドル乗せで5日連続高値更新していたものの、4月以降は米イラン停戦合意でWTI原油先物が17%暴落し、逆回転で売られています。
④ 商船三井(9104)

ホルムズ海峡封鎖で船腹不足→運賃急騰の連想から買われ、3月19日に10年来高値7,325円を更新。
しかし停戦合意・原油急落により「有事プレミアム」が剥落し、海運株の下押し要因となりました。
共通点は「戦争・有事関連で買われてきた銘柄」。停戦観測が本格化した途端、一斉に巻き戻しの売りが出ています。
これからの株価動向:6万円台定着か、調整か?
主要証券会社の見通し
- 野村證券:
- 2026年12月末の日経平均ターゲットを60,000円と予想、中東情勢が悪化してもこの見通しを維持 Nomura。
- 三井住友DSアセット:
- 2026年末TOPIX 4,100ポイント、日経平均61,500円を予想
- Sumitomo Mitsui DS Asset Management。
注目すべきリスクシナリオ
- 決算発表シーズン(4月下旬〜5月):
- 企業が原油高を背景に慎重な利益予想を出し、株価が一時的に調整する可能性があります。
- 中東情勢の再燃:
- 和平交渉が決裂すれば、急落リスクが再浮上します。
- AIバリュエーション過熱:
- PER24倍超えは歴史的高水準。期待が剥落すれば調整局面入りの可能性があります。
- 為替介入ライン(160円):
- 円安進行で介入が入れば、輸出株に逆風となります。
テクニカル分析

日経平均株価を見るに、60000円を超すかどうかが今後も株価が上昇する上で鍵になりそうです。
ただ一瞬だけ60000円を超えたとしてもすぐに押し戻される可能性が高いので、今の出来高よりも増加して60000円をブレイクした時が上昇トレンドが継続するタイミングだと思われます。
またこれまで急ピッチで上昇してきた分の調整が入る可能性も高いのですが、株価が5日移動平均線を下回らない限りは押し目だと考えます。
逆に、株価が5日線を二日連続で割った場合、調整段階になり下落が続く可能性が高いです。
下落したとしても55000~60000円のレンジを作ると思うので、下げ止まったら買いかもしれません(日本株は今強いので)。
初中級者の投資戦略
当面のメインシナリオは「押し目買い」。
急騰後の調整を待って、AI・半導体関連の主力株を拾う戦略が有効です。
25日移動平均線をサポート線に、好業績の大型株の押し目を丁寧に拾っていく戦略がおすすめとされています。
上昇に乗り遅れた!と焦らずに損をしないことを心がけましょう!
まとめ
2026年4月の日経平均急騰は、「地政学リスク後退 × AI相場 × 円安 × 政治的安定」という好条件が重なった結果です。
一方で過熱感も否めず、決算発表シーズンの動向次第では短期調整もあり得ます。
初中級者の方は、話題株への飛びつき買いを避け、AI・半導体の主力株を押し目で買う戦略を基本に、中長期では年末6万円台を視野に資産形成を進めていくことをおすすめします。
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/

