「来週の日本株、どう動くか気になっていませんか?」
特に、2025年7月9日に予定されている「トランプ氏の対中関税」に関する発表を控え、ご自身の保有株や今後の投資戦略について、不安や悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
大きなイベント前は、どうも動きづらい…
関税の影響で、持っている株が下がってしまわないか心配だ…
こんな時でも、チャンスとなる銘柄はないだろうか?
こうした声が聞こえてきそうです。世界経済を揺るがしかねない大きな政治イベントを前に、投資家心理が冷え込むのは当然のこと。
しかし、見方を変えれば、このような不透明な相場環境だからこそ、冷静な分析と戦略が光る絶好の機会とも言えます。
この記事では、来るべき「トランプ関税」が株式市場に与える影響を整理し、そのような環境下でも輝きを放つ可能性を秘めた、関税の影響を受けにくい注目銘柄を8つ、テクニカル分析を交えて具体的にご紹介します。
ぜひ、あなたの来週の投資戦略のヒントにしてください。
結論:不透明な相場こそ「内需株」と「テクニカル」
7月9日に予定されているトランプ氏の関税発表は、日本株市場全体に不透明感をもたらし、特に輸出関連株には逆風となる可能性があります。
このような状況下で有効な戦略は、海外情勢の影響を受けにくい「内需株」に焦点を当て、かつ、チャート形状が良好な「テクニカル的に強い銘柄」へ投資対象を絞り込むことです。
市場全体が様子見ムードに包まれる中では、外部環境の荒波を避け、個別の強さに注目することが、リスクを抑えつつリターンを狙うための賢明なアプローチと言えるでしょう。
なぜ「内需株」と「テクニカル」が有効なのか?
なぜ、このような結論に至るのか。その理由を2つの側面からご説明します。
1. 関税強化がもたらす「リスクオフ」ムードと輸出企業への懸念
まず、トランプ氏が対中関税の強化を示唆している背景を理解する必要があります。
関税が引き上げられると、米中間だけでなく、世界中のサプライチェーンに影響が及びます。
- 輸出企業の業績悪化懸念:
- 日本には、自動車、機械、電子部品など、中国をはじめとする海外への輸出で大きな収益を上げている企業が数多く存在します。
- 世界経済への波及:
- 米中という世界経済の二大巨頭の対立は、世界全体の景気減速懸念につながります。
- そうなると、投資家はリスクを避けるために株式などの資産を売却し、より安全とされる現金や債券へ資金を移す動き(リスクオフ)を強める傾向があります。
このような状況では、当然ながら海外売上高比率の高い輸出関連銘柄は敬遠されやすくなります。
2. 外部環境に強い「内需株」と、相場の勢いを示す「テクニカル分析」の重要性
そこで輝きを増すのが、「内需株」と「テクニカル分析」です。
- 内需株のディフェンシブ性:
- 内需株とは、その名の通り、日本国内の需要(消費や投資)を主な収益源としている企業のことです。
- 例えば、食品、小売、鉄道、電力・ガスなどがこれにあたります。
- これらの企業は、海外の関税問題や為替変動の影響を受けにくいため、市場全体が不安定な局面で「ディフェンシブ銘柄(景気変動の影響を受けにくい銘柄)」として物色されやすい特徴があります。
- テクニカル分析の信頼性:
- 相場全体が方向感に欠ける時こそ、個々の銘柄が持つ「勢い」や「需給」を客観的に判断するテクニカル分析が重要になります。
市場全体が不透明な中でも、明確な上昇トレンドを形成している銘柄は、多くの投資家が「強い」と判断し、買いが集まっている証拠です。
こうした銘柄は、相場の混乱が収まった後にいち早く上昇に転じたり、下落局面でも底堅い値動きをしたりする傾向があります。
関税の影響を受けにくい注目銘柄8選
それでは、上記の理由を踏まえ、来週以降の相場で注目したい具体的な8銘柄をご紹介します。
いずれも関税の影響が限定的な内需関連であり、テクニカル的にも魅力的なチャート形状をしています。
1. 味の素 (2802)

- 現在値: 3,955円
- 事業内容: 「うま味調味料」で世界的に有名な食品大手。冷凍食品や健康食品なども手掛け、安定した収益基盤を持つ典型的な内需・ディフェンシブ銘柄です。
- 注目理由:
- 5日・25日移動平均線が共に上向きで、力強い上昇トレンドを示しています。
- さらに、株価がボリンジャーバンドの+2σラインに沿って上昇する「バンドウォーク」を形成しており、トレンドの強さは一目瞭然です。
2. F&LC (3563)

- 現在値: 7,288円
- 事業内容: 回転寿司チェーン「スシロー」を運営。国内の個人消費に支えられており、インバウンド需要の回復も追い風です。
- 注目理由:
- 味の素と同様に、5日・25日移動平均線が上向きで、+2σでのバンドウォークが発生中です。
- 外食産業の中でも特に強い勢いを持っていることがチャートから読み取れます。
3. パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス (7532)

- 現在値: 4,942円
- 事業内容: 「ドン・キホーテ」でおなじみの総合ディスカウントストア。日用品から家電、食品まで幅広く扱い、景気動向に左右されにくい強みがあります。
- 注目理由:
- 5日・25日線が上向きの上昇トレンドの中、株価が+1σライン付近で推移しています。
- 過熱感のある+2σではなく、+1σでの推移は、トレンドが継続する中での「押し目買い」の好機と捉えることができます。
4. スギホールディングス (7649)

- 現在値: 3,310円
- 事業内容: 中部地方を地盤とする大手ドラッグストアチェーン。医薬品や日用品は生活に不可欠であり、景気の影響を受けにくい代表的なディフェンシブセクターです。
- 注目理由:
- パンパシHDと同様、上昇トレンドの中で+1σラインを支持線としており、絶好の押し目買いポイントになる可能性があります。
- 安定した業績とチャート形状が魅力です。
5. 西武ホールディングス (9024)

- 現在値: 4,980円
- 事業内容: 鉄道、不動産、ホテルなどを手掛ける大手私鉄グループ。国内の人の移動やレジャーが収益の柱であり、インバウンド回復の恩恵も期待される内需株です。
- 注目理由:
- こちらも5日・25日線が上向きで、株価は+1σライン上で反発の形を見せています。
- 過熱感を冷ましながら、再度の上昇を狙える位置にいると分析できます。
6. センコーグループホールディングス (9069)

- 現在値: 2,033円
- 事業内容: 総合物流大手。特に国内の物流に強みを持ち、私たちの生活を支える重要なインフラ企業です。EC市場の拡大も追い風となっています。
- 注目理由:
- 5日・25日線が上向きの中、+2σでのバンドウォークを継続しており、買い方の勢いが非常に強いことを示唆しています。
7. NXHD(NIPPON EXPRESSホールディングス) (9147)

- 現在値: 3,014円
- 事業内容: 「日本通運」で知られる国内物流の最大手。グローバルなネットワークも持ちますが、国内物流網の強固さが収益基盤であり、内需の側面が強い企業です。
- 注目理由:
- センコーGHDと同様に、5日・25日線が上向きで+2σでのバンドウォークが発生中。
- 物流セクターへの資金流入が続いていることを示す好例です。
8. 中部電力 (9502)

- 現在値: 1,848円
- 事業内容: 中部地方を地盤とする大手電力会社。電力は社会インフラそのものであり、業績は景気に左右されにくく、代表的なディフェンシブ銘柄です。
- 注目理由:
- 5日・25日線が上向き、+2σでの強い上昇トレンドを形成しています。
- 加えて、同業の東京電力HDなどと比較して株価に出遅れ感があるとの見方もあり、今後のキャッチアップが期待される銘柄です。
まとめ
7月9日のトランプ関税という不透明なイベントを前に、市場全体が神経質な展開になる可能性があります。
しかし、このような時こそ冷静に、海外情勢のリスクを受けにくい「内需関連株」や、個別の強さを示す「テクニカル的に上昇トレンドが明確な銘柄」に目を向けることが、有効な投資戦略となります。
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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