2008年に起きたリーマンショックは、世界経済に大打撃を与えた歴史的な金融危機です。
「なぜあのとき、世界中の株価が暴落したのか?」、「リーマン・ブラザーズが破綻しただけで、どうしてここまで大規模な不況に陥ったのか?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、リーマンショック前のアメリカ経済の状況と、リーマン・ブラザーズの破綻が引き起こした連鎖的な金融危機の背景を分かりやすく解説します。
✅ リーマンショック前のアメリカ経済は「見かけ上は絶好調」だった
1. GDP成長率は順調で景気は回復傾向

2001年のITバブル崩壊と同時多発テロ(9.11)の影響で景気は一時停滞しましたが、その後のアメリカ経済は回復軌道に乗っていました。
2003年〜2006年にかけてはGDPも年率2〜4%の成長を維持し、景気指標も好調。企業業績も伸び、失業率も徐々に改善していました。
参照:https://honkawa2.sakura.ne.jp/4555.html
2. 住宅バブルによる景気拡大
この時期、アメリカでは住宅市場が空前の好景気を見せていました。
住宅価格は右肩上がりで、個人が家を「投資商品」として買い漁る現象も起こっていました。
その背景にあったのが、「サブプライムローン」の拡大です。これは、返済能力の低い人(信用スコアが低い層)にも住宅ローンを貸し出す仕組みで、住宅需要を一時的に強烈に押し上げました。
やはり知識がない人が市場に入りだした時がバブルを形成し、バブル崩壊への契機にもなることがわかりますね!
それでいうとNISAでは素人が株式市場に入ってきてバブルになるのかと言われると、まだその段階ではないかと思います。
まずNISAは日本の制度であり世界規模のバブルは形成されないからです。
次にNISAができてもまだまだ株式市場への参入障壁がまだあり、素人の参入は多くはないからです。
逆に世界規模(特にアメリカ)で株式市場への参入を促すような制度や投資商品が登場しだしたらバブルになってくるのではないかと思います。
トランプ大統領になり仮想通貨の制度が変わりつつあり、誰でも仮想通貨に参入できるようになってるのでまだまだバブルを形成していくのかなと考えます!
逆に仮想通貨のバブルが弾けるきっかけとしては、リーマンショックと同じく仮想通貨への信用が失われた時だと思います。例えばシステム障害やハックされたりなど価値がなくなる場合。
3. 株価も上昇、失業率も低水準
2007年10月にはダウ平均株価が過去最高の1万4000ドル台を記録し、株式市場も楽観ムード。失業率も4%台と、歴史的に見てもかなり低い水準を維持していました。
つまり、表面的にはアメリカ経済は「順調そのもの」だったのです。
❗しかし裏では深刻な「金融バブル」が進行していた
1. サブプライムローンのリスク
サブプライムローンは、ローンの返済が困難な層への融資であるため、本来はリスクが高いものです。
しかし、それを証券化(MBS:モーゲージ担保証券)して世界中の投資家に販売することで、リスクが“見えにくく”なっていました。
現代でも人気テーマ(半導体など)のETFや投資信託が登場し、誰もが投資しやすくなった時がピークだと言われてますね!
2. CDSやCDOの複雑な金融商品が拡散
MBSをさらに複雑に組み合わせたCDO(債務担保証券)や、それらの信用リスクに賭けるCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)が爆発的に増加しました。
リーマン・ブラザーズを含む多くの金融機関が、こうしたリスクの高い商品を膨大に保有・販売していたのです。
3. 実態を無視した「信用拡大」と「格付け」
これらの金融商品には**高い格付け(AAA)**が与えられていましたが、実際には返済不能の可能性が高いローンが多く含まれていました。
つまり、金融の世界は「見せかけの信用」で成り立っていたわけです。
💥 なぜリーマン・ブラザーズの破綻が「世界恐慌級の不況」につながったのか?
1. リーマンは金融ネットワークの「ハブ」だった
リーマン・ブラザーズは、世界中の銀行、保険会社、投資家と取引関係を持つ金融システムの中心的存在でした。
当時のリーマン・ブラザーズの時価総額は米国市場の中でTOP10に入るくらいの規模の大きさでした。今でいうとAmazonくらいの規模の企業が潰れるといった感覚ですね!
リーマンが倒れたということは、「どこがどれだけのリスクを抱えているのか分からなくなった」ことを意味します。
→ これにより銀行間の信用が崩壊し、資金の貸し借りが停止しました。
2. 信用収縮によって金融が機能不全に
銀行が互いを信用できなくなったことで、企業や個人への融資も大幅に縮小。
お金が回らなくなった結果、企業は投資や雇用を抑制し、消費も落ち込み、実体経済が一気に冷え込みました。
これを「信用収縮(クレジット・クランチ)」といい、リーマンショックが「金融危機から実体経済の危機」へと波及した理由です。
3. 金融商品が暴落、世界中の金融機関が損失
サブプライム関連の金融商品は、世界中の銀行やファンド、年金基金などに販売されていたため、リーマン破綻によってそれらの価値が暴落。
→ 世界中で数百兆円規模の損失が発生し、他の金融機関も次々に経営危機に。
4. パニック心理と株価暴落

「リーマン・ブラザーズですら倒産するなら、どこが安全か分からない」という不安が広がり、世界中で株式市場が大暴落。個人投資家や企業のマインドが一気に冷え込みました。
参照:https://jp.tradingview.com/chart/?symbol=SP%3ASPX
株価が回復するのはどのくらいからか?
上記のチャートを見ると、2000年初頭の暴落はITバブル崩壊であり底値を打つまでに1~2年くらいかかってます。
2008年9月15日のリーマンショック前の暴落からだと1年間くらい株価の下落があり、そこから株価が戻り出しているということです。
また2つの株価暴落の前にFRBの利上げがあったことも共有点ですが、底値を打つまで1年くらいはかかるということです!
✅ まとめ:リーマンショックの本質と教訓
項目 | 状況 |
---|---|
景気指標(表面) | GDP成長、株高、低失業率=見かけ上の好景気 |
実態 | 住宅バブル、過剰な信用拡大、金融リスクの過小評価 |
リーマン破綻の影響 | 金融市場の信用崩壊 → 世界的な信用収縮と実体経済の後退 |
世界不況になった理由 | 金融ネットワークの崩壊とグローバルな連鎖損失 |
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/