2024年8月23日、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、米カンザスシティー連邦準備銀行が主催する「ジャクソンホール会議」で講演し、「金融政策の見直しを行う時期が来た」と述べました。これにより、来月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが検討される可能性が高まりました。
今回のブログでは、もしFRBが利下げを開始した場合、米国株と日本株の株価がどのように反応するのか、過去の事例を参考にしながら分かりやすく解説していきます!
結論
・過去の米利下げ事例では必ずしも株高にはならない!
→過去6回の利下げでは、4回の利下げ時にはその後株価が上昇したが、2回の利下げ時にはその後株価が下落した。
・米利下げ後の米景気動向で株価が上がるか下がるかが決まる!
→半年以内にリセッション(景気後退)なら日米とも株安、回避なら株高へ
FRBが利下げ後、米国株の直近6回の利下げ後の事例を紹介
過去の利下げ時期は、①1989年6月、②1995年7月、③1998年9月、④2001年1月、⑤2007年9月、⑥2019年7月、の直近6回過去に利下げを行っていました。
過去米利下げでその後、必ずしも株価は上昇していかない!
ダウ平均の動きから検証していくと、利下げ開始から125営業日までの間、①は9.1%上昇、②は11.4%上昇、③は22.7%上昇、④は3.4%下落、⑤は9.8%下落、⑥は7.0%上昇、という結果になりました。
つまり、過去6回の利下げ開始から半年間で、ダウ平均は①、②、③、⑥の4回上昇した一方、④と⑤の2回下落しており、利下げが必ずしも株高につながらないことが分かります。
日経平均でも、米国株と同じ挙動をとり、①、②、③、⑥の4回上昇した一方、④と⑤の2回下落しており、利下げが必ずしも株高につながらないことが分かります。
なぜか過去2回の利下げでは株高にならなかったのか?
利下げ開始後、半年以内にリセッション(景気後退)入りなら株安、リセッション回避なら株高、という傾向が読み取れますね。
次回のFOMCで利下げを開始する場合の市場動向について考察
FRBが次回の9月のFOMCで利下げを開始する可能性が高いと見られています。しかし、過去の事例を振り返ると、株価の動きに影響を与える重要な要素は「利下げ」そのものではなく、「利下げ後の景気の動き」がどうなるかにあることが分かります。
つまり、今回も利下げが行われた後、もし半年以内に景気が後退(リセッション)するなら、米国株も日本株も下落する可能性があります。
一方で、リセッションを回避し、景気が穏やかに回復(ソフトランディング)する場合には、両方の株価が上昇する展開が予想されるでしょう!
以上
参照元:https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2024/08/irepo240828/