【株初心者】株を買う前に知るべき失敗しない”3つのポイント”とは?

株を買う前 株の知識

はじめに:あなたの株式投資、”なんとなく”になっていませんか?

「この会社の株、なんだか上がりそうだな」

「有名な大企業だから、きっと大丈夫だろう」

株式投資を始めるとき、多くの方がそんな淡い期待を抱いて株を購入しているのではないでしょうか?

しかし、そんな”なんとなく”の気持ちで始めた取引で、こんな経験はありませんか?

期待して買った株が、買った途端に下がり始めてしまった…
少し利益が出たけど、もっと上がるかもと欲張ったら、結局マイナスに…
含み損が怖くて売ったら、その直後に株価が急上昇して悔しい思いをした…

もし一つでも当てはまったなら、それはあなたの運が悪いからではありません。

明確な”ルール”を持たずに、感情や感覚に頼った「ギャンブル投資」になってしまっている証拠です。

もちろん、投資に「絶対」はありません。しかし、勝ち続けている投資家は、運だけで取引しているわけではありません。

彼らは必ず、自分だけの確固たるルールを持っています。

この記事では、ギャンブル投資から脱却し、感情に振り回されずに着実に資産を築くための第一歩として、株を買う前に必ず決めておくべき「3つのポイント」を徹底的に解説します!

鉄則1:なぜ上がる?購入前の”根拠”を明確にする

あなたが今、買おうとしている銘柄は、なぜ株価が上がると考えていますか?

「有名だから」「誰かが良いと言っていたから」「なんとなく」…これらは残念ながら、投資の根拠としては非常に危険です。

しっかりとした根拠を持つことは、羅針盤を持たずに航海に出ないのと同じくらい重要なことです。

では、「具体的な根拠」とは何でしょうか?それは大きく分けて2つのアプローチがあります。

①企業の価値に着目する「ファンダメンタルズ分析」

これは、企業の「業績」「財務状況」といった本質的な価値を分析し、株価が割安か割高かを判断する方法です。

中長期的な視点で、企業の成長性に投資するスタイルに向いています。

▼ここをチェック!ファンダメンタルズ分析の基本指標

  • 売上高・営業利益: 会社の稼ぐ力。右肩上がりで成長しているかを確認します。
  • PER(株価収益率): 株価が会社の利益に対して割安かを示す指標。数値が低いほど割安とされます。(例:同業他社や過去の平均と比較する)
  • PBR(株価純資産倍率): 株価が会社の純資産に対して割安かを示す指標。1倍を割ると、会社の解散価値よりも株価が安いと判断されることがあります。
  • ROE(自己資本利益率): 会社が自己資本をどれだけ効率的に使って利益を生み出しているかを示す指標。数値が高いほど、稼ぐ力が強いとされます。(目安は10%以上)

「A社は新製品が好調で3四半期連続で増収増益。なのにPERは同業他社より低い。これは割安だから、今後の株価上昇が期待できる」といった思考が、ファンダメンタルズ分析に基づいた根拠となります。

②株価チャートから未来を読む「テクニカル分析」

これは、過去の株価や出来高の「チャート」を分析し、将来の値動きのパターンを予測する方法です。

短期的な売買タイミングを計るのに適しています。

▼ここをチェック!テクニカル分析の基本指標

  • 移動平均線: 一定期間の株価の平均値を結んだ線。短期線が長期線を下から上に突き抜ける「ゴールデンクロス」は買いサイン、その逆の「デッドクロス」は売りサインとして有名です。
  • 出来高: 株が売買された量。出来高が急増しながら株価が上昇している場合、強い買いの勢いがあると判断できます。
  • ローソク足: 1日の値動き(始値、終値、高値、安値)を表したもの。様々な形があり、投資家の心理状態を読み解くヒントになります。

「B社の株価は長期的に下落していたが、最近、出来高を伴って上昇し、ゴールデンクロスが発生した。これは上昇トレンドへの転換サインかもしれない」といった思考が、テクニカル分析に基づいた根拠です。

どちらか一方だけが正しいというわけではありません。

自分の投資スタイルに合わせて、これらの分析手法を組み合わせ、「自分自身が納得できる購入理由」を言葉で説明できるようになるまで、徹底的に調べることが大切です。

鉄則2:出口戦略としての”利益確定ライン”

株初心者の方が陥りがちなのが、「利益確定のタイミングが分からない」という問題です。

「せっかくプラスになったのに、すぐに売ってしまって大きな利益を逃した(チキン利食い)」

「もっと上がるはず、と持ち続けたら、結局マイナスになってしまった(強欲)」

このような後悔をしないために、株を買うと同時に「いくらになったら売るか」という利益確定ラインを決めておくことが極めて重要です。

①利益確定ラインの決め方

1.パーセンテージで決める

自分の投資期間に合わせて目標を設定します。

  • デイトレード(1日で完結): +1% 〜 3%
  • スイングトレード(数日〜数週間): +5% 〜 10%
  • 中長期投資(数ヶ月〜数年): +10% 〜 20%

これはあくまで目安です。大切なのは、「機械的にルールを実行する」ことです。

目標に到達したら、たとえその後さらに株価が上がったとしても「ルール通りにできた」と自分を褒めてあげましょう。

2.テクニカル指標で決める

  • 過去の高値: 前回、株価が跳ね返された高値は、次の目標地点になりやすいです。
  • キリの良い株価: 1000円、2000円といったキリの良い数字は、多くの投資家が意識するため、売りのポイントになりがちです。
  • 25日平均線:トレンドフォローラインである25日移動平均線を割ったら売りといったルールは多くの投資家が実行しているルールです。

3.最初の”根拠”が崩れたら売る

「業績が良いから買ったのに、次の決算で赤字になった」

「新しい技術に期待して買ったのに、開発中止が発表された」

鉄則1で立てた購入根拠が崩れた場合は、たとえ目標株価に届いていなくても、利益が出ているうちに売るという判断も重要です。

②「分割決済」で利益を伸ばす

「せっかくの成長株だから、一部は利益を確定しつつ、残りでさらなる上昇を狙いたい」という方には分割決済(一部利食い)がおすすめです。

例えば、100株持っているうち、目標株価に到達したら50株だけ売り、残りの50株は持ち続ける、という戦略です。

これにより、最低限の利益を確保しつつ、大きなリターンを狙うという、精神的にも余裕のあるトレードが可能になります。

鉄則3:”損切りライン”の徹底

投資において、利益を出すこと以上に重要なのが「大きな損失を出さないこと」です。

そのために絶対に必要なスキルが「損切り(ロスカット)」です。

しかし、多くの初心者がこの損切りをためらってしまいます。

「下がっても、また上がるはずだ」という希望的観測(お祈り投資)

「ここで売ったら、損失が確定してしまう」という恐怖

こうした心理が働き、ズルズルと株を持ち続けた結果、取り返しのつかないほどの含み損を抱えてしまうのです。

これは、人間が「利益を得る喜び」よりも「損失を被る苦痛」を強く感じる「プロスペクト理論」という心理バイアスによるものです。

参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%83%88%E7%90%86%E8%AB%96

この感情的なワナを乗り越えるためにも、株を買う前に「いくらまで下がったら潔く売るか」という損切りラインを必ず決めておきましょう。

①損切りラインの決め方

1.パーセンテージで決める

株を買う前にいくらプラスで売るのかを事前に決めておくことで他の雑念で混乱せずにしっかりと利益を出せていけます。

  • デイトレード: -1% 〜 –3%
  • スイングトレード: -3% 〜 -8%
  • 中長期投資: -10% 〜 -15%

しかし、実際には3%に到達する前に株価が落ちてしまうことが多いです。

2.テクニカル指標で決める

  • 直近の安値: この価格を下回ると、下落トレンドが加速する可能性が高いと判断します。
  • サポートライン(下値支持線): 何度も株価が反発している価格帯。ここを割ると、売りが優勢になったと判断します。

3.最初の”根拠”が崩れたら売る

シナリオが崩れたら、潔く撤退しましょう。

それがたとえ小さな損失であっても、次のチャンスに資金を温存するための重要な戦略です。

②感情を排除する最強のツール:「逆指値注文」

「ルールは決めたけど、いざとなると実行できない…」という方のために、「逆指値(ストップロス)注文」という便利な機能があります。

これは、「〇〇円以下になったら自動的に売る」という予約注文です。

株を買った直後にこの注文を入れておけば、仕事中や就寝中に株価が暴落しても、設定した価格で自動的に損切りが実行されます。

感情が入り込む余地をなくし、あなたの資産を守ってくれる強力な味方です。

まとめ

今回解説してきた3つの鉄則を、もう一度おさらいしましょう。

  1. 根拠を持つ: なぜこの株が上がるのか、自分の言葉で説明できるようにする。
  2. 利益確定ラインを決める: 欲張らず、事前に決めたゴールで確実に利益を得る。
  3. 損切りラインを決める: 傷が浅いうちに撤退し、次のチャンスに備える。

株式投資の世界で長期的に生き残るために最も重要なことは、「自分で決めたルールを、どんな時も鉄の意志で守り抜くこと」です。

ギャンブル投資を卒業し、賢く、冷静な投資家として、着実に資産を築いていきましょう!

また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!https://blog-hero.com/

参照:https://kabutan.jp