アメリカの経済指標は、世界経済に大きな影響を与えるため、多くの投資家や経済アナリストが注目しています。以下に、主な経済指標をピックアップし、それぞれについて具体的に説明します。
アメリカの主な経済指標一覧
以下の表がアメリカの重要な経済指標一覧となります。
意外と多いですね。
ジャンル | 経済指標 | 説明 | 重要度 |
雇用関連 | 米国雇用統計 | アメリカの労働省労働統計局(BLS)が毎月発表する雇用情勢を示す指標で重要度が高い | ★★★ |
失業率 | 失業率は、労働力人口に対する失業者の割合を示す指標です。労働市場の健康状態を把握するために使用され、経済の好不調を反映します。 | ★★★ | |
金融政策 | FOMC声明/議事録 | 連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に委員会全体の見解が声明文として示され、3週間後に話し合われた内容など詳細が議事録として公表される | ★★★ |
景気関連 | 国内総生産(GDP) | 米商務省の経済分析局(BEA)が四半期ごとに発表し、速報値、改定値、確報値に分けて公表される | ★★★ |
ISM製造業景況指数 | 米供給管理協会が企業の購買担当者のアンケート結果を基に毎月算出する景況感を示す指標 | ★★★ | |
貿易関連 | 貿易収支 | 米商務省の経済分析局(BEA)が毎月発表する貿易統計(通関ベース)で示される貿易における輸出額と輸入額の差額で経常収支の項目の一つ | ★★ |
物価関連 | 消費者物価指数(CPI) | アメリカの労働省労働統計局(BLS)が毎月発表するインフレ率を示す指標 | ★★★ |
消費関連 | 小売売上高 | アメリカの商務省調査(センサス)局が毎月発表する様々な形態の小売店の売上高を示す指標 | ★★ |
個人消費支出(PCE) | 米商務省の経済分析局(BEA)が毎月発表する個人が消費した財やサービスの支出を示す指標 | ★★ | |
消費者信頼感指数 | 米国の民間調査会社がアンケート調査をもとに毎月発表する個人消費の先行きを示す指標 | ★★ | |
製造業関連 | 鉱工業生産指数 | 米連邦準備制度理事会(FRB)が毎月発表する主に鉱業や製造業の生産動向を示す指標 | ★★ |
住宅関連 | 住宅着工件数 | 米商務省が毎月発表する建設開始となった新築住宅の件数で景気の先行きを示す指標 | ★★ |
中古住宅販売件数 | 全米不動産協会が毎月発表する中古住宅の販売成立件数で景気の先行きを示す指標 | ★★ |
具体的な経済指標の解説!
米国雇用統計
雇用者数が増えれば良し!
米国雇用統計は、毎月初めに発表されるアメリカの労働市場に関する統計データで、「失業率」「非農業部門雇用者数」「週労働時間」「平均時給」「建設業就業者数」「製造業就業者数」「金融機関就業者数」など計10数項が含まれます。これらのデータは、経済活動や中央銀行の政策に大きな影響を与えます。
例えば、2024年8月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数が20万人増加し、失業率が3.8%に低下したとします。これは労働市場が堅調であることを示し、経済の成長が続いていることを反映しています。
参照:https://www.ig.com/jp/market-news-and-analysis/non-farm-payrolls
失業率
失業率は低ければ良し!
失業率は、労働力人口に対する失業者の割合を示す指標で、経済の健康状態を測るために重要です。労働市場の動向を把握するために多くの経済アナリストが注目しています。
例えば、2024年7月の失業率が4.0%だった場合、これは労働力人口の4%が仕事を探している状態を表しています。低い失業率は経済が好調であることを示し、高い場合は景気後退の兆候とされます。
FOMC声明/議事録
世界で最も株式市場に影響を及ぼす声!
FOMC(連邦公開市場委員会)は、アメリカの金融政策を決定する機関で、声明や議事録を通じて、金利や資産購入に関する決定を公表します。これにより、将来の金融政策の方向性が示唆されます。
例えば、2024年9月のFOMC声明で、金利が0.25%引き下げられ、今後も段階的な利下げが示唆されたとします。これにより、金融市場は金利低下の影響を織り込み、株式市場は上がる可能性があります。
参照:https://images.app.goo.gl/DaCnxd1SEUXZfj2m6
国内総生産(GDP)
GDP成長率は高いほうが良い!
GDPは、国内で生産されたすべての財やサービスの総価値を示す指標で、経済の全体的な成長率を測るために使用されます。四半期ごとに発表され、経済の健康状態を把握するための基本的な指標です。
例えば、2024年第2四半期のGDP成長率が年率換算で3.5%と発表された場合、これはアメリカ経済が前年同期と比べて3.5%拡大したことを意味します。
ISM製造業景況指数
景況感を50を超えれば成長!
ISM製造業景況指数は、アメリカの製造業における経済活動を示す指標で、企業の購買担当者へのアンケートを基に算出されます。景況感を0~100で表し、50を基準に、50を上回ると拡大、下回ると縮小を示します。
例えば、2024年8月のISM製造業景況指数が53.0だった場合、これは製造業が拡大していることを示し、経済全体の成長を裏付けるものとなります。
参照:https://media.monex.co.jp/articles/-/24784
貿易収支
貿易収支はプラスが良し!
貿易収支は、国の輸出と輸入の差を示す指標で、プラスの場合は貿易黒字、マイナスの場合は貿易赤字となります。経済の国際競争力や為替相場に影響を与える重要な指標です。
例えば、2024年6月のアメリカの貿易収支が500億ドルの赤字だった場合、これは輸入が輸出を上回り、経済が輸入依存の傾向にあることを示します。
参照:https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/BOXSIWQ6SZMK5O7YQB5K7ZIU64-2024-02-07/
消費者物価指数(CPI)
CPIが上昇すればインフレ、低下すればデフレに進行!
CPIは、消費者が購入する財やサービスの価格変動を測る指標で、インフレーションの度合いを把握するために使用されます。中央銀行の金融政策に直接影響を与える重要な指標です。
例えば、2024年8月のCPIが前年同月比で2.3%上昇した場合、これはインフレが進行していることを示し、中央銀行が金利を引き上げる可能性があることを意味します。
小売売上高
小売売上高が増加すれば経済は好調!
小売売上高は、小売業者が消費者に販売した商品の総額を示す指標で、消費者の支出動向を把握するために使用されます。消費が経済成長の大部分を占めるアメリカにおいて、特に重要な指標です。
例えば、2024年7月の小売売上高が前月比で0.8%増加した場合、これは消費者支出が増加しており、経済全体が好調であることを示しています。
個人消費支出(PCE)
コアPCEが上昇すればインフレ、低下すればデフレ
PCEは、消費者が購入する財やサービスに支出した総額を示す指標で、GDPの大部分を占める個人消費を直接反映します。特に、コアPCE(食料品やエネルギーを除く指標)は、中央銀行がインフレを測るために使用します。
例えば、2024年8月のコアPCEが前年同月比で1.9%増加した場合、これは中央銀行が目標とする2%に近づいており、金融政策に影響を与える可能性があります。
これは、消費者が財やサービスに対してより多くの支出をしていることを示し、インフレ圧力が強まっている可能性があります。
鉱工業生産指数
鉱工業生産指数が上昇すれば成長!
鉱工業生産指数は、鉱業、製造業、公益事業における生産活動の変動を示す指標です。経済の製造部門の動向を把握するために使用され、特に景気循環の判断に重要です。
例えば、2024年7月の鉱工業生産指数が前月比で0.5%上昇した場合、これは製造業が拡大し、経済が活況を呈していることを示します。
住宅着工件数
住宅着工件数が増えれば経済は活況!
住宅着工件数は、新築住宅の建設が開始された件数を示す指標で、住宅市場の健康状態を測るために使用されます。消費者信頼感や経済全体の活況を反映するため、注目されています。
例えば、2024年7月の住宅着工件数が年率換算で150万件だった場合、これは住宅市場が活況であり、経済が安定していることを示します。
中古住宅販売件数
中古住宅販売件数が増えれば活況!
中古住宅販売件数は、一定期間内に販売された中古住宅の件数を示す指標で、住宅市場の需要を測るために使用されます。消費者の購買意欲や経済状況の反映となります。
例えば、2024年7月の中古住宅販売件数が年率換算で520万件だった場合、これは住宅市場が安定しており、消費者が住宅購入に積極的であることを示します。
以上