「株式投資を始めたけど、どの銘柄を買えばいいか分からない」
「ファンダメンタル分析って聞くけど、難しそう…」 「決算書なんて、全部読まないといけないの?」
こうした悩みは、株式投資を始めたばかりの方が共通して抱えるものです。
私自身も投資を始めた頃は、何から手をつけていいか分からず、感覚だけで銘柄を選んで失敗した経験があります。
この記事では、そんな株初心者・中級者の方の悩みを解決するため、「企業の業績」という確かなデータに基づき、将来株価が上がりそうな成長株を簡単に見つけ出す方法を、5つのステップで徹底的に解説します!
結論
本記事でお伝えしたい結論は、非常にシンプルです。
それは、「過去最高益を連続で更新し続けている企業」を投資の最優先候補にすることです。
なぜなら、短期的な市場の雰囲気や、一時的な流行に流されることなく、株価上昇の最も根本的な原動力、すなわち「企業の稼ぐ力(=業績)」そのものに注目するアプローチだからです。
この「業績」という確かな軸を持つことで、情報の大海原に溺れることなく、自信を持って銘柄選びができるようになります。
1.なぜ「最高益の更新」が株価上昇の最強シグナルなのか?
「業績が良い会社の株価が上がる」というのは、株式投資の基本です。
しかし、多くの初心者がここで壁にぶつかります。
「すごく良い決算(最高益)が発表されたのに、株価が下がった…」
この不可解な現象、あなたも経験したり、見聞きしたりしたことはないでしょうか?
この「原則の例外」が起こる理由と、それでも「最高益の更新」が重要である理由を解説します。
1. 株価は「市場の期待値(予想)」との比較で動く

株価を動かす真の要因は、単なる「決算の数字」だけではありません。
それは、プロの投資家やアナリストが事前に立てた「業績予想(コンセンサス)」と、実際に発表された「決算数値」とのギャップ、すなわち「サプライズ」です。
- ポジティブ・サプライズ:
- 市場の期待(予想)を「上回る」好決算が発表されると、株価は大きく上昇します。
- ネガティブ・サプライズ:
- 市場が期待していたほどの決算でなかった場合、たとえ過去最高の利益を達成していても、「期待外れ」と見なされ、株価は下落してしまうのです。
つまり、「良い決算だった」という事実だけでは不十分なのです。
投資家が探すべきは、市場の期待を常に上回り続けるほどの、持続的かつ力強い成長を示すシグナルです。
そして、その最も分かりやすい指標こそが「最高益の連続更新」なのです。
2. 「連続最高益」が持つ3つの重要な意味

「最高益を連続で更新した」という事実は、投資家にとって非常に価値のある3つの意味を持っています。
- 「期待を超える力」の証明:
- 1回だけならラッキーパンチかもしれません。
- しかし、2年、3年と連続で最高益を出す企業は、市場の「どうせ来年は成長が鈍るだろう」という期待を裏切り、超え続けてきた証拠です。
- 「強いビジネスモデル」の証:
- ライバル企業との競争や、景気の波に打ち勝ち、利益を伸ばし続けることは、その企業が他社にはない強み(独自技術、強力なブランド、効率的な経営など)を持っていることを示します。
- 「投資家が集まりやすい」安心感:
- 「最高益」というキーワードは、ニュースや証券会社のレポートでも大きく取り上げられます。
- これにより、多くの投資家の注目が集まり、株価が上昇しやすくなる「追い風」が吹くのです。
2.「連続最高益」銘柄を発掘する5つの実践ステップ
ここからは、理論を実践に移すための具体的な手順を5つのステップで解説します。
このプロセスに従えば、誰でも有望な成長株を発掘することが可能になります。
ステップ1:探し方は「株探(かぶたん)」を活用する
銘柄探しの第一歩は、信頼できる情報源を使いこなすことです。
ここでは、多くの個人投資家が利用する無料のウェブサイト「株探(かぶたん)」を使った、最も簡単な方法を紹介します。

▼ 株探での具体的な手順
- 「株探」のトップページにアクセスします。( https://kabutan.jp/ )
- ページ上部のメニュー(PCなら「銘柄探検」、スマホなら「探検」)をクリックします。
- 銘柄探検ページ内にある「【連続最高益】銘柄リスト」を探し、クリックします。
たったこれだけで、今まさに連続で過去最高益を更新する見込みのある企業の一覧が表示されます。
このリストには、「最高益連続期数」「今期経常増益率」「PER」「PBR」「利回り」といった重要な情報が凝縮されています。
まずはこのリストを眺め、「連続期数」が長い(例:3期以上)銘柄や、「増益率」が高い銘柄に目星をつけるところから始めましょう。
ステップ2:決算情報の「通期業績」で成長トレンドを確認する
リストから気になる銘柄を見つけたら、次はその企業の「健康診断書」である決算情報を詳しく見ていきます。

- リスト上の銘柄名をクリックし、個別銘柄ページに移動します。
- 銘柄名の下にあるタブの中から「決算」をクリックします。
- ページの上部にある「通期」という表に注目してください。
ここで確認すべきは、以下の4つの項目が、複数年(最低でも3年)にわたって安定的に右肩上がりになっているかどうかです。
- 売上高: 会社の「本業の規模」
- 営業利益: 「本業で稼いだ利益」
- 経常利益: 「会社全体の利益」(本業以外の収益や借金利息なども含む)
- 純利益: 「最終的に会社に残った利益」
特に「売上高」と「営業利益」が一緒に伸びていることが重要です。これが「本業が好調である」ことの証拠となります。
目安として、これらの数値が前年度から「10%以上」伸びている年が続いていれば、力強く成長していると言えるでしょう!
ステップ3:5つの必須指標で「割安度」と「効率性」を分析する
次に、企業の価値と割安度を測るための5つの重要な財務指標を分析します。
数字が苦手な方でも分かるよう、それぞれの意味と目安を解説します。
これらの数値も「株探」の銘柄ページや「通期」の表で確認できます。
▼ 財務指標チートシート

| 指標 | 正式名称 | 何を測るか? | 一般的な目安 | プロの視点 |
|---|---|---|---|---|
| EPS | 1株当たり利益 | 会社の「1株あたりの稼ぐ力」 | プラスかつ成長中 | 株主価値の源泉。 EPSの成長が株価上昇の最大の原動力。 |
| PER | 株価収益率 | 株価の「割安度」 | 15倍未満は割安 | 業種で水準は異なる。成長株は20倍~30倍でも買われることがある。 |
| PBR | 株価純資産倍率 | 株価の「解散価値」との比較 | 1倍未満は割安 | 1倍割れは割安だが、将来性が低いと見なされている場合も。 |
| ROE | 自己資本利益率 | 経営の「効率性」(株主資本) | 10%以上が優良 | 投資家が最も重視する指標の一つ。 効率良く稼げているか。 |
| ROA | 総資産利益率 | 経営の「効率性」(全資産) | 5%以上が良好 | ROEとセットで確認。 借金に頼りすぎた経営でないかを見る。 |
▼ 各指標のやさしい解説
- EPS (1株当たり利益):
- EPSが毎年しっかり成長していることは、企業が順調に稼ぐ力を伸ばしている直接的な証拠であり、最も重要です。
- PER (株価収益率):
- 「株価が利益の何倍か」を示し、低いほど「割安」とされます。
- 日経平均株価の平均は15倍程度です。
- ただし、成長期待が高い(=人気がある)銘柄はPERが高くなる傾向があります。
- 「EPSが力強く成長しており、かつPERが(成長性の割に)高すぎないか」を見極めることが重要です。
- PBR (株価純資産倍率):
- 「会社が今解散した場合、株主に戻ってくる純資産の何倍の株価か」を示します。
- 1倍割れは「解散価値より株価が安い」状態です。
- 東京証券取引所も「PBR1倍割れ」の企業に改善を促しており、注目度の高い指標です。
- ROE と ROA (経営の「効率性」):
- ROEは、株主から集めたお金(自己資本)を使ってどれだけ上手に利益を上げたかを示す、投資家にとって非常に重要な指標です。
- 10%を超えると優良とされます。 ただし、ROEは借金を増やすことでも高く見せることができてしまいます。
- そこで、借金も含めた会社の全資産に対してどれだけ利益を上げたかを示す「ROA」も一緒に見ます。
- ROEが高くてもROAが極端に低い場合(例:ROE 20%, ROA 3%)、借金頼みの危険な経営かもしれません。
- ROEとROAが両方とも高い(例:ROE 15%, ROA 10%)企業は、本業の力で堅実に稼いでいる、健全で質の高い企業と評価できます。
ステップ4:3つの条件で「お宝有望株」に絞り込む
ステップ1の「最高益更新リスト」の中から、さらに有望な「原石」を見つけ出すための、3つの絞り込み条件(フィルター)を紹介します。
- フィルター1:3年以上の連続増益
- 1年だけの最高益は、偶然や一時的な要因かもしれません。
- しかし、3年以上連続で利益を伸ばしている企業は、景気の波を乗り越えられる「本物の実力」を持っている可能性が高いです。
- フィルター2:PER 15倍以下(または成長率に対して割安)
- どれだけ素晴らしい企業でも、高すぎる価格で買ってはリターンが期待しにくくなります。
- 世間の注目が集まりすぎて株価が過熱している銘柄を避け、まだ将来の成長を十分に株価に織り込んでいない「割安な」成長株を見つけるためのフィルターです。
- (ただし、高い成長が続くならPER20倍程度までは許容範囲と考えることもできます)
- フィルター3:時価総額 300億円以下(小型株)
- これが、個人投資家がプロ(機関投資家)に勝ちやすい重要なフィルターです。
- なぜなら、年金基金などの巨大な資金を運用する機関投資家は、ルール上、時価総額が小さい企業(小型株)には投資できないことが多いからです。
- その結果、小型株はプロの監視の目から逃れやすく、「まだ誰にも知られていない、将来大きく成長するお宝銘柄」が眠っている可能性が高いのです。
ただし、フィルター3の小型株は、市場全体の調子が悪い時には機関投資家のような「買い支え」が入りにくく、値動きが荒くなる傾向もあります。
現時点での小型株市場は盛んではなく、大型株に投資していた方が良いまであるので、市場の状況に合わせて「参考程度」に使うのが良いでしょう。
ステップ5:最後の確認:チャートで「買い時」を見極める
ファンダメンタル分析で「買うべき銘柄」を厳選したら、最後の仕上げに簡単なテクニカル分析(チャート)で「いつ買うか」を確認します。
これは未来を予測するためではなく、明らかな「高値掴み」や「下落トレンド」を避けるための最終チェックです。

その銘柄の株価チャートを開き、「株価が長期の移動平均線(例えば75日線や200日線)の上にあるか」だけを見てください。
- 上にある場合 (A): 株価は上昇トレンドに乗っていると判断でき、良い買い時と考えられます。
- 下にある場合 (B): 株価は下降トレンドにあり、「落ちてくるナイフ」を掴むリスクがあります。たとえ業績が良くても、トレンドが底を打って上昇に転じるのを待つのが賢明です。
この一手間を加えるだけで、不利な価格で投資を始めるリスクを格段に減らすことができます。
3.まとめ
本記事では、株式投資で成功するための確実な戦略として、「最高益を連続で更新する企業に注目する」というアプローチを、その理由と具体的な5つの実践ステップとともに解説しました。
短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、企業の「稼ぐ力=業績」というファンダメンタルズに着目し、その成長に投資することこそが、長期的な資産形成の王道です。
ぜひ「株探」の連続最高益リストをチェックするところから、あなたの成長株探しをスタートしてみてください。
本ブログでは銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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