株初心者だけど業績分析する時に何から始めたらいいかわからない
決算書を全部読まないといけないのか?
株を始めて銘柄探索や銘柄分析をする時にどうしていいかわからないと思います!
自分も株を始めた時は何から始めていいか分からず変な銘柄ばかりを見ていました。。。
そのような株初心者の悩みを解決できればと思い、第一弾は「簡単に」業績からこれから株価が上がりそうな銘柄を見つけ出す方法や銘柄分析のやり方を解説できればと思います!
結論:成長株探しの最適解は「最高益を連続更新する企業」への集中投資
本記事が提示する結論は、非常にシンプルです!
それは、「過去最高益を連続で更新し続けている企業の株式に集中投資すること」です。
この戦略は、短期的な市場のノイズや、一時的な流行に惑わされることなく、株価上昇の最も根源的な原動力、すなわち「企業の稼ぐ力」そのものに投資するアプローチです。
複雑なチャート分析や、いつ終わるか分からないテーマ性を追いかけるのではなく、企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)という確固たる羅針盤を手にすることで、株式市場という大海原を航海するための、明確で力強い指針を得ることができるのです。
なぜ「最高益の更新」が株価上昇の最強シグナルなのか?
なぜ、「最高益の連続更新」がこれほどまでに強力な投資シグナルとなるのでしょうか。
その理由を、株価と業績の根本的な関係性から、他の投資手法との比較まで、多角的に掘り下げていきましょう。
① 株価と業績の原則と「例外」の正体
株式投資の教科書を開けば、必ず「企業の業績が良くなれば、株価は上昇する」と書かれています。
これは、売上や利益が増え続ける会社は企業価値が高まり、その価値が株価に反映されるという、投資における大原則です。
しかし、多くの初心者が壁にぶつかるのが、「好決算が発表されたのに、株価が下がってしまった」という不可解な現象です。
この「原則からの例外」はなぜ起こるのでしょうか。
その答えは、株価が単なる「現在の業績」だけでなく、「市場の期待値との比較」で動くという性質にあります 。
株価を動かす真の触媒は、プロの投資家やアナリストが事前に立てた「業績予想(コンセンサス)」と、実際に発表された「決算数値」との間のギャップ、すなわち「サプライズ」なのです。
- ポジティブ・サプライズ:
- 市場の期待を「上回る」好決算が発表されると、株価は大きく上昇します。
- ネガティブ・サプライズ:
- 市場が期待していたほどの好決算でなかった場合、たとえ過去最高の利益を達成していても、「期待外れ」と見なされ、株価は下落してしまうのです 。
つまり、「良い決算だった」という事実だけでは不十分です。
投資家が求めるべきは、市場の期待を常に上回り続けるほどの、持続的かつ力強い成長を示すシグナルなのです。
そして、その最も分かりやすい指標こそが「最高益の連続更新」に他なりません。
② 「最高益更新」が持つ3つの意味:成長性・競争力・安定性
「最高益を更新した」という一言には、投資家にとって極めて重要な3つの意味が内包されています。
現在の日本市場は、円安による輸出企業の収益拡大や、長年のデフレからの脱却、企業統治改革の進展といった追い風を受け、過去最高益を更新する企業が続出している絶好の環境にあります 。
まさに、この戦略が最も効果を発揮しやすい時期と言えるでしょう。
③ 投資手法の比較分析:なぜ初心者はファンダメンタルズを軸にすべきか
株式投資には様々なアプローチがありますが、なぜ本記事ではファンダメンタルズ分析、特に「最高益更新」戦略を推奨するのでしょうか。
他の代表的な手法と比較することで、その理由を明確にします。
- 手法1:ファンダメンタルズ分析(羅針盤)
- 本記事で推奨する、企業の業績や財務状況を分析して、企業の本質的な価値を見極める手法です。
- これは「何を買うべきか?」という投資の根幹をなす問いに答えるためのものです。
- 手法2:テクニカル分析(地図)
- 過去の株価チャートの形状や出来高などのデータを分析し、将来の値動きを予測する手法です。
- これは「いつ買うべきか?」というタイミングを計るためのツールです 。
- 手法3:テーマ株投資(宝くじ)
- 「AI関連」「再生可能エネルギー」といった、その時々の流行テーマに関連する銘柄に投資する手法です。
- 短期間で株価が爆発的に上昇する可能性を秘めており、非常に魅力的です。
- しかし、初心者にとっては「宝くじ」のようなハイリスクな賭けになりがちです。
結論として、再現性高く資産を築くためには、まずファンダメンタルズ分析という強固な「羅針盤」で優良企業を選び出すのが良いです。
その上でテクニカル分析という「地図」でタイミングを計るのが、王道かつ最も安全なアプローチなのです。
「連続最高益」銘柄を発掘する5つの方法
ここからは、理論を実践に移すための具体的な手順を5つのステップで解説します。
このプロセスに従えば、誰でもプロのような視点で有望な成長株を発掘することが可能になります。
①探し方は「株探」を活用
誰でも簡単に優れた銘柄探しの第一歩は、信頼できる情報源を使いこなすことです。
ここでは、多くの個人投資家が利用するウェブサイト「株探(かぶたん)」で銘柄探索を行うのがベストです!
株探から銘柄を見つけ出す手順

- 「株探」のトップページにアクセスします。
- ページ上部のメニューから「銘柄探検」をクリックします。
- 銘柄探検ページ内にある「【連続最高益】銘柄リスト」を探し、クリックします。
これで、今まさに連続で過去最高益を更新する見込みのある企業の一覧が表示されます。
このリストには、「最高益連続期数」「今期経常増益率」「PER」「PBR」「利回り」といった重要な情報が凝縮されています。
まずはこのリストを眺め、連続期数が長い銘柄や、増益率が高い銘柄に目星をつけるところから始めましょう。
② 決算情報の核心部分を把握する
リストから気になる銘柄を見つけたら、次はその企業の「健康診断書」である決算情報を詳しく見ていきます。

- リスト上の銘柄名をクリックし、個別銘柄ページに移動します。
- 銘柄名の下にあるタブの中から「決算」をクリックします 。
ここで最も重要なのは、ページ上にある「通期」という表です。
この表には過去数年間の業績がまとまっており、企業の成長の軌跡が一目でわかります。
確認すべきは、「売上高」「営業利益」「経常利益」「純利益」といった項目が、
一過性ではなく、複数年にわたって安定的に右肩上がりになっているかどうかです。
特に「売上高」「営業利益」「経常利益」「純利益」が10%以上前年度から伸びている場合は大きく成長していると言えるでしょう!
美しい右肩上がりのグラフは、その企業が持つ力強い成長エンジンを物語っています。
③ 5つの必須指標を徹底分析する
次に、企業の価値と割安度を測るための5つの重要な財務指標を分析します。
数字が苦手な方でも理解できるよう、それぞれの意味と目安を分かりやすく解説します。
財務指標チートシート
まずは、この5つの指標を一覧で確認しましょう。
この表を保存しておけば、いつでも銘柄分析に活用できます。
指標 | 正式名称 | 何を測るか? | 一般的な目安 | プロの視点 |
EPS | 1株当たり利益 | 企業の純利益を1株あたりに換算したもの。EPSの成長が株主価値の源泉。 | プラスかつ成長中 | 自社株買いでも上昇する。利益成長を伴う増加かを確認。 |
PER | 株価収益率 | 株価が1株当たり利益の何倍かを示す。「割安度」を測る指標。 | 15倍未満は割安 | 業種で水準は異なる。極端に低いPERは成長期待のない「バリュートラップ」の可能性も。 |
PBR | 株価純資産倍率 | 株価が1株当たり純資産の何倍かを示す。企業の「解散価値」との比較。 | 1倍未満は割安 | 恒常的に1倍割れは、将来性が市場から評価されていない赤字企業の可能性も。 |
ROE | 自己資本利益率 | 株主資本からどれだけ効率的に利益を生んだかを示す「収益性」の王様。 | 10%以上が優良 | 負債(借金)が多いと高く出やすい。ROAとセットで確認することが不可欠。 |
ROA | 総資産利益率 | 負債も含めた全資産からどれだけ効率的に利益を生んだかを示す指標。 | 5%以上が良好 | ROEがROAを大幅に上回る場合、借金依存度が高くリスクも高い可能性がある。 |
各指標の詳細解説
- EPS (1株当たり利益): 株主価値のエンジン
- EPSが継続的に成長していることは、企業が順調に稼ぐ力を伸ばしている直接的な証拠であり、株価上昇の最大の原動力となります。
- PER (株価収益率): 株価の「割安度」
- 一般的に日経平均株価の平均PERは15倍程度とされ、単にPERが低い銘柄を探すのではなく、 「力強いEPSの成長を伴い、かつPERが適正水準(例:15倍~20倍以下)にある銘柄」を見つけることが、「成長株を割安に買う」という投資の神髄です。
- PBR (株価純資産倍率): 財務の「安全性」
- PBRが1倍であれば、株価と解散価値が等しい水準です。
- 1倍を大きく下回る銘柄は割安に見えますが、赤字が続くなどして将来的に純資産が減少するリスクもあります。
- ROEとROA: 経営の「効率性」
- ROEは、株主から集めたお金(自己資本)を使ってどれだけ上手に利益を上げたかを示す、投資家にとって最も重要な収益性指標です 。(10%を超えると優良)
- しかし、ROEだけを見るのにはリスクが伴います。なぜなら、ROEは借金を増やすことでも高めることができるからです。
- そこで、「ROA(総資産利益率)」の出番です。ROAは、借金も含めた会社の総資産に対してどれだけの利益を上げたかを示します 。
- ここで見るべきは両者のバランスです。例えば、ROEが20%と非常に高くても、ROAが3%と低ければ、その高い収益性は多額の借金によって生み出された「見せかけの効率性」である可能性があり、財務リスクが高いと判断できます 。一方で、ROEが15%、ROAが12%の企業は、本業の力で堅実に利益を上げている、より健全で質の高い企業と評価できるのです。
④ 有望株を見つけ出す条件
最高益更新リストの中から、さらに有望な「原石」を見つけ出すための、プロが用いる3つの絞り込み条件(フィルター)を紹介します。
これらは、ユーザーの皆様から頂いたアイデアを、より深く、論理的に体系化したものです。
1:3年以上の連続増益
1年だけの最高益は、偶然や一時的な要因によるものかもしれません。
しかし、3年以上連続で利益を伸ばしている企業は、景気の波や競争環境の変化を乗り越えることのできる、本物の実力と安定したビジネスモデルを持っている証拠です。
これは「安定性」を測るフィルターです。
2:PER15倍以下
どれだけ素晴らしい企業でも、高すぎる価格で買ってしまっては良い投資リターンは期待できません。
このフィルターは、世間の注目が集まりすぎて株価が過熱している銘柄を避け、将来の成長をまだ十分に株価に織り込んでいない「割安な」成長株を見つけるためのものです 。
3:時価総額300億円以下
これが、個人投資家がプロの機関投資家に勝つための、最も重要なフィルターかもしれません。
なぜなら、年金基金や投資信託といった巨大な資金を運用する機関投資家は、その運用ルールの制約から、時価総額が小さい企業(小型株)には投資できないことが多いからです。
その結果、時価総額の小さい銘柄群は、プロの厳しい監視の目から逃れた「個人投資家のための聖域(アルファ・ゾーン)」となっています。
ここには、まだ誰にも知られていない、将来大きく成長する可能性を秘めたお宝銘柄が眠っているのです。
財務が健全な小型割安株は、一般的に思われているよりも倒産リスクが低いという側面もあります 。
これは 「機会」を見つけるためのフィルターです。
条件3については小型銘柄が調子が良い時でないと株価は上がる可能性がないので、条件3は参考程度に覚えておくのが良いです。
⑤ 最後の確認:チャートで買い時を見極める
ファンダメンタルズ分析で「買うべき銘柄」を厳選したら、最後の仕上げに簡単なテクニカル分析で「いつ買うか」を確認します。
これは未来を予測するためではなく、明らかな失敗を避けるための「最終チェック」です。
その銘柄の株価チャートを開き、「株価が長期の移動平均線(例えば75日線や200日線)の上にあるか」を見てください。

- 上にある場合: 株価は上昇トレンドに乗っていると判断でき、良い買い時と考えられます。
- 下にある場合: 株価は下降トレンドにあり、「落ちてくるナイフ」を掴むリスクがあります。たとえファンダメンタルズが魅力的でも、トレンドが底を打って上昇に転じるのを待つのが賢明です。
この一手間を加えるだけで、高値掴みを避け、より有利な価格で投資を始めることができるようになります。
まとめ – 業績こそが、あなたの資産を未来へ導く羅針盤
本記事では、株式投資で成功するための最も確実な戦略として、「最高益を連続で更新する企業に投資する」というアプローチを、その理由と具体的な実践方法とともに詳述しました。
短期的な値動きに一喜一憂する投機ではなく、企業の成長そのものに資金を投じることこそが、長期的な資産形成の王道です。
最後に、あなたの投資を成功に導くための5つのステップを再確認しましょう。
- 発掘: 「株探」の「連続最高益リスト」で候補企業を見つける。
- 分析: 個別ページの決算情報で、売上と利益が複数年にわたり成長しているかを確認する。
- 評価: 5つの必須指標(EPS, PER, PBR, ROE/ROA)を用いて、企業の収益性、割安度、効率性を評価する。
- 絞込: 「3年連続増益」「PER15倍以下」「時価総額300億円以下」の3つのフィルターで原石を絞り込む。
- 確認: 最後にチャートを開き、株価が上昇トレンドにあることを確認して、最適なタイミングで投資を実行する。
このデータに基づいたフレームワークを身につけることで、あなたはもはや市場のノイズに惑わされることなく、自信を持って投資判断を下せるようになります。
企業の「業績」という、最も信頼できる羅針盤を手に、あなたの資産を輝かしい未来へと導いていってください。
本ブログでは銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/