結論
王子HD-大幅続伸
・発行済み株式数の10.1%に当たる1億株、500億円を上限とする自己株式の取得実施
・資本効率の向上と株主還元の充実を図ることを取得目的
・理論上株価は680円になる
→現在の業績や株価を鑑みると600~640円になりそう
1. 上昇要因:王子HD<3861>の自己株式取得を発表
王子ホールディングス(以下、王子HD)は、2024年12月13日、自己株式の取得を発表しました。
この発表内容によると、同社は発行済み株式総数の10.1%に相当する1億株、総額500億円を上限とした自己株式の取得を行います。
この取得は2024年12月13日から2025年12月12日までの期間で実施される予定です。
さらに、同日、2375万1300株を立会外取引で取得済みであることも明らかにしました。
同社は資本効率の向上および株主還元の充実を取得の目的としています。
また、2026年度末までに総額1000億円の自己株式取得を目指す方針も示されています。
このニュースを受けて、王子HDの株価は大幅続伸しました。
自己株式取得は、市場において株価の支えとなる重要な材料であり、投資家から大きな注目を集めています。
参照:https://kabutan.jp/stock/news?code=3861&b=n202412130392
2. どのくらい株価が上がりそうなのか?
今回の発表において、発行済み株式数の10.1%に相当する1億株を500億円を上限として取得することは、株価にどのような影響を与えるのでしょうか?
今回の500億円規模の取得は、王子HDの時価総額の約5%に相当し、十分なインパクトを持つと考えられます。
理論上の株価予想
発行済み株式総数の約10%の自社株買いを実施すると、株価は理論上、約11%上昇します。
詳しく解説をすると、自社株買いが上限いっぱいまで実行されると、王子HDの発行済株式総数が10%減ります。すると純利益の額が変わらなくても、1株当たり利益が約11%増えます。
PERでの株価評価が変わらなければ、株価は約11%上昇することになります。
そうすると、現在のEPS=57.9円から64円に増えて、現在のPER(10.7倍)を加味すると、
株価は理論上686円まで上昇することがわかります!
しかしながら、現実は理論通りにいかないのは皆さんご存知だと思います。
現実的な株価予想
現在の業績や株価動向を踏まえて将来的な株価も考えてみましょう。
現在の業績は以下の記事を見てわかる通り、あまり良くはありません。
上記のチャートでも640円付近と580円付近で株価が頭打ちになっており、上値が重いことが分かります。
そのことを考えると、今後の王子HDの株価は600~640円くらいで落ち着くのかなと思います。
3. 投資ポイント
今回の王子HDによる自己株式取得発表は、同社の株価にポジティブな影響を与える大きな材料となりました。
発行済み株式数の10.1%という大規模な買い戻しは、EPSの向上や需給バランスの改善を通じて株価の底上げ効果が期待されます。
しかしながら、業績やチャートから今後の株価上昇の継続は期待ができないので急いで株を買う必要はないかと思います。
また、2026年度末までに1000億円規模の自己株式取得を目指す方針が示されていることや業績の回復が見込めれば株価が上がる可能性は大いにあるので様子見が良いでしょう!
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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