トヨタ自動車の株価が上昇した理由は?今後の買い時を予想!

トヨタ自動車 個別銘柄分析

日本の株式市場でひときわ大きな注目を集めたのが、日本を代表する企業「トヨタ自動車(7203)」です。

この日、トヨタの株価は売買代金を大きく伴って大幅に続伸し、ついに年初来高値を更新しました。

「なぜトヨタ株は急上昇したのか?」

「何か大きな好材料が出たのか?」

「今が買い時なのだろうか?」

と、さまざまな疑問や期待を抱いたことでしょう。

この記事では、今回のトヨタ自動車の株価上昇の背景にある複数の要因を深掘りし、トヨタ自動車という会社の本質的な強み、さらに今後の株価動向について、ファンダメンタル(企業業績や財務)とテクニカル(株価チャート)の両面から徹底的に分析・予想していきます!

1.なぜトヨタ自動車の株価が上がったのか?

10月22日から株価上昇は、決して単一の理由によるものではありません。

複数のポジティブなニュースが絶妙なタイミングで重なり、投資家心理を一気に強気に傾かせた結果と言えます。主な要因を3つに分けて詳しく見ていきましょう。

理由①:米GMの好決算と「関税懸念」の後退

今回の上昇劇の最大の引き金となったのは、海の向こう、アメリカの自動車大手「ゼネラル・モーターズ(GM)」の決算発表でした。

前日(10月21日)に発表されたGMの2025年7~9月期(第3四半期)決算は、純利益こそ前年同期比で57%減と落ち込んだものの、調整後の1株利益は市場予想を上回る着地となりました。

さらに注目されたのが、GMが通期の業績見通しを上方修正(100億ドル→130億ドルへと引き上げ)したことです。

この強気な見通しを受け、同日の米国株式市場でGMの株価はなんと15%近くも急騰しました。

トヨタ自動車も株価上昇した理由は、GMが業績予想を引き上げた背景にあります。

GMは、懸念されていた「関税影響が当初の見込みよりも小さいものとなる」と想定し、今回の修正に踏み切ったと説明しました。

これまで株式市場では、米国のトランプ政権による関税政策が、自動車産業(特に輸出に頼る日本メーカー)にとって大きなリスク要因としてくすぶっていました。

しかし、当の米国メーカーであるGMが「関税の影響は限定的」との見方を示したことで、

「それならば、トヨタをはじめとする日本の自動車メーカーへの悪影響も、市場が過度に心配していたほどではないのではないか?」

という安心感が一気に広がったのです。

この結果、10月22日の東京市場ではトヨタ自動車を筆頭に、ホンダ(7267)やSUBARU(7270)、日産自動車(7201)、マツダ(7261)といった自動車株が軒並み上昇。

輸送用機器セクターが業種別上昇率のトップになるなど、自動車産業全体が買い戻される展開となりました。

理由②:過去最高の上半期グローバル販売

GM決算という外部からの追い風と同時に、トヨタ自身の足元の好調さを示すニュースも株価を後押ししました。

トヨタ自動車は同日、2025年度上半期(4月~9月)の販売・生産・輸出実績を発表しました。

それによると、トヨタ(レクサスブランド含む)のグローバル販売台数が526万7216台となり、前年同期と比べて4.7%増加。これは、上半期として過去最高の記録となります。

特に北米や中国といった主要市場での好調が継続しており、トヨタの製品が世界中で依然として高い競争力を持っていることを証明しました。

さらに注目すべきは、関税政策の影響が最も懸念されていた米国(ハワイ含む)への輸出台数です。

これも蓋を開けてみれば、30万4151台と、前年同期比で21.3%増という大幅な伸びを記録していたのです。

「関税リスクが懸念される中で、これだけの販売・輸出実績を上げている」という事実は、投資家にとって大きなサプライズとなり、GM決算による安心感と相まって、強力な買い材料となりました。

そのため、11月5日に発表される決済でも上昇修正の期待が高まり、上昇修正を行った場合更に株価上昇しそうです。

2.トヨタ自動車はどんな会社か

ここで改めて、トヨタ自動車がどのような会社であり、どのような強みを持っているのかを確認しておきましょう。

株価の将来を予想する上で、その企業の「本質的な価値」を理解することは非常に重要です。

世界をリードするグローバル・カンパニー

トヨタ自動車は、愛知県豊田市に本社を置く、言わずと知れた世界トップクラスの自動車メーカーです。

トヨタブランドおよび高級車ブランドのレクサスを展開し、世界中の国々でその車が愛用されています。

グローバル販売台数では、長年にわたり独フォルクスワーゲン(VW)と熾烈な首位争いを繰り広げています。

3.今後の株価について予想

さて、投資家にとって最も関心のある「今後の株価」について、ファンダメンタルとテクニカルの両面から分析していきましょう。

①ファンダメンタル分析

業績トレンド分析(通期)

2025年3月期までは好業績でしたが、2026年3月期ではトランプ関税の影響で利益が半分くらい下落しています。

注目ポイントとして、トランプ関税の影響でも売上高は下がっていないことです。

ここから推測するに販売台数はあまり減少しないということなので業績としては堅いのかなと思います。

収益性分析

売上営業利益率は2024年3月期に11.87%という非常に高い利益率を達成しました。

しかし、2025年3月期は9.98%、2026年3月期は6.60%へと、利益率の急速な低下が予想されています。

また、トヨタ自動車のROE(自己資本利益率=株主が出したお金に対してどれだけ効率的に利益を上げたかを示す指標)は約13%→7%です。

しかし、トヨタの経営陣は、このROEを将来的に「20%に引き上げる」という非常に野心的な目標を発表しています。

具体的な達成時期は明らかにされていませんが、2030年前後が一つの目安になると示唆されています。

この発表はトランプ関税のリスクが今ほど高くない時期のものでしたが、今回その関税リスクが後退したことで、改めてこのROE向上目標への期待が高まる可能性があります。

そのため、今回の株価上昇理由も含めて今後も株価上昇する余地はあるので長期的には株価上昇を期待できるのかな思います。

ファンダメンタル分析でのトヨタ株の買い時としては、今後に期待できる点があるので現時点で買っても長期的には問題ないかなと思います。

もし高値掴みが怖い場合は3000円近辺まで下がったら下値支持価格ぽいので安心して買えるかと思います。

②テクニカル分析

現在のチャート形状:強い上昇トレンド発生

現在の株価動向は、テクニカル分析上、非常に重要な意味を持ちます。

  • マドを開けての急伸
    • 非常に強い買いのエネルギーが存在することを示しています。
  • 年初来高値の更新
    • これまでの上値抵抗線を突破したことを意味し、「青天井相場」への入り口となる可能性があります。
    • 次に意識されるのは前回の高値である3200円をブレイクするかが期待されます。

今後の注目ポイントと「買い時」

年初来高値を更新したことで、短期的には過熱感から「買われすぎ」を示すRSIなどのオシレーター系指標が高水準になることが予想されます。

そのため、高値掴みを警戒した利益確定売りや、急騰時に開けた「マド」を埋めに行く(一時的に株価が下落する)調整局面も想定されます。

「買い時」を考えるならば、こうした短期的な調整で押し目(一時的な下落)をつけたタイミングが狙い目となるかもしれません。

具体的には、

  1. 今回突破した「年初来高値」のラインが、今度は「支持線(サポートライン)」として機能するかどうか。
  2. 上昇する短期移動平均線(例:25日移動平均線)まで株価が調整したタイミング。
  3. 前回の高値である3200円をブレイクするか。

または、現時点で高値ブレイク後の力強さに乗るモメンタム投資での順張りをするものいいかと思います。

そのためにはしっかり損切りラインを決めておきましょう!

参照:https://kabutan.jp/stock/chart?code=7203

4.まとめ

今回のトヨタ自動車の株価上昇(2025年10月22日)は、

  1. 米GMの好決算と通期上方修正
  2. それに伴う「関税リスク」懸念の大幅な後退
  3. トヨタ自身の「上半期グローバル販売が過去最高」という好調な業績 という3つの好材料が重なって引き起こされた、力強い上昇であったことが分かりました。

中長期的には「ROE 20%」という高い目標を掲げており、これが達成されれば企業価値はさらに高まることが期待されます。

テクニカル的にも「年初来高値更新」という強いシグナルが点灯し、新たな上昇トレンドに入った可能性があります。

「買い時」としては、高値更新直後のため短期的な調整はあり得ますが、中長期的なファンダメンタルズの強さを信じるのであれば、押し目買いの好機を探る戦略が有効かもしれません!

また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/