レアアース関連銘柄の本命は?中国輸出規制と南鳥島開発で注目される理由を解説

レアアース関連株 個別銘柄分析

いま、株式市場で「レアアース(希土類)」関連株に静かな、しかし巨大な地殻変動が起きています。

これまでレアアースといえば「中国一強」の市場でした。しかし、中国による輸出規制の強化と、それに呼応する形での日本の「深海資源開発」の本格化により、長年眠っていた「国策テーマ株」が再び目覚めようとしています。

今回は、2026年1月から動き出す国家プロジェクトの全貌と、それを支える具体的な注目銘柄をジャンル別に解説します。

1. なぜ今、レアアース株が「再注目」されているのか?

初心者の方は「レアアースなんて何年も前から言われているじゃないか」と思うかもしれません。

しかし、直近でフェーズが明らかに変わったと言える2つの大きな理由があります。

① 中国による中国輸出規制

世界最大のレアアース輸出国である中国が、戦略物資としての管理を強めています。

特に直近では、以下の7種類とその関連品目に対する輸出規制リスト入りが報じられました。

  • サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウム

これらは、EV(電気自動車)の強力なモーターや、先端半導体、防衛装備品に不可欠な物質です。

「レアアース新規契約停止」「供給網への激震」というニュースは、もはや脅しではなく、日本企業にとって「自前で確保しなければ死活問題」という現実を突きつけています。

参照:https://www.tv-asahi.co.jp/sat-st/

具体的に影響を受ける分野

「レアアースがないと世界中のハイテク産業がストップしてしまう」と言っても過言ではありません。

実際、中国による輸出規制でどのような分野に影響が出るのか、具体的に見てみましょう。

  • 自動車(特に電気自動車・ハイブリッド車)
    • EVの駆動モーターやパワーステアリングに多用される高性能磁石(ネオジム・ジスプロシウム・テルビウムなど)に不可欠です。
  • 風力発電
    • 大型風力発電機の高効率な発電用モーターにレアアース磁石が必要です。
  • 家電・電子機器
    • スマートフォン、パソコン、ハードディスク、スピーカー、カメラのモーターや振動装置など、身近な製品の小型化・高性能化を支えています。
  • 航空宇宙・防衛
    • 戦闘機、ミサイル、潜水艦などの推進・制御システムにレアアース磁石や特殊合金が必要不可欠。赤外線センサーやレーザーにもサマリウム、ガドリニウムなどが使われます。
  • 医療機器
    • MRI装置の強力な磁石や、放射線治療機器などに利用されています。
  • 照明・ディスプレイ
    • 液晶やLED、蛍光灯の「蛍光体」としてユウロピウムやテルビウムが使われ、鮮やかな発色を実現しています。
  • 半導体製造装置
    • 最先端のリソグラフィ(露光)装置の光学系やコーティングに希土類材料が必要な場合があります。

② 南鳥島沖での「試掘」がいよいよ開始(2026年1月)

日経新聞(2025年7月1日)の報道によれば、海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、南鳥島沖でのレアアース試験掘削を2026年1月に開始すると報じられました。

これまで「夢物語」だった海底資源開発が、具体的な「スケジュール」に乗ったことで、投資マネーが関連企業を物色し始めています。

2. 注目レアアース銘柄一覧

ここからは、ご提示いただいたリストを元に、投資家の視点で4つのジャンルに分類して解説します。

【本命・国策】深海開発・プラント技術

南鳥島プロジェクトの直接的な恩恵を受ける、「掘る」「引き上げる」技術を持つ企業群です。

コード銘柄名特徴・事業内容
1662石油資源開発 (JAPEX)原油・ガス掘削のプロ。
南鳥島プロジェクトでも中心的な役割(コンソーシアム参加)を担う本命株
6269三井海洋開発海上に浮かぶ生産設備(FPSO)の世界的大手。
深海から資源を吸い上げる技術で不可欠な存在
1885東亜建設工業海洋土木(マリコン)の名門。
海底の地盤改良や調査技術に強みを持ち、実証実験にも深く関与
6330東洋エンジニアリングプラント建設大手。
資源を効率よく分離・精製するプラント技術を提供

投資のポイント: プロジェクトの進捗ニュース(「採掘成功」「商用化の目処」など)が出るたびに株価が跳ねやすい、夢のあるセクターです。

上記の中でもレアアース関連株の本命株をピックアップします。

石油資源開発 (1662)

資源開発大手であり、原油・天然ガスの探鉱、開発、生産をメインとして扱っています。

また、南鳥島プロジェクトでも中心的な役割を担う本命株であります。

チャートでもこれまでは横ばいでしたが、12月くらいからレアアース関連が注目されてきて株価が急上昇しています。

まだまだ株価上昇の初期段階なので今後も採掘進捗具合で株価が上昇していくことが見込めるでしょう。

しかしながら、急上昇後は調整で株価が乱高下することが多いので見定めることが大事です。

東洋エンジニアリング (6330)

プラントエンジニアリング御三家の一角の東洋エンジニアリングもレアアース関連株として注目です。

東洋エンジニアリングはプラントの設計・建設などが主な事業ですが、これまで培ってきた資源開発技術、サブシー技術を活用して海底6,000mからレアアース泥を回収するシステムの技術開発にも携わっています。

レアアース関連株で一番株価に影響が出やすい銘柄と言えるでしょう。

株価は急上昇していますが、PTSを見る限りまだまだ株価上昇することが分かります。

しかしながら、急騰は急落のリスクもあるため調整で株価が下がったら買いタイミングかもしれませんのですぐに飛びつくのではなく、様子見することも大事です。

中期的には期待される銘柄であるので要警戒です。

【守りの要】都市鉱山・リサイクル

海外からの輸入が止まった場合、即効性があるのが「国内にある廃棄物からの回収」です。

コード銘柄名特徴・事業内容
5857AREホールディングス旧アサヒホールディングス。
貴金属リサイクルの大手で、廃電子基板から金やレアメタルを回収する技術は世界トップクラス。
3556リネットジャパングループ宅配便を活用した小型家電回収モデルを構築。
自治体と連携し、家庭に眠る資源(都市鉱山)を吸い上げる仕組みを持つ。
5724アサカ理研「王水」を使わない環境に優しい独自技術で、使用済み基板からレアアースや貴金属を抽出する技術屋集団。

投資のポイント: 地政学リスク(戦争や輸出規制)が高まると真っ先に買われる傾向があります。「資源高」がそのまま利益に直結しやすい構造です。

アサカ理研(5724)

アサカ理研は非鉄金属のリサイクル事業を手掛けています。

独自のエッチング技術を用いて使い終わった電子部品・電子スクラップから金・銀・銅・パラジウムなどの貴金属やコバルト、ニッケルなどのレアメタルを回収しています。

こちらもレアアース関連株で大きく株価が動く銘柄になっています。

2025/11月に付けた高値をここ最近ブレイクしており、上場来高値を更新しています。

上場来高値を更新した場合、株価は青天井となり買いが入りやすいフェーズになります。

そのため、他の銘柄よりも買いタイミングとしてはベストなタイミングかと思われます。

【サプライチェーン】商社・専門商社

資源の権益を確保し、日本企業へ安定供給する役割を担います。

コード銘柄名特徴・事業内容
8015豊田通商レアアースに強み
トヨタグループ向けに早くから脱中国を進め、オーストラリアやインド等での独自ルートを開拓済み。
2768双日豪州でのレアアース鉱山開発に出資するなど、特定鉱種に強みを持つ総合商社。
3036アルコニクス非鉄金属の専門商社。
レアメタル・レアアースの取り扱いに特化しており、製造・加工部門も持つのが強み。

豊田通商(8015)

商社株の中でも特にレアアースに強みを持っているので、注目の銘柄です。

ここずっと商社株は強く、株価が上昇トレンドを継続しています。

レアアース以外でも好調のため、レアアースに集中投資している企業ではなく、幅広くリスクを抑えて投資をしたい方は豊田通商など商社株は良いでしょう。

特に豊田通商ではきれいな上昇トレンドのため、トレンドが崩れない限りは買い継続だと思われます。

【技術力】素材・精錬・磁石

レアアースを製品(強力な磁石など)に変える、世界シェアトップクラスの技術を持つ企業です。

コード銘柄名特徴・事業内容
4063信越化学工業半導体シリコンウエハー世界首位。
レアアース磁石でも世界最高峰の技術を持ち、EVモーター向けで圧倒的。
4004レゾナック旧昭和電工。
磁石合金や半導体材料に強く、パワー半導体(SiC)分野でもレアアース関連技術が光る。

参照:https://kabutan.jp/themes/?theme=%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B9

3. 初心者が知っておくべきリスクと戦略

レアアース関連株は夢が大きい分、ボラティリティ(価格変動)も激しいのが特徴です。

リスク要因

  • 中国の規制緩和:
    • 逆に中国が輸出規制を緩めると、供給過剰懸念から株価が急落することがあります。
  • 実用化の遅れ:
    • 南鳥島のプロジェクトは技術的難易度が高く、予定通りに進まないリスクがあります。

投資戦略

  • 分散投資:
    • 「深海開発(夢)」と「商社・素材(実益)」を組み合わせることでリスクを軽減できます。
  • ニュース感度:
    • JAMSTECの発表や、中国商務省の発表は株価を即座に動かします。X(Twitter)などで速報をチェックできる体制を整えましょう。

4. まとめ

中国の輸出規制というピンチは、技術力を持つ日本企業にとっては最大のチャンスに変わろうとしています。

特に2026年は、南鳥島での試掘開始という歴史的な転換点です。

短期的な値動きに一喜一憂せず、「日本の資源自立」という大きなストーリーに投資してみてはいかがでしょうか。

また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/