「楽天銀行(5838)の株価が急落しているけれど、一体なぜ?」
「業績は悪くないはずなのに、このまま下がり続けるの?今後の予想が知りたい!」
2026年2月24日以降、楽天銀行の株価が連日の急下落を記録し、多くの投資家から不安の声が上がっています。
一時は2025年5月以来の安値水準まで沈み、「どこまで下がるのか」「今が買い時なのか」と判断に迷っている方も多いでしょう。
結論からお伝えすると、今回の株価下落は「業績の悪化」ではなく、親会社である楽天グループのフィンテック事業再編に関する懸念と、マクロ経済の向かい風が重なったことが主な原因です。
この記事では、楽天銀行の株価が急落した4つの具体的な理由を紐解き、現在の事業内容からファンダメンタル・テクニカル両面での今後の株価予想まで、投資に役立つ情報を徹底的に解説します。
1. なぜ楽天銀行の株価が急下落したのか?4つの理由
絶好調な決算を出していたにもかかわらず、なぜ楽天銀行の株は売られてしまったのでしょうか。
主な下落理由は以下の4点に集約されます。
理由①:楽天グループによるフィンテック事業再編の協議再開
最大の売り材料となったのが、2026年2月25日に発表された「楽天グループによるフィンテック事業再編に向けた協議の再開」です。
実はこの再編協議、2024年9月に一度「取りやめ」が発表されていました。
しかし今回、楽天エコシステム全体の成長を目指すという名目で、再び銀行・カード・証券の連携を強化する方向へ舵を切ったのです。
市場の一部では「楽天銀行が単独で楽天経済圏以外の法人や新規顧客を開拓し、独自に大きく成長していく」という期待感がありました。
しかし、再編によって楽天グループ内での連携に経営資源(資金や人材)を割かざるを得なくなり、楽天銀行単体としての成長スピードが鈍化するのではないかという懸念が広がってしまいました。
理由②:親会社への資金流出や増資(株式の希薄化)への警戒
投資家が最も嫌気したのは、再編に伴う「財務面での負担」です。
楽天銀行の下に楽天カードや楽天証券をぶら下げる形での再編が基本構想と報じられていますが、その再編にかかる資金の捻出において、楽天銀行が重い負担を強いられる可能性があります。
さらに、再編後にみずほフィナンシャルグループからの出資比率を調整するための「増資」が行われる可能性も指摘されています。
新株が発行されれば1株あたりの価値が下がる(希薄化する)ため、既存の株主にとっては大きな警戒材料となり、売り急ぐ動きに繋がりました。
理由③:日銀の「追加利上げ観測」の後退
楽天銀行固有の事情だけでなく、外部環境も向かい風となりました。
銀行株は一般的に「金利が上がれば利ザヤ(貸出金利と預金金利の差額)が拡大して儲かる」ため、利上げ局面で買われやすくなります。
しかし、高市首相が日銀総裁との会談において追加利上げに難色を示したという報道が流れました。
これにより、市場全体で「当面、日銀の追加利上げは難しいのではないか」との観測が強まり、銀行セクター全体への期待感が冷え込み、楽天銀行もその波に飲まれて売られやすい環境となってしまいました。
理由④:市場センチメントの悪化と連鎖的な失望売り
こうした悪材料が重なったことで、X(旧Twitter)などのSNSや投資家コミュニティにおいてネガティブな議論が急速に拡大しました。
「優良な子会社(楽天銀行)の資金が、親会社(楽天グループ)の都合で使われてしまうのではないか」という疑心暗鬼が広がり、短期的な値上がりを狙っていた投資家たちの失望売りが連鎖。
結果として、ファンダメンタルズ(基礎的条件)を無視したような急下落を引き起こすことになりました。
2. 会社概要:楽天銀行の強みと事業内容
下落の理由を把握したところで、改めて楽天銀行の「稼ぐ力」を事業内容から確認しておきましょう。
楽天銀行は、口座数で国内トップクラスを誇る日本最大級のインターネット銀行です。
主要な事業内容
楽天銀行の事業は、大きく個人向け(BtoC)と法人向け(BtoB)に分かれていますが、いずれも「楽天エコシステム(経済圏)」の強力な基盤を活かしているのが特徴です。
- 預金・決済事業
- 実店舗を持たないネット銀行の強みを活かし、好金利の円預金や外貨預金を提供。
- 「楽天証券との口座連携(マネーブリッジ)」による優遇金利が強力なフックとなり、莫大な預金残高を獲得しています。
- また、振込やATM利用、口座振替など、日常の決済インフラとしても広く利用されています。
- ローン事業(融資)
- ネット完結型で低金利な「楽天銀行住宅ローン」や、資金使途が自由な「楽天銀行スーパーローン(カードローン)」を展開。
- 強固な預金で集めた資金を、これらのローンで運用することで安定した利ザヤを稼ぎ出しています。
- プラットフォーム事業・法人向けビジネス
- 「ハッピープログラム」を通じた楽天ポイントの付与により、顧客のメインバンク化を促進。
- また、法人向けにはビジネス口座の提供や、他社に金融機能を提供するBaaS(Bank as a Service)事業など、楽天経済圏の外へも徐々に事業領域を拡大しています。
最大の強みは「圧倒的な顧客獲得コストの低さ」です。
楽天市場や楽天カードなど、巨大なグループ基盤から自然に顧客が流入するため、他行のように多額の広告費をかけずとも口座数が純増し続ける、非常に優れたビジネスモデルを持っています。
3. 今後の株価を考察(予想と展望)
ここからは、ファンダメンタル(業績・財務)とテクニカル(チャート)の両面から、筆者独自の視点を交えて今後の楽天銀行の株価展開を考察します。
ファンダメンタル分析:業績は絶好調。ノイズが晴れれば買い場か

ファンダメンタルだけで言うと、楽天銀行の「本業の稼ぐ力」は全く衰えておらず、今回の下落は長期的には絶好の押し目買いチャンスになる可能性を秘めています。
直近の第3四半期(2025年10-12月)決算でも大幅増益を達成しており、再編に関するノイズを除けば、根本的な事業環境の悪化は一切見られません。
業績予想データを見ても、2026年3月期(通期)は売上高2,543億円(前期比+37.8%)、最終利益712億円(前期比+40.3%)と、驚異的な成長が予想されています。
EPS(1株当たり純利益)も408.4円へと拡大する見込みで、金利上昇環境における強固な「預貸金・決済事業」の成長が今後の底支えとなるでしょう。
アナリストの評価も依然として強気です。10名以上のアナリストによる平均目標株価は8,398円に設定されており、現在の急落した株価水準からは約+32%の上昇余地を示唆しています。(※高値目標10,000円、低値目標7,000円)
【筆者の考察】
再編の具体的な条件(増資の有無や資金負担の割合など)が確定し、不透明感が払拭されるまでは株価の上値は重い展開が続くかもしれません。
しかし、「ネット銀行としての圧倒的な預金獲得力」と「前期比+40%超えの増益予想」というファンダメンタルズの強さは揺るぎません。
短期的な下落にパニックにならず、中長期的な視点で保有を検討すべき優良銘柄だと評価できます。
参照:https://kabutan.jp/stock/finance?code=5838
テクニカル分析:短期的には「落ちるナイフ」。底打ち確認が必須

一方で、チャートの動きを見るテクニカル分析の観点では、現在は完全な「下落トレンド(落ちるナイフ)」の状態にあります。
現在のP/E倍率(PER)は15.6倍と、一般的な銀行株(10倍前後)と比較すると少し割高に見えます。
しかし、ネット銀行特有の高い成長性を考慮したDCF(ディスカウント・キャッシュフロー)モデルの評価では、現在の株価は本来の企業価値より6.8%割安であると算出されており、理論上は反発の余地が十分にあります。
一部のアナリストは、パニック売りが一巡した3ヶ月後には+14.39%(7,868円〜10,484円レンジ)への回復シナリオも指摘しています。
【筆者の考察】
株式投資の格言に「落ちるナイフは掴むな」とあるように、下落の勢いが強い真っ只中で買いに向かうのはやめたほうが良いと思います。
6200円を下に割ってきたら6000円くらいまで下落が続く気がするので、様子見がベストでしょう。
ただし、日足チャートで長い下ヒゲをつける、あるいはRSIなどのオシレーター系指標が極端な売られすぎ水準から反転するなど、明確な「底打ちシグナル」を確認してからエントリー(買い)のタイミングを探るのが賢明な戦略と言えるでしょう。
仮に底値から反発しても再度下落することが多いので、7000円を上値支持線になると思います。
参照:https://kabutan.jp/stock/chart?code=5838
4. まとめ
2026年2月下旬からの楽天銀行(5838)の株価急下落について、その理由と今後の展望を解説しました。
- 下落の主な理由は、楽天グループのフィンテック事業再編による「資金負担・増資懸念」と、マクロ的な「日銀利上げ観測の後退」。
- しかし、業績自体は絶好調であり、2026年3月期の通期予想では最終利益712億円(前期比+40.3%)という力強い成長が見込まれている。
- 今後の予想としては、再編の不透明感が晴れれば、平均目標株価7,000円台を目指す中長期的な反発シナリオが期待できる。
- 投資戦略としては、短期の下落トレンドが底を打つのを確認してからの「押し目買い」が有効。
株式市場では、企業の本当の価値と株価が一時的に乖離することがよくあります。
今回の下落が「行き過ぎた懸念」によるものなのか、しっかりとした情報収集を続けながら、ご自身の投資判断に役立ててください。
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/


