「新NISAで資産を最大化したいけれど、S&P500やオルカンだけでは物足りない」
「FANG+が大人気だけど、最近似たようなファンドが増えすぎてどれを選べばいいかわからない……」
「ゴルナス・ゴルプラはNISAの対象なの?」
2024年から始まった新NISA(少額投資非課税制度)。
つみたて投資枠や成長投資枠を活用して、より高いリターンを狙う「集中投資型」の投資信託がいま、かつてないほどの注目を集めています。
これまでハイテク株投資の代名詞といえば「FANG+(ファングプラス)」でしたが、ここ最近、手数料の安さや分散の工夫を凝らした「ポストFANG+」とも呼べるファンドが続々と登場しています。
この記事では、話題の「一歩テック」「Zテック20」「メガ10」に加え、NISA枠外でも注目を集める「ゴルナス」「ゴルプラ」について、その特徴やメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
なぜ今、米国テック株への「集中投資」が人気なのか?
新NISAの主役はあくまで「S&P500」や「オール・カントリー(オルカン)」といった広く分散されたインデックスファンドです。
しかし、これらは市場平均のリターンを目指すものであり、市場平均を大きく上回る「爆発的な利益」を得るには時間がかかります。
そこで人気なのが、米国経済を牽引する巨大テック企業だけに絞って投資をする手法です。
数千銘柄に分散するのではなく、10社〜20社の「勝ち組」に集中投資することで、リスクは高まりますが、その分大きなリターンが期待できます。
これまでは「iFreeNEXT FANG+インデックス」一強の状態でしたが、選択肢が増えた今、自分のリスク許容度に合ったファンド選びが重要になっています。
iFreeNEXT FANG+インデックス
構成銘柄:FANG(Facebook, Amazon, Netflix, Google)にApple, Microsoft, Teslaなどを含む10社に均等投資。
NISA対応: つみたて投資枠・成長投資枠
管理費用(信託報酬): 0.7755%(税込)
1. 【一歩テック】一歩先いく US テック・トップ20インデックス
「FANG+の10銘柄では少なすぎて怖い、でもNASDAQ100の100銘柄では多すぎてリターンが薄まる気がする」
そんな投資家のワガママに応えるような設計で人気急上昇中なのが、通称「一歩テック」です。
「一歩テック」の基本データ

- 名称: 一歩先いく US テック・トップ20インデックス
- 運用会社: 大和アセットマネジメント
- NISA対応: つみたて投資枠・成長投資枠
- 管理費用(信託報酬): 0.495%(税込)
- 投資対象: 米国のテクノロジー関連企業 上位20社
「一歩テック」のポイント!
最大の特徴は、「FANG+(10社)」と「NASDAQ100(100社)」のいいとこ取りをしている点です。
具体的には「ファクトセットUS テック・トップ20指数」への連動を目指します。

構成銘柄には、AI革命の中心にいるNVIDIAをはじめ、Amazon、Microsoft、Apple、Meta、Alphabet(Google)といった「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる最強企業が上位を占めています。
メリット
- ちょうどいい分散効果:
- 10社だと1社の暴落の影響が大きいですが、20社に分散することでリスクを少しマイルドにしています。
- コストパフォーマンス:
- ハイテク株特化型ファンドとしては、実質信託報酬0.495%と比較的低コストに抑えられています。
- 機動力:
- 国内上場のETFに投資する形式をとっているため、注文した当日に約定価格が決まる(当日約定)のも、短期目線の投資家には嬉しいポイントです。
どんな人におすすめ?
- 「FANG+は少し怖い」と感じる人: もう少し分散を効かせたい人に最適です。
- コストを抑えたい人: アクティブファンド並みのリターンを狙いつつ、手数料は低く抑えたい人。
- つみたて投資枠でハイテク株を買いたい人: 新NISAの枠をフル活用できます。
参照:https://www.daiwa-am.co.jp/funds/detail/4655/detail_top.html
2. 【Zテック20】iFreePlus 世界トレンド・テクノロジー株
一歩テックと同じく20社への投資ですが、こちらはより「攻め」と「守り」の選定ルールを明確にしたアクティブ運用ファンドです。通称「Zテック20」と呼ばれています。
「Zテック20」の基本データ

- 名称: iFreePlus 世界トレンド・テクノロジー株
- 運用会社: 大和アセットマネジメント
- 管理費用(信託報酬): 0.495%(税込)
- NISA対応: 成長投資枠
- 投資対象: 日本を除く世界のテクノロジー関連企業 上位20社
Zテック20のポイント!
Zテック20の最大の特徴は、単に時価総額が大きい順に選ぶのではなく、「リスクが高い銘柄を除外する」というフィルターを通している点です。
「世界トレンド・テクノロジー株」という名前の通り、米国だけでなくグローバルな視点で銘柄を選定しますが、現状は米国企業が強いため、実質的には米国ハイテク株への集中投資となっています。
S&P500よりはハイリスク・ハイリターンを狙いたいが、FANG+のような極端な集中投資よりは分散を効かせたい、という「ミドルリスク・ミドルリターン」の立ち位置を確立しています。
構成銘柄

構成銘柄には、「一歩テック」と同様にNVIDIA、Amazon、Microsoft、Apple、Meta、Alphabet(Google)といった最強企業が上位を占めています。
メリット
- アクティブな銘柄選定:
- ルールに基づき、時価総額上位20銘柄へ「時価総額加重平均」で投資します。
- 「除外」の論理:
- 株価変動リスクが高すぎる銘柄をあえて外すことで、安定的な成長を目指します。
どんな人におすすめ?
- 若年層・長期投資家: 多少のリスクを取ってでも、市場平均を上回るリターンを狙いたい20代〜40代。
- 「選び抜かれた」銘柄に投資したい人: インデックスの機械的な採用ではなく、一定のクオリティフィルターを通った企業に投資したい人。
参照:https://www.daiwa-am.co.jp/funds/detail/5139/detail_top.html
3. 【メガ10】ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド
2023年〜2024年にかけて大きな話題となったのが、超・低コストで超・大型株に投資できる「メガ10」です。
「メガ10」の基本データ

- 名称: ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド
- 運用会社: ニッセイアセットマネジメント
- NISA対応: つみたて投資枠・成長投資枠
- 管理費用(信託報酬): 年0.385%(税込)
- 投資対象: 米国グロース株 時価総額上位10社
メガ10のポイント!
メガ10の衝撃は、なんといってもその「信託報酬の安さ」です。年0.385%という数字は、競合となるFANG+(約0.7%程度)の約半分です。
投資対象は「Solactive US Growth Mega10 Selectインデックス」に連動し、米国の時価総額上位10社のグロース株に「等金額」で投資をします(※運用の詳細により変動あり)。
構成銘柄

構成銘柄には、「一歩テック」と同様にNVIDIA、Amazon、Microsoftといった企業が上位を占めていますが、製薬会社であるイーライリリー・アンド・カンパニー、クレジットカード会社のビザ(Visa)やマスターカード(Mastercard)などのも含んでいます。
メリット
- 圧倒的低コスト:
- 長期保有において、信託報酬の差はリターンに大きく響きます。
- コスト最優先ならメガ10は有力候補です。
- 新陳代謝が早い:
- 年4回(3月・6月・9月・12月)も銘柄入れ替えとリバランスを行います。
- これにより、常に「その時、一番勢いのある10社」をポートフォリオに組み込むことができます。
- FANG+との違い:
- FANG+は銘柄がある程度固定されていますが、メガ10は時価総額ベースで機械的に入れ替わるため、ITセクター以外(例えばヘルスケアや一般消費財など)の巨大企業が入ってくる可能性があり、セクター分散が効く場合があります。
どんな人におすすめ?
- コストに敏感な人: 手数料負けしたくない、少しでも安く運用したい人。
- 「今の勝ち組」に乗り続けたい人: 自分で銘柄分析をしなくても、勝手に上位10社に入れ替えてくれる利便性を求める人。
参照:https://www.nam.co.jp/fundinfo/nsbgkm10f/main.html
【その他】新NISA対象外だけど注目の「レバレッジ×金」戦略
上記の3つのファンド以外にも「ゴルナス」「ゴルプラ」が注目されており、新NISAに対応しているのか疑問に思う方が多いと思います。
結論から言うと「ゴルナス」「ゴルプラ」は新NISAの対象外(特定口座のみ)となります。
これらは「レバレッジ(てこの原理)」と「ゴールド(金)」を組み合わせた特殊なファンドのため対象外になっています。
NISA枠を埋め切った後のサテライト投資や、課税口座での積極運用として人気がありますので知っていて損はないでしょう。
4. 【ゴルナス】Tracers NASDAQ100ゴールドプラス
NASDAQ100(米国のハイテク株指数)と金(ゴールド)の両方にレバレッジをかけて投資するファンドです。

- 仕組み: NASDAQ100と金の両方に100%ずつ、合計200%(2倍)相当の投資効果を目指します。
- 狙い: 「株が上がれば利益」「株が下がっても金が上がればカバー」という、攻めと守りの両立をレバレッジをかけて行います。
- 管理費用(含む信託報酬):0.2189%
- 注意点: 新NISA非対応です。
- また、レバレッジ型は相場が横ばいの時に基準価額が下がりやすい(減価する)リスクがあります。
- 構成銘柄:NASDAQ100指数は、新興企業向け株式市場ナスダックに上場する時価総額上位100社(除く金融)で構成されています。
参照:https://www.amova-am.com/sp/tracers/nasdaqgold
5. 【ゴルプラ】Tracers S&P500ゴールドプラス

こちらはS&P500と金を組み合わせたバージョンです。
- 仕組み: S&P500と金の両方に100%ずつ、合計200%(2倍)相当の投資効果を目指します。
- 管理費用(含む信託報酬): 0.1991%と、レバレッジ型にしては破格の安さです。
- どんな人向け?:
- 資金効率を極限まで高めたい人。
- 少ない資金でS&P500と金の両方を持ちたい人におすすめです。
- 注意点: 新NISA非対応です。
- また、レバレッジ型は相場が横ばいの時に基準価額が下がりやすい(減価する)リスクがあります。
- 構成銘柄:S&P500指数は、新興企業向け株式市場ナスダックに上場する時価総額上位100社(除く金融)で構成されています。
参照:https://www.amova-am.com/fund/detail/645066
まとめ:あなたに合うのはどのファンド?
これまでの情報を整理して、タイプ別のおすすめをまとめます。
| ファンド愛称 | 投資対象 | 信託報酬 | NISA対応 | おすすめな人 |
|---|---|---|---|---|
| 一歩テック | 米国テック上位20社 | 0.495% | 対応 | FANG+より分散したい、NISAつみたて枠を使いたい人 |
| Zテック20 | 世界テック上位20社 | 0.495% | 対応 | 除外ルールによる選定(アクティブ)に魅力を感じる人 |
| メガ10 | 米国グロース上位10社 | 0.385% | 対応 | とにかくコスト重視、常に時価総額トップ企業を持ちたい人 |
| ゴルナス | NASDAQ100×金 | 0.2189% | ×(非対応) | 特定口座でハイリスク・ハイリターンを狙う上級者 |
| ゴルプラ | S&P500×金 | 0.2189% | ×(非対応) | S&P500をベースに資金効率を高めたい上級者 |
結論から言うと、「何を最優先するか(リターン、コスト、リスク管理)」によって投資先を変えたほうがいいかと思います。
1. 実績とブランド力で選ぶなら「FANG+」
- 「これを持っておけば間違いない」という安心感(人気No.1)。上昇相場での爆発力は随一です。
- ただ、1銘柄ごとの影響が大きく、暴落時の下げも激しいです。信託報酬(約0.77%)は3つの中で最も高いです。
- 向いている人: 「多少の手数料やリスクは気にせず、過去最強の勝ち馬に乗り続けたい人」
2. コスト最優先&逆張り思考なら「メガ10」
- 手数料がFANG+の半額以下。均等投資なので、1位の企業(例:今のNVIDIAなど)が暴落した際の影響を相対的に抑えられます。
- ただ、時価総額加重平均(大きくなるほど多く持つ)ではないため、超大型株がさらに暴騰する局面では、FANG+やS&P500に劣後する可能性があります。
- 向いている人: 「とにかくコストを抑えたい人」「特定の1社への依存度を下げたい人」
3. バランスと安心感なら「一歩テック」
- 20社に分散されるため、10社集中のファンドよりは値動きがマイルドになる傾向があります。Mag7以外の「次なる成長企業」も取り込めます。
- ただ、分散される分、上位銘柄が爆発的に伸びた時の恩恵は薄まります。
- 向いている人: 「10社だけだと怖いが、NASDAQ100よりはリターンを狙いたい人」「程よい分散が欲しい人」
結論:新NISAの「コア」と「サテライト」を使い分けよう
新NISAでの資産形成において、これら集中投資型ファンドは強力な武器になります。
- 王道を行くなら: 全世界株式(オルカン)やS&P500をコア(資産の70〜80%)にする。
- リターンを上乗せするなら: 残りの枠(20〜30%)で、今回紹介した「一歩テック」や「メガ10」をトッピングする。
これが、リスクを抑えつつ市場平均超えを狙う賢い戦略と言えるでしょう。
特に「メガ10」の低コストと「一歩テック」の分散バランスは、これからの新NISA戦略において「FANG+」に代わる新たなスタンダードになる可能性を秘めています。
流行に流されすぎず、自分のリスク許容度と相談しながら、最適なファンドを選んでみてください。
本ブログでは銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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