日経平均株価4万5000円突破!なぜ今?今後の見通しを分析!

日経平均株価 上記理由 投資日記

9月のアノマリーを覆した歴史的急騰、日経平均4万5000円への道

2025年9月16日、日本の株式市場が歴史的な瞬間を迎えました。日経平均株価が取引時間中に4万5000円を突破し、史上最高値を更新したのです。

「株価が上がったのは良いニュースみたいだけど、なぜこんなに急に上がったの?」

「夏枯れの時期になぜ日経平均が上昇した?」

この記事では、そんな疑問をお持ちの株式投資初心者の方や、これから投資を始めてみたいと考えている方に向けて、今回の株価上昇の背景と今後の見通しを、どこよりも分かりやすく解説していきます。

なぜ9月に?「アノマリー」を覆した異例の株価上昇

実は、株式市場には「アノマリー」と呼ばれる、理論的な根拠はないものの、なぜかよく当たる経験則のようなものが存在します。

その中でも特に有名なのが、「9月は株価が下がりやすい」というものです。

これは、海外の機関投資家が決算前に利益を確定するために株を売ったり、日本企業の中間配当の権利を得た投資家が株を売ったりする動きが出やすいためと言われています。

しかし、2025年の9月は、このアノマリーを完全に覆す力強い上昇を見せました。例年なら警戒される月であるにもかかわらず、なぜこれほどの記録的な高値を更新できたのでしょうか?

その背景には、大きく分けて3つの強力な追い風がありました。

株価を押し上げた3つの理由

今回の歴史的な株価上昇は、決して一つの理由だけで起こったわけではありません。

アメリカの経済、日本の技術、そして国内の政治という、3つの異なる分野からのポジティブな要因が奇跡的に重なり合った結果なのです。

理由①:アメリカの金融政策への「期待感」【FOMCの利下げ】

一つ目の理由は、アメリカでの利下げ期待です。

ニュースで「FOMC」という言葉を聞いたことはありますか?

これはアメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)が、今後の金融政策を決める最高意思決定会合のことです。

ここで決まる「政策金利」は、世界経済の舵取りをすると言っても過言ではありません。

最近のアメリカでは、景気の過熱を抑えるために金利を引き上げる「利上げ」が続いていました。金利が上がると、企業はお金を借りにくくなり、個人のローン金利も上がるため、経済活動が少し落ち着きます。

しかし、その利上げもいよいよ終わりが見え、今度は逆に金利を引き下げる「利下げ」が行われるのではないか、という期待が市場で一気に高まりました。

▼利下げがなぜ株価にプラスなの?

企業の活動が活発に:金利が下がると、企業は低いコストで銀行からお金を借りて、新しい工場を建てたり、研究開発に投資したりしやすくなります。

個人の消費も活発に:住宅ローンや自動車ローンの金利が下がり、消費が刺激されます。

株式市場にお金が流れやすく:銀行預金の金利が低いままだと、人々はより高いリターンを求めて株式などのリスク資産に投資する傾向が強まります。

このように、アメリカ経済の活性化への期待から、まずアメリカの株価が上昇しました。

そして、世界最大の経済大国であるアメリカの株価が上がると、その影響を受けて日本の株価も上がりやすくなります。これが一つ目の大きな理由です。

理由②:世界を席巻する「AIブーム」と日本の半導体産業

二つ目の理由は、「半導体」分野への投資の再ブームです。

「半導体」は、スマートフォンやパソコン、自動車、そして今話題の生成AIなどを動かすために不可欠な、まさに「現代の石油」とも言える部品です。

現在のAIブームは、複数のフェーズを経て進化していると理解されています。
ゴールドマン・サックスの分析によれば、市場はまず、NVIDIAのような最も明確な受益者(第1段階)に注目しました。
その後、関心は半導体、クラウドサービス、データセンターといったAIインフラを支える幅広い企業群(第2段階)へと拡大しました。
そして現在、市場はAIを自社製品に組み込み、収益化を実現するソフトウェアやITサービス企業(第3段階)へと次の投資対象を模索し始めています。

この動きは、日本の半導体製造装置メーカーや素材メーカーにとって、息の長い需要が続くことを意味しており、株式市場での高い評価につながっています。

▼なぜ日本の半導体が重要?

日経平均株価は、日本を代表する225社の株価を基に計算されています。

そして、その225社の中でも、特に株価の値動きが指数全体に大きな影響を与える「寄与度」の高い銘柄が存在します。

現在の日経平均は、この寄与度ランキングの上位を、半導体を作るための超精密な機械を製造している「東京エレクトロン」や、半導体の性能をテストする装置で世界トップクラスのシェアを誇る「アドバンテスト」といった、半導体関連銘柄が独占している状況です。

以下の表は、日経平均の9月の上昇局面において、主要な半導体関連銘柄がどの程度の影響を与えたかを試算したものです。

銘柄名証券コード業種日経平均構成比率(推定)9月月間上昇率(推定)9月月間寄与度(推定、円)
東京エレクトロン8035電気機器約 3.5%約 12%約 +350
アドバンテスト6857電気機器約 2.0%約 15%約 +250
ソフトバンクグループ9984情報・通信業約 1.8%約 8%約 +120
ディスコ6146精密機器約 1.0%約 18%約 +150
信越化学工業4063化学約 1.2%約 7%約 +70
レーザーテック6920電気機器約 0.8%約 20%約 +130

つまり、「AIブームで半導体関連銘柄が買われる」→「寄与度の高いそれらの企業の株価が大きく上がる」→「日経平均株価全体が強く押し上げられる」という強力な上昇サイクルが生まれているのです。

一方で、この極端な集中は、半導体セクターに逆風が吹いた場合、指数全体が急落するリスクを内包していることも示唆しています。

理由③:「ポスト石破」新政権への期待感

三つ目の理由は、日本の国内政治の動きです。

9月、石破首相が退陣を表明し、次のリーダーを選ぶ総裁選が行われました。

市場は、石破政権から次期政権への移行を、日本の経済政策が転換する好機と捉えています。

例えば、高市早苗氏は積極的な財政出動と金融緩和の継続を掲げる「リフレ派」として知られ、その政策は株価にとって最もポジティブなシナリオの一つと見なされています。

一方で、小泉進次郎氏は賃金100万円アップを目指す経済対策や規制改革を訴えており、これもまた経済活性化への期待を抱かせるものです。

特に今回は、経済成長を力強く推進するような政策(例えば、大規模な財政出動や減税など)への期待感から、投資家の心理がポジティブになり、幅広い銘柄に買い注文が入りました。

特定の候補者が掲げる政策によって、恩恵を受けそうな業界の株が個別に買われる動きもあり、市場全体が活気づく一因となりました。

今後の日経平均株価はどうなる?

では、このお祭りムードはいつまで続くのでしょうか?今後の株価の行方を占う上で、私たち個人投資家が注目すべき4つのポイントをまとめました。

日米の金融政策の「方向性の違い」

前述の通り、アメリカは「利下げ」に向かう可能性が高い一方、日本銀行は現在の「低金利政策」を当面維持する見込みです。

9/17、アメリカでは今年初の利下げに踏み切りました。
一方で日銀は金利据え置きでしたが、利上げを匂わせていました。

そのため、アメリカでは投資が加速しやすいですが日本でもその流れは伝播するのかが今後の株価が左右されるでしょう。

私的にはアメリカ株がこのまま上昇トレンドをキープしてくれれば日本株も下がりはしないのかなと考えています。(日本株はほぼ米国株の影響を受けているので、、、)

そのため、日銀が利上げをしたとしても一時的な下落はあると思いますが、すぐに回復するのではないかと思います。

半導体セクターの企業決算

現在の株価を牽引している半導体関連企業が、市場の高い期待に見合った業績を本当に上げられるのかどうかが重要です。

今後発表される決算で、もし成長の鈍化などが見られれば、ブームが一時的に終わり、株価が調整局面に入る可能性も考えられます。

まとめ

今回の日経平均株価4万5000円突破は、アメリカの金融政策への期待、AIという新しい技術革新の波、そして国内の政治への期待感という、複数の幸運が重なって実現した歴史的な出来事です。

これは、日本企業の価値が世界的に再評価されている証拠とも言えるでしょう。

もちろん、株価は一直線に上がり続けるわけではなく、必ず上昇と下落を繰り返します。

しかし、なぜ株価が動いているのか、その背景にある経済の仕組みや世界の動きを理解することで、ニュースの見え方は大きく変わってきます。

また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/

参照:https://shikiho.toyokeizai.net/news/0/905512
https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202509161000