現在、日経平均株価や米国株(S&P500、ナスダック)が下落基調にあり、「いつ下げ止まるのか?」「今は買い時なのか?」と不安を感じている投資家の方も多いのではないでしょうか。
株価は企業の業績だけでなく、投資家の「心理(センチメント)」によって大きく動きます。
相場格言に「悲観の中で買い、楽観の中で売れ」とあるように、市場全体が恐怖に怯えている時こそが、実は最大のチャンスであることが多いのです。
この記事では、市場の過熱感や恐怖度を測るための代表的な指標を6つ紹介します。
具体的な数値目安や、買い時・売り時の判断基準も解説しますので、ぜひトレードの参考にしてください。
1. VIX指数(恐怖指数)

参照:https://jp.tradingview.com/chart/?symbol=TVC%3AVIX
重要度:★★★★★
概要
VIX指数(Volatility Index)は、S&P500のオプション取引の動向から算出される指標です。
投資家が先行きに対してどれくらい不安を感じているかを表すため、別名「恐怖指数」とも呼ばれます。
通常、株価が急落するとVIXは急騰します。
数値の見方と売買の目安
- 平常時(10〜20): 市場は安定しています。
- 警戒域(20〜30): 不安が高まっています。
- パニック(30以上): 投資家が狼狽売りをしている状態です。
- 歴史的暴落(40以上): リーマンショックやコロナショック級の危機です。
投資アクション(逆張り戦略)
- 買い時:
- 30を超えたあたりから、「セリングクライマックス(売りの最終局面)」に近いと判断し、買い下がりを検討します。
- 40を超えた場合は歴史的な買い場となる可能性が高いです。
- 売り時:
- 15以下の低水準が長く続くときは「楽観(油断)」が蔓延しています。
- 暴落の前触れの可能性があるため、利益確定を進めるのが無難です。
2. Fear & Greed Index(恐怖と貪欲指数)

参照:https://edition.cnn.com/markets/fear-and-greed
重要度:★★★★★
概要
CNN Businessが毎日公表している指標です。
VIX指数を含む7つの要素を総合し、市場心理を「0(極度の恐怖)」から「100(極度の強欲)」のメーターで表したもので、視覚的に非常にわかりやすいのが特徴です。
数値の見方と売買の目安
- Extreme Fear(極度の恐怖): 0 〜 25
- Fear(恐怖): 25 〜 45
- Neutral(中立): 45 〜 55
- Greed(強欲): 55 〜 75
- Extreme Greed(極度の強欲): 75 〜 100
投資アクション
- 買い時:
- 指数が20以下(Extreme Fear)に入ると、売られすぎのサインです。
- 市場の総悲観は買いの好機となります。
- 売り時:
- 指数が75以上(Extreme Greed)になると、相場は過熱しており、いつ調整が入ってもおかしくありません。
- 新規買いは控え、キャッシュポジションを増やす局面です。
3. プットコールレシオ (Put Call Ratio)

参照:https://jp.tradingview.com/chart/?symbol=INDEX%3ACPC
重要度:★★★★☆
概要
オプション市場において、「プット(売る権利)」と「コール(買う権利)」の取引比率を表したものです。
- プットが増える=みんなが暴落を警戒している(保険をかけている)
- コールが増える=みんなが上昇を期待している
数値の見方と売買の目安
- 1.0以上: プット(弱気)が多い状態。市場は恐怖を感じています。
- 0.7以下: コール(強気)が多い状態。市場は楽観しています。
投資アクション
- 買い時:
- PCRが1.0(あるいは1.2)を超えて急上昇した時。
- 多くの投資家が「もっと下がる!」と弱気になり、プットを買い漁っている時は、大底が近い逆張りのサインです。
- 売り時:
- PCRが0.6〜0.5台まで低下した時。
- 誰もが「株は上がる」と信じている時こそ、天井である可能性が高いです。
4. ブルベア指数(Bull-Bear Index)

参照:https://en.macromicro.me/collections/34/us-stock-relative/130108/sp500-bull-bear-market-price-return
重要度:★★★☆☆
概要
投資家に対して「今後株価は上がるか(ブル・強気)、下がるか(ベア・弱気)」をアンケート調査し、その差を数値化したものです。
様々な調査機関が出していますが、基本は「強気比率 - 弱気比率」で見ます。
数値の見方と売買の目安
- 強気(ブル)が多い: 相場は天井圏に近い可能性。
- 弱気(ベア)が多い: 相場は底値圏に近い可能性。
投資アクション
- 買い時:
- 弱気(ベア)の比率が圧倒的に高まった時。
- 市場参加者の多くが諦めムードの時こそ、相場は反転しやすくなります。
- 売り時:
- 強気(ブル)一色になった時。
- 新たな買い手がいなくなり、相場は失速します。
5. 米10年債利回り(長期金利)

参照:https://jp.investing.com/rates-bonds/u.s.-10-year-bond-yield
重要度:★★★★★(特にハイテク株・グロース株)
概要
「世界経済の体温計」とも呼ばれます。
一般的に、金利と株価はシーソーの関係(逆相関)にあります。
- 金利上昇 = 株価(特にPERが高いハイテク株)には向かい風(下落要因)
- 金利低下 = 株価には追い風(上昇要因)
数値の見方と注意点
金利には明確な「◯%で買い」という絶対基準はありませんが、「変動のスピード」と「節目」が重要です。
- 危険信号:
- 短期間で急激に利回りが上昇した時(例:数日で0.2%以上の急騰など)。
- 株価はショック安を起こしやすくなります。
- 目安(例):
- 4.0%、4.5%、5.0%といった「心理的節目」に到達すると、市場は強く反応します。
投資アクション
- 買い時:
- 金利上昇が一服し、ピークアウト(天井を打って下がり始める)した瞬間。
- これが確認できると、株式市場にお金が戻ってきやすくなります。
- 売り時: 金利が底を打ち、再び上昇トレンドに入った時。
まとめ:指標を組み合わせて判断しよう
これらの指標は単独で使うよりも、いくつかを組み合わせて見ることで精度が高まります。
【最強の買いシグナル例】
- 株価が大きく下落している。
- VIX指数が30を超えた。
- Fear & Greed Indexが20以下(Extreme Fear)になった。
- AAII調査で弱気が50%を超えた。
このように複数の「悲観サイン」が重なった時こそ、勇気を持って市場に参加することで、将来的に大きなリターンを得られる可能性が高まります。
相場の恐怖に飲み込まれず、客観的な数字を味方につけて、賢い投資判断を行いましょう。
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/

