【台湾TSMC】3Q決算の要約と考察:今後のAI向け半導体の需要と業績の見通し分析

TSMC 個別銘柄分析

生成AI(HPC)およびスマートフォン向けの売上が成長を牽引
・売上高が前年同期比39.0%増
・純利益は54.2%増

・第4・四半期も、最先端プロセス技術に対する力強い需要に支えられ続けると期待

銘柄の分析まとめ

TSMC(台湾積体電路製造、2330.TW)は、世界最大の半導体受託製造企業であり、特に最先端の3nmおよび5nmプロセス技術を提供しています。

2024年7-9月期(3Q24)では、前年同期比で大幅な成長を記録しており、世界的な半導体需要の高まりに伴い、その業績は非常に良好です。

主力事業である高性能コンピューティング(HPC=AI)およびスマートフォン向けの半導体売上が成長を牽引しており、今後も技術革新によって競争優位を保つことが期待されています。

ウェンデル・ファン最高財務責任者(CFO)は「第3・四半期の当社の事業は、業界をリードする当社の3nmおよび5nm技術に対するスマートフォンやAI関連の旺盛な需要に支えられた」と説明。

「第4・四半期も、最先端プロセス技術に対する力強い需要に支えられ続けると期待している」と述べた。

事業内容

TSMCは、最先端の半導体技術を提供するファウンドリ事業を中心に展開しています。

同社の顧客には、AppleやNVIDIA、AMDなど、世界的なテクノロジー企業が名を連ねています。
特に、5nmおよび3nmプロセス技術が注目され、最先端のスマートフォンやデータセンター向けの半導体を生産しています。

また、IoT(モノのインターネット)、自動車分野においても、TSMCは急速に存在感を高めています。


業績

参照:日本経済新聞

売上高、純利益とも四半期ベースで過去最高

TSMCの2024年7-9月期の売上高は7,596.9億台湾ドル(約23.5億米ドル)に達し、前年同期比では39%の増加を記録しました。

特に、5nmおよび3nmの技術が大きな収益源となっており、売上全体の約69%を占めています。これにより、営業利益率は47.5%、純利益率は42.8%と、非常に高い収益性を誇ります。

TSMCの成長を支える主な要因としては、HPC分野の売上が四半期比で16%スマートフォン向け売上が11%増加したことが挙げられます。


財務状況

TSMCの財務状況は非常に堅実

2024年9月時点の総資産は6兆1,656億台湾ドルで、自己資本比率は65.2%を維持しています。同社のキャッシュフローも健全で、2024年第3四半期のフリーキャッシュフローは1,849億台湾ドルに達し、前年同期比で約3倍の成長を示しました。
これにより、将来的な設備投資や技術開発に十分な資金を確保できる状態です。

また、在庫回転日数や売掛金回転日数も安定しており、効率的な運営が確認できます。長期的には、技術革新と効率的な資本管理によって、さらに強固な財務基盤を築いていくことが予想されます。


株価

株価は上昇中

TSMCの株価は、2024年7-9月期の好調な業績を背景に上昇傾向を示しています。
特に、HPCおよびスマートフォン向けの半導体需要が拡大していることから、今後も株価の上昇が期待されています。

株価のパフォーマンスは市場全体のトレンドにも影響を受けますが、TSMCの技術力と市場シェアの高さは、引き続き投資家にとって魅力的な要素です。

加えて、TSMCは先進的な半導体プロセス技術により、他の競合と比較して持続的な優位性を持っており、株価はそれを反映しています。今後も技術革新が株価のさらなる上昇に寄与すると見込まれています。

去年から株価は2倍なので、まだ株価は伸びる余地はあるのかなと思います。


配当利回りと配当性向

TSMCは安定した配当を行っており、2024年第2四半期の配当は1株当たりNT$4.00と発表されています。

2024年9月時点での配当利回りは約2%で、株主への還元も重視している企業です。配当性向も40%を超えており、安定した利益配分を維持しています​(TSMC)。

特に、半導体市場全体が好調であるため、TSMCの今後の配当政策も引き続き堅調なものとなる見込みです。2024年第4四半期の業績見通しも明るく、同社の配当性向はさらに高まる可能性があります。


まとめ

TSMCは、2024年7-9月期において、強力な財務基盤と技術革新を背景に大幅な成長を遂げました。

HPCやスマートフォン向けの需要が成長を支え、最先端の5nmおよび3nm技術が大きな収益源となっています。
今後も、TSMCはその技術力を武器に、さらなる成長を続けることが期待されます。まだまだ半導体の需要は拡大しそうなので今からTSMCの株を買っても遅くはないかもしれません。
そのため、株式投資家にとっては、長期的な視点での投資価値が高い企業と言えるでしょう。

また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/

以上