「9月は株の配当金がもらえるチャンスって聞いたけど、どの銘柄がいいの?」
「そもそも、いつまでに株を買えば配当金がもらえるんだろう?」
9月は多くの企業が中間決算期を迎えるため、株式投資家にとっては「配当」を意識する重要な月です。
この記事では、そんな9月の高配当株投資で成功するための知識を、初心者の方にも分かりやすく完全ガイドします!
1.【重要】配当金をもらうための基礎知識

配当金をもらうためには、「ただ株を買う」だけでは不十分です。
特定の「日」までに株主になっている必要があり、そのためのルールを理解することが非常に重要です。
絶対に押さえたい3つの日付
配当金に関連する日付には、「権利確定日」「権利付最終日」「権利落ち日」の3つがあります。
この3つの関係性を理解することが最初のステップです。
- 権利確定日
- 企業が「この日に株主名簿に記載されている株主に配当金を支払いますよ」と決める基準日です。
- 9月の場合、多くの企業が9月末日を権利確定日に設定しています。
- 権利付最終日(最重要!)
- この日までに株を買って、その日の取引終了時まで保有していれば、配当金をもらう権利が得られる日です。
- 権利付最終日は、権利確定日の2営業日前と定められています。(土日祝日を除く)
- 権利落ち日
- 権利付最終日の翌営業日です。
- この日に株を買っても、その期末の配当金はもらえません。
- 逆に言えば、権利付最終日まで株を保有していれば、権利落ち日に売却しても配当金をもらう権利は確定しています。
結局、いつまでに買って、いつ売ればいいの?
結論はシンプルです。
①買う日:
権利付最終日の取引終了(大引け)までに買う。
②売っても良い日:
権利落ち日以降なら、いつでも売ってOK。

例えば、2024年9月30日(月)が権利確定日の場合、以下のようになります。
- 権利確定日: 9月30日(月)
- 権利付最終日: 9月26日(木)(2営業日前)
- 権利落ち日: 9月27日(金)(権利付最終日の翌営業日)
この場合、9月26日(木)の取引終了時点で株を保有していれば、翌27日(金)に売却しても配当金を受け取る権利があります。
参照:https://info.monex.co.jp/news/2024/20240919_02.html
配当金はいつもらえるの?
権利が確定しても、すぐに配当金が振り込まれるわけではありません。
一般的に、権利確定日から2〜3ヶ月後に、指定した証券口座などに振り込まれます。
9月が権利確定日の場合、11月〜12月頃に入金されるケースが多いです。
2.9月のおすすめ高配当銘柄5選
ここでは、数ある9月決算の企業の中から、「配当の安定性」「事業の成長性」「株主還元の積極性」を基準に厳選した5つの銘柄をご紹介します。
※配当利回りなどのデータは2024年9月19日時点のものです。最新の情報はご自身でご確認ください。
証券コード | 銘柄名 | 配当利回り(目安) | 特徴 |
---|---|---|---|
8306 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 3.37% | 累進配当・国内最大の金融グループ |
8058 | 三菱商事 | 3.39% | 累進配当・事業の多角化で安定 |
8593 | 三菱HCキャピタル | 3.87% | 25年以上の連続増配実績 |
9104 | 商船三井 | 5.60% | 高利回り・下限配当で安定性も |
7148 | FPG | 4.50% | 業績好調で積極的な増配 |
それでは、各銘柄を詳しく見ていきましょう。
1. 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)

特徴:累進配当を宣言!金利上昇が追い風のメガバンク
日本最大の金融グループであり、その安定した収益基盤は高配当株として大きな魅力です。
近年、日本の金融政策の転換により金利が上昇傾向にあり、銀行の収益環境が改善しています。
これは株価や配当にとって追い風となる可能性があります。
- 事業内容:
- 個人・法人向けの銀行業務を中核に、証券、クレジットカード、リースなど幅広い金融サービスをグローバルに展開。
- 株主還元:
- 「累進配当」を掲げ、減配せずに配当を維持または増額する方針を示しています。
- 配当性向40%を目安としており、利益成長に伴う安定的な増配が期待できます。
- ポイント:
- 景気動向や金利政策に業績が左右されやすい側面はありますが、日本経済の中核を担う企業としての安定感は抜群。
- ポートフォリオの土台として検討したい銘柄です。
- 公式サイト(配当情報): https://www.mufg.jp/ir/stock/dividend/index.html
2. 三菱商事(8058)

特徴:資源からコンビニまで!「累進配当」を掲げる総合商社の王様
三菱商事は、エネルギー、金属、機械、食品、化学品など、非常に幅広い分野で事業を展開する総合商社です。
多様な事業ポートフォリオがリスクを分散し、安定したキャッシュフローを生み出しています。
- 事業内容:
- 天然ガス・石油などのエネルギー事業、インフラ、食品、ヘルスケアなど、生活に密着した分野から産業の根幹を支える分野まで多岐にわたります。
- 株主還元:
- こちらも「累進配当」を継続しており、安定した株主還元が魅力です。
- 業績連動性を高めつつ、持続的な増配を目指す方針です。
- ポイント:
- 「投資の神様」ウォーレン・バフェット氏が投資したことでも注目を集めました。
- 景気敏感株ではありますが、それを補って余りある事業基盤の強固さと株主還元の積極性が光ります。
- 公式サイト(配当情報): https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/ir/adr/allot/
3. 三菱HCキャピタル(8593)

特徴:連続増配ランキング上位!25年以上増配を継続!
リース業を中核とする金融サービス企業です。
企業の設備投資需要に支えられた安定的な事業モデルを持ち、驚異的な連続増配記録を更新し続けています。
- 事業内容:
- 法人向けに情報機器や産業機械などのリースを提供。
- 日立キャピタルとの統合により事業規模を拡大し、海外にも積極的に展開しています。
- 株主還元:
- 25年以上の連続増配を達成しており、これは株主還元への非常に強い意志の表れです。
- 配当性向も安定しており、今後も着実な増配が期待されます。
- ポイント:
- 安定性を重視する投資家から絶大な人気を誇る、まさに「高配当株の王道」とも言える銘柄。
- 派手さはありませんが、着実に資産を増やしたい方におすすめです。
- 公式サイト(配当情報): https://www.mitsubishi-hc-capital.com/investors/dividend/index.html
4. 商船三井(9104)

特徴:高い利回りと安定性を両立!世界の物流を支える海運大手
日本の海運業界をリードする企業の一つ。
世界経済の動向や物流需要に業績が大きく左右されますが、その分、好調時には非常に高い配当が期待できるのが魅力です。
- 事業内容:
- 鉄鉱石などを運ぶ不定期船、完成車輸送、エネルギー輸送(LNG船など)、コンテナ船といった多様な船舶で世界の海上輸送を担っています。
- 株主還元:
- 連結配当性向を30%に引き上げ、業績に応じた還元を強化。
- さらに、年間150円の「下限配当」を設定しており、市況が悪化した際にも配当が極端に少なくなるリスクを軽減しています。
- ポイント:
- 海運市況という大きな変動要因があるため、株価のボラティリティ(変動幅)は大きめです。
- しかし、下限配当の設定により、投資家心理に配慮した姿勢が見られます。
- 高い利回りを狙いたい場合に面白い選択肢です。
- 公式サイト(配当情報): https://ir.mol.co.jp/ja/ir/management/dividend.html
5. FPG(7148)

特徴:業績絶好調で大増配!独自の金融サービスで急成長中
航空機や船舶などを対象とした「オペレーティング・リース」事業を主力とするユニークな金融サービス企業です。
好調な業績を背景に、積極的な増配を行っており、投資家からの注目度が高まっています。
- 事業内容:
- 節税ニーズのある中小企業などへ、航空機やコンテナなどのリース事業を小口化して販売する「リースファンド事業」が主力。
- 不動産や保険事業などにも多角化を進めています。
- 株主還元:
- 業績連動の方針のもと、好業績を背景に近年大幅な増配を続けています。
- 今後の成長次第では、さらなる株主還元強化も期待されます。
- ポイント:
- 景気や金融市場の動向に影響を受けやすいビジネスモデルですが、他社にはない独自性で高収益を上げています。
- 成長性と高い利回りを両方狙いたい投資家にとっては魅力的な銘柄です。
- 公式サイト(配-当情報): https://www.fpg.jp/ir/highlights04.html
3.高配当株投資で失敗しない3つのポイント

高い利回りは魅力的ですが、何も考えずに飛びつくと失敗する可能性もあります。
ここでは、高配当株投資における代表的な注意点を3つ解説します。
1. 「権利落ち」による株価下落
権利落ち日には、配当がもらえる権利がなくなった分だけ、株価が下落する傾向があります。
理論上は配当金の額だけ株価が下がると言われており、せっかく配当金をもらっても、株価の下落でトータルではマイナスになってしまうケースも少なくありません。
2. 業績悪化による「減配」リスク
「高配当」は、企業の安定した業績があってこそ成り立ちます。
もし業績が悪化すれば、企業は配当金を減らす「減配」や、配当金をやめる「無配」を決定することがあります。
配当利回りだけを見て投資すると、将来の減配リスクを見逃すことになります。
3. 見せかけの利回り「タコ足配当」に注意
企業が利益以上の配当金を支払っている状態を「タコが自分の足を食べる」ことに例えて「タコ足配当」と呼びます。
これは、企業の資産を取り崩して配当に回している危険な状態であり、長続きしません。
企業の「配当性向(利益のうち何%を配当に回したか)」を確認し、100%を大幅に超えている場合は注意が必要です。
対策は「長期的な視点」と「分散投資」
これらのリスクを避けるためには、配当だけを目当てに短期売買するのではなく、その企業の将来性も評価して長期的に保有することが大切です。また、一つの銘柄に集中投資せず、複数の銘柄に分けて投資する「分散投資」を心がけましょう。
4.高配当銘柄の探し方(スクリーニング)

今回ご紹介した銘柄以外にも、魅力的な高配当株はたくさんあります。
証券会社のウェブサイトやツールが提供する「スクリーニング機能」を使えば、自分で条件を設定して銘柄を探すことができます。
スクリーニング条件の例
- 決算月: 9月
- 市場: プライム
- 配当利回り(予想): 3.5%以上
- 自己資本比率: 40%以上(財務の健全性をチェック)
- 配当性向: 80%以下(タコ足配当を避ける)
これらの条件で検索するだけでも、候補となる銘柄を効率的に絞り込むことができます。
まとめ
今回は、9月の高配当株投資をテーマに、配当金をもらうための基礎知識から、おすすめ銘柄、注意点までを網羅的に解説しました。
本記事のポイント
- 配当をもらうには「権利付最終日」までに株を保有することが必須。
- おすすめ銘柄は安定性と成長性のバランスで選ぶ。
- 「権利落ち」「減配」などのリスクも理解しておくことが重要。
- 長期・分散投資が成功のカギ。
高配当株投資は、定期的なインカムゲイン(配当収入)が期待でき、資産形成の強力な味方になります。
まずは少額からでも、今回ご紹介した銘柄などを参考に、高配当株投資の世界に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
本ブログでは銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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