NTTデータの株価が急落した理由は?「リバランス売り」を絶好の投資機会に変える方法

NTTデータ 株価急落 理由 個別銘柄分析

2025年7月3日、株式市場はNTTデータグループ(銘柄コード: 9613)の株価に注目が集まりました。

ここ数週間、親会社であるNTTによるTOB(株式公開買付け)価格である4,000円近辺で穏やかに推移していた株価が、突如として急落したのです。

個人投資家にとって、このような出来高を伴う急落は、

なぜ7/3にNTTデータの株価が急落したのか?

なぜTOBされたのに出来高をつけて株価が急落するのか?

皆さんもこのように思われたかと思います!

しかし、結論から言えば、この株価下落はNTTデータグループの企業価値が下がるような悪材料が出たわけでは全くありません。

むしろ、その裏側にある市場のメカニズムを理解している投資家にとっては、極めてリスクが低く、予測可能で、魅力的な投資機会が生まれていたのです。

本稿では、この一連の出来事の背景を徹底的に解剖し、なぜ株価が下落したのか、そしてこの「リバランス売り」という現象をどのようにして絶好の投資機会に変えることができたのかを、専門家の視点から詳しく解説していきます。

この記事で分かること!
・なぜTOBされたのにNTTデータの株価が急落したのか?
・リバランス売りでいつ買い時かが分かったのか?
・リバランス売りとTOBでリスクゼロで利益を出す手順

結論

NTTデータの株価が急落した理由は、NTTデータが日経225指数(Nikkei 225)から除外されたことが原因と考えられます。

これにより、指数を追跡するファンドが保有株を売却する必要が生じ、株価に下落圧力をかけと考えられます。

また、この売りは市場に影響がないため7/3の引け時に行われました。

1. 今回の株価急落が起きた理由と過程

今回のNTTデータグループの株価急落は、一直線に繋がった3つの出来事の結果として生じました。

この因果関係を時系列で追うことで、現象の本質が明確になります。

1.1 根本原因 – 親会社NTTによるTOB発表

全ての始まりは、親会社NTTがNTTデータを完全子会社化し、上場廃止を目指すためにTOB(株式公開買付け)を発表したことでした。

買付価格は1株4,000円。この「上場廃止」というゴールが、後の全ての出来事を引き起こす引き金となりました。

2.2 日経平均株価からの除外

TOBが成功し、上場廃止が確実になると、NTTデータを日経平均株価の構成銘柄から除外することを発表しました。

  • 発表:
    • TOB成立が発表されたのと同日の2025年6月20日、日本経済新聞社は日経平均株価の「臨時銘柄入れ替え」を発表しました。
    • NTTデータグループ(9613)を除外し、新たにローム(6963)を採用するという内容です。
  • 実施日:
    • この入れ替えの実施日は2025年7月4日と定められました。
    • なぜなら、指数に連動するファンドは、この日の前営業日、すなわち7月3日中にポートフォリオの調整を完了させなければならないからです。  
  • 理由:
    • 「TOB成立により、上場廃止の可能性が極めて高くなったため」とされています。

3.3 リバランス売り

日経平均株価などの指数に連動する投資信託(インデックスファンド)は、指数の構成銘柄が変わる前日(7月3日)にポートフォリオを調整(リバランス)する必要があります。

つまり、除外されるNTTデータ株を機械的に、大量に、一斉に売却しなければなりません。

この巨大な売り圧力が、株価を一時的に押し下げたのです。

参照:https://kabutan.jp/stock/?code=9613

TOBとリバランス売りでの利益を出す方法

この状況を理解した上で、どのような投資戦略が考えられたのでしょうか。

それは「TOBアービトラージ」と呼ばれる、極めてリスクの低い手法です。

TOBアービトラージ

アービトラージ(裁定取引)とは、同一の価値を持つ資産の価格差を利用して利益を得る、低リスクな投資手法です 。

今回のケースに当てはめると、戦略は非常にシンプルです。  

  1. リバランス売りによって一時的に割安になったNTTデータ株を市場で買う(例:3,931円)。
  2. 上場廃止後、会社が残りの全株式を強制的に取得する「スクイーズアウト」が行われるまで待つ。
  3. 最終的に1株あたり4,000円の現金を受け取る。

この差額が、ほぼ確定的な利益となります。

数字で見る投資機会

この投資機会の魅力を具体的な数字で示すと、以下のようになります。

指標投資家にとっての意味
最終的な買取価格4,000円上場廃止後に受け取ることが保証されている1株あたりの現金 。  
市場価格(7月3日終値)3,931円リバランス売りによって生じた割安な購入価格 。  
潜在的なグロス利益69円 / 株1株あたりに見込める明確で計算可能な利益 (4,000 – 3,931)。
潜在的なグロスリターン約1.75%比較的短期間の保有で得られる、非常に魅力的な低リスク・リターン。
主なリスク要因時間利益を得られないリスクではなく、現金化までに数ヶ月の時間がかかるという「時間的拘束」が主なリスク。

個人投資家のための売買方法

では、実際に個人投資家がこの機会を活かすには、どのような手順を踏めばよかったのでしょうか。

Step 1:調査 – いつリバランス売りがされるのか

まず7月3日にリバランス売りがあるといった情報を仕入れとかないといけません。

そのため十分に調査しておかないといけませんね!

そして、7月3日にリバランス売りがされるといった情報がわかったら何時に売られるのかを監視しておく必要があります。 

Step 2:株式購入 – NTTデータの株を買う

リバランス売りされたらすぐに買うことです。

今回はTOB価格4000円と決まっているため株価が下がっても4000円までに戻ることは確実なので躊躇なく買うことが大事です。

今回は7/3の引けでリバランス売りが実行されました。

そのため、買い注文を引け時の成行買いを行うことで最安値で買うことができました。

Step 3:株を売る – NTTデータの株を売って現金化

7/4以降にはNTTが4000円になるようにNTTデータの株を買うので4000円の近くまで上がったタイミングで売って利益を出すことができます!

まとめ

事前にリバランス売りがあることを知っておくために日々情報を仕入れておく必要があります!

また、指数銘柄のTOBがあったらこのことを意識しておく必要もありますね!

また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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