SUMCO<3436>は、半導体シリコンウェハーの製造で世界的なシェアを持つ企業です。
しかし、2023年8月の日銀利上げショックを皮切りに株価は大幅に下落し、年初来安値を更新しました。
本記事では、SUMCOの株価がなぜこれほど下落しているのか、その背景や要因を解説し、今後の株価動向を予想します。
結論
SUMCO<3436>が年初来安値を更新!
・2023年11月8日に発表された第3四半期累計(1月~9月)の連結経常利益は、前年同期比59.4%減の260億円と大幅な減少
・通期業績予想では、連結経常利益が前期比54.6%減の330億円と予想
・25年度、26年度の利益が大幅に下がる見通し
・モルガン・スタンレーMUFG証券は、目標株価も2,800円から2,000円へ引き下げ
上記のことから、株価は500~1000円くらいまでは下がりそう
1. 事業内容
株式会社SUMCO(サムコ)は、半導体用シリコンウェーハの製造・販売を専門とする企業です。
1999年に住友金属工業と三菱マテリアルのシリコンウェーハ事業を統合して設立され、その後コマツ系も合流しました。
SUMCOは、半導体デバイスの基盤となる高品質なシリコンウェーハを提供しており、世界的なシェアを持つリーディングカンパニーとして知られています。
2. SUMCO株価下落の主な理由
理由① 2024年12月期第2四半期決算で業績悪化が明らかに
2023年8月7日、SUMCOは2024年12月期第2四半期累計(1月~6月)の連結決算を発表しました。
この内容が市場にネガティブ視され、株価下落の一因となりました。
発表された業績のポイント:
- 売上高:前年同期比10.1%減の1,982億7,300万円
- 経常利益:前年同期比57.9%減の204億4,100万円
- 7~9月期の経常利益見通し:前年同期比で大幅減益の約50億円
また、1~9月期累計の業績予想でも以下のような減少が見込まれました。
- 売上高:前年同期比7.1%減の2,982億円
- 経常利益:同60.3%減の254億円
主力製品である300ミリメートルのシリコンウェハーでは、在庫調整の長期化が懸念され、200ミリメートル製品についても生産調整が続くと見られています。
このように、業績悪化が長期化する可能性が示唆されたことが株価下落につながりました。
参照:https://kabutan.jp/stock/news?code=3436&b=k202408070149
理由② 証券会社の投資判断引き下げ
2023年9月末、モルガン・スタンレーMUFG証券は、SUMCOに対する投資判断を「オーバーウェイト」から「イコールウェイト」に格下げしました。
また、目標株価も2,800円から2,000円へ引き下げています。
投資判断引き下げの背景:
- 減価償却費の大幅増加:グリーンフィールド投資(新規設備投資)の影響
- 円高進行の影響:収益構造にマイナス影響を及ぼす
- 利益予想の大幅減額:
- 2025年度経常利益予想を840億円から390億円へ引き下げ
- 2026年度経常利益予想を1,130億円から700億円へ引き下げ
これらの下方修正が、将来的な収益力への懸念を高め、投資家心理を悪化させました。
参照:https://kabutan.jp/stock/news?code=3436&b=n202408081187
理由③ 2024年12月期第3四半期決算と配当減額
2023年11月8日に発表された第3四半期累計(1月~9月)の連結経常利益は、前年同期比59.4%減の260億円と大幅な減少を示しました。
さらに、非開示だった通期業績予想では、連結経常利益が前期比54.6%減の330億円と予想されています。
第4四半期(10月~12月)の見通し:
- 連結経常利益:前年同期比19.0%減の69.9億円
また、年間配当については以下の通り大幅に減額されました。
- 今期配当:21円(前期は55円)
このような業績悪化と配当減額は、株価下落にさらなる拍車をかけました。
参照:https://kabutan.jp/stock/news?code=3436&b=k202411080357
理由④ 半導体関連株全体の軟調な動き
SUMCOの株価下落は、業績や評価の問題だけでなく、半導体関連株全体の軟調な動きにも影響されています。
半導体需要の停滞や在庫調整が長期化していることで、業界全体が厳しい状況に直面していることが背景にあります。
3. SUMCOの株価はどこまで下がるのか?
現在の目標株価と市場評価
- モルガン・スタンレーMUFG証券の目標株価:2,000円
- 現在の市場価格:年初来安値を更新中
市場環境や業績悪化を考慮すると、短期的にはさらに下値を探る展開が予想されます。
株価下落の底値を予測
現在、シンプルに製品が売れておらず、回復見込みも弱いため株価が下がっているので、しっかと製品が売れ始めて業績が回復する見込みが出ない限りは株価が下がっていくでしょう。
また、現金をあまり持っていないことと、借金も増えていることから投資家的にも印象は良くないです。
上記はSUMCOの月足のチャートとなります。
チャート分析的には1000円が一時の支持線になり、そこらへんで横ばいチャートになるかと思います。
しかし、1000円を下にブレイクするようであれば500円付近までは下がると思われます。
半導体は今後も需要は拡大していくとは思うので、株価が落ち着いて、業績が回復する見込みが見えればエントリーチャンスかもしれませんので、注目しておきましょう!
まとめ:SUMCO株は今後どうなる?
SUMCO<3436>の株価は、日銀の利上げショック、業績悪化、投資判断の格下げ、半導体業界全体の低迷など、複数の要因が重なり大幅に下落しています。
今後の株価回復には、業績改善や市場環境の変化が必要です。
短期的には下値圏での推移が続く可能性がありますが、中長期的な視点では、半導体需要回復が株価の反転をもたらす可能性もあります。
投資を検討する際は、最新の市場情報や業績発表を注視しながら、リスクとリターンを慎重に評価することが重要です。
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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