【銘柄分析】三菱重工業(7011)を図解で解説!今後の株価・配当の見通しはどうなる?

三菱重工 個別銘柄分析

三菱重工業(7011)の分析まとめ

総合重機最大手
・業績・株価ともに良好
・株価が伸びている理由は、受注高が前年比48%も伸びているから
 →しかし、2024年度の受注高は前年比13.2%減

・配当金も微増を続けている

三菱重工業(7011)銘柄情報

それでは三菱重工業(7011)の情報を見ていきましょう!

三菱重工業(7011)の事業内容

タービン、航空、防衛、造船手がける総合重機最大手

三菱重工業(7011)は、エネルギー、航空・防衛、プラントなど多岐にわたる分野で活躍している世界的な重工業メーカーです。

2025年3月期第1四半期の決算においては、売上や利益の大幅な成長が確認されており、特に航空・宇宙・造船・防衛産業に注力しています。

三菱重工の株を買うのであれば重工業大手3社「三菱重工、IHI、川崎重工」それぞれの強みぐらいは知っておきたいですね。

三菱重工業は以下の4つの主要セグメントを展開しています:

  • エナジー: 火力発電システム、原子力発電システム、航空機用エンジンなど。再生可能エネルギーへのシフトも進んでおり、GX(Green Transformation)セグメントが新たに設立されました。
  • プラント・インフラ: 環境設備やエンジニアリング事業を含み、特にグリーンエネルギーへのシフトが加速。
  • 物流・冷熱・ドライブシステム: 物流機器や冷熱製品、ターボチャージャーなど。
  • 航空・防衛・宇宙: 民間航空機や防衛装備、宇宙機器など、政府との契約が多い分野。

セクター別売上高

参照:https://www.mhi.com/jp/finance/finance/performance/fy20241q/segment/

エナジー事業が主力
三菱重工では防衛や重機といったことが先行して思われていそうですが、メインはエネルギーを提供する会社となっています。中でも火力発電に強みを持つことで有名です。

しかしながら、エナジー事業以外の事業も安定しており、バランスの良いセクターとなっています。物流・冷熱・ドライブシステムが伸びてきており、注目ポイントでもあります。

地域別売上高

参照:https://www.mhi.com/jp/finance/finance/region

海外売上高比率は約6割
主力は日本ですが、様々な国に対しても売上を上げている状況となっています。エネルギー関連は世界規模で重要な事業なので今後も海外売上比率を上げてきそうですね。

三菱重工業(7011)の業績

売上収益の推移

売上は好調・収益は回復中!
2020年3月期のコロナの頃に赤字を計上してからV字回復し、2024年3月期には最高益である3,150億円の経常利益となり、さらに今期も増益予想となっています。

しかしながら、売上もじわじわ伸びていますが、現在三菱重工の株価が急上昇している理由にするには難しいです。

ではなぜ現在株価が上昇しているのかと言うと、「受注高」です。
株価が伸びているのは単純に業績が良かったからというだけではなく、受注高が48%も伸びていることも影響していると思います。

2023年度に関しては受注高が6兆円を超えたということです。
売上が約4.6兆円なのに対し、受注高が6兆円あり、今後売上が伸びていくことが期待される決算となっているわけです。

逆を返せば、来年以降の受注高が減ってきだしたら株価も落下してくるので決算には注意しておきましょう。とはいえ業績は悪くはないので落下したらバーゲンセールだと思って買うものありだと思います。

三菱重工業(7011)の財務状況

財務状況は少し注意だが問題はない
三菱重工業の財務状況は安定しています。2025年3月期第1四半期では、総資産が6兆6,580億円、親会社所有者に帰属する持分が2兆3,342億円と健全な財務体質を維持しています​。

負債の増加はありますが、エネルギー分野の積極投資やグリーンエネルギーへの移行が将来的なリターンを生むと考えられます。
特に流動資産が増加しており、棚卸資産の増加や現金同等物の増加がキャッシュフローの安定性を示しています。

直近のROE・ROAは安定
ROEは8%以上が目安、ROAは5%以上が一般的な目安となりますが、三菱重工は問題はない数値となっています。

三菱重工業(7011)の株価

株価:2,225円
PER:32.5倍
PBR:3.21倍
配当金:22円(年)
配当利回り:0.99%
配当性向:30%
時価総額:7兆5,081億円
※2024/10/5のデータ

株価急上昇中!
上記は三菱重工業(7011)の月足のチャートとなります。
受注高の良さに伴い株価も2023年から上昇を続けています。また、2024/3に株式分割で10分割したこともあり買いやすくもなったことから株価上昇を押し上げた理由なのかなと思います。

問題は、この株価・業績がどこまで続くかということです。
受注高に関しては、2023年度が非常に調子が良かったのですが、2024年度ではそこから13.2%減となっています。
しかしながら、23年度の受注を24年度に全て消化しきれるわけではないようなので25年度以降もある程度の好業績が続くということは安心材料としてはあるかと思います。

テクニカル分析的には2500円付近で一旦天井な気もしますが、ブレイクするほど勢いがあると思えば買いです。しかし、次の決算で受注高が注目ポイントとなり、減少した場合投資家には悪印象のため下がる可能性も多くあります。そのため、今からの長期投資は少し控えた方が良いかもしれません。

三菱重工業(7011)の配当金の推移

参照:https://kabuyoho.jp/reportDps?bcode=7011

なんだかんだで増配
三菱重工業の2025年3月期の年間配当予想は22円であり、現時点での配当利回りは約2.2%と堅実です。
また、配当性向30%以上の安定を目指しており、還元意識が高く、安定的な配当政策を継続していることが分かります。

また、配当性向は過去の利益成長に応じて緩やかに上昇しており、今後も安定した配当が期待されます。

まとめ

業績・株価ともに良好

三菱重工業は、エネルギーと防衛分野での強化を進めつつ、再生可能エネルギーやグリーン技術の分野でも先端を走っています。

今後の市場拡大が予想される分野での事業展開が進んでおり、中長期的な成長が見込まれる企業です。財務状況も安定しており、株価や配当利回りにおいても魅力的な水準を維持しているため、株式投資家にとって注目の銘柄となるでしょう。

また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/

以上