SUMCOの株価が上昇した理由は?今後の株価を予想!

SUMCO 株価 上昇 理由 個別銘柄分析

「最近、SUMCO(サムコ)の株価が大きく上がっているけど、何が原因なの?」

「半導体関連のニュースはよく聞くけど、SUMCOの将来性ってどうなんだろう?」

株式投資をしていると、特定の銘柄が急に注目を集める場面に出会いますよね。

半導体材料の大手メーカーであるSUMCO(銘柄コード:3436)も、まさに今、多くの投資家から熱い視線を注がれている企業の一つです。

一時は業績の悪化から株価が低迷していましたが、ここにきて力強い上昇トレンドを描き始めています。

この記事を読めば、SUMCOの株価が動いている背景から、今後の投資戦略を考える上での重要なポイントまで、しっかりと理解できるはずです!

1. なぜSUMCOの株価が上昇したのか?4つの理由

それでは、本題である株価上昇の理由を見ていきましょう。

一時の低迷から一転、SUMCOの株価が力強く反発した背景には、主に4つの理由が考えられます。

理由①:証券会社の強気な評価(レーティング引き上げ)

個人投資家にとって、証券会社のアナリストが発表するレポートは、企業の将来性を判断する上での重要な参考資料になります。

最近、SUMCOに対する評価を大きく引き上げる動きがありました。

SUMCO—大幅反発、ウエハ需要回復確度高まったと判断し国内証券が格上げ 野村證券では投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げ、目標株価も1100円から2100円にまで引き上げ。
マイクロンの決算などから、半導体メモリ需要が想定以上に好調であることが確認できたとし、26年12月期に向けてのウエハ需要回復の確度が高まったと判断しているもよう。

これは非常にポジティブなニュースです。ポイントを要約すると、

  • 投資判断を「買い(バイ)」に引き上げ
    • 今後の株価上昇を強く期待している証拠です。
  • 目標株価をほぼ2倍に
    • 1100円から2100円という大幅な引き上げは、アナリストの強い自信の表れです。
  • 根拠は「半導体メモリ需要の回復」
    • 米国の半導体大手マイクロンの好調な決算を受け、「半導体市場の底打ちは近い」との見方が強まりました。

半導体業界には「シリコンサイクル」と呼ばれる好況・不況の波があります。

現在は調整局面にありますが、AI(人工知能)やデータセンター向けの需要が市場を牽引し、「2025年以降、本格的な回復サイクルに入る」という期待感が、今回のレーティング引き上げにつながったのです。

参照:https://kabutan.jp/stock/news?code=3436&b=n202509290393

理由②:業績悪化と株価下落の「底打ち感」

株価は、不思議なもので「悪いニュースが出尽くした」と判断された時点から上昇に転じることがあります。これを「底打ち」と言います。

SUMCOの株価は、2024年に入ってから業績悪化を背景に下落トレンドが続いていました。

しかし、株価が一定の水準まで下がると、「これ以上は下がらないだろう」「むしろ、ここから回復する可能性の方が高い」と考える投資家が増え始めます。

そこに理由①で挙げたようなポジティブな将来予測(アナリストのレポート)が加わったことで、「最悪期は脱した」との見方が市場に広がり、安値で仕込みたい投資家の買いが集まったと考えられます。

理由③:半導体関連株への追い風(セクター全体のトレンド)

株式市場では、特定のテーマや業種(セクター)に関連する銘柄群が、一斉に買われることがあります。

2024年後半から、AI市場の拡大期待などを背景に、世界の半導体関連株は力強い上昇トレンドを描いています。

米国のエヌビディアや日本の東京エレクトロンといったリーダー企業の株価が上昇すると、その恩恵がサプライヤーであるSUMCOのような企業にも波及します。

SUMCO自身の個別の好材料だけでなく、半導体セクター全体に吹いている追い風が、株価を押し上げる大きな要因となったのです。

補足:これまで株価が下落した理由

現在の株価上昇を理解するためには、なぜ以前は株価が下落していたのかを知ることも重要です。

  • 理由① 業績の悪化
    • 2024年12月期の決算で、売上・利益ともに前期を下回る見通しが示され、業績の停滞が懸念されました。
  • 理由② 証券会社の投資判断引き下げ
    • 2023年後半には、一部の証券会社が投資判断を引き下げ、将来への不透明感が広がりました。
    • 目標株価を2,800円から2,000円へ引き下げ。
  • 理由③ 配当の減額
    • 業績悪化に伴い、株主への配当金が減額されたことも、投資家の売りを誘う一因となりました。
  • 理由④ 半導体市況の軟調な動き
    • 世界的なインフレや金利上昇を受け、パソコンやスマートフォンの需要が一時的に落ち込み、半導体業界全体が調整局面に入っていました。

これらのネガティブな要因が株価に織り込まれ、下落が続いていましたが、前述の通り、市場の目線が「現在」から「未来の回復」へと移ったことで、トレンドが大きく転換したのです。

2. SUMCO(サムコ)ってどんな会社?

まず、SUMCOがどのような事業を行っている会社なのか、簡単にご紹介します。

SUMCOは、半導体シリコンウェーハの製造・販売で世界トップクラスのシェアを誇る日本のメーカーです。

「シリコンウェーハ」とはパソコンやスマートフォン、自動車、データセンターなど、私たちの生活に欠かせないあらゆる電子機器に搭載されている半導体チップの基板となる材料です。

薄い円盤状のシリコン(ケイ素)の板で、この上に電子回路を焼き付けることで、あの小さな半導体チップが作られます。

つまり、SUMCOは「半導体産業の根幹を支える、黒子のような存在」と言えるでしょう。

半導体そのものを作るわけではありませんが、高品質なシリコンウェーハなくして高性能な半導体は生まれません。

そのため、SUMCOの業績は、世界の半導体市場の動向と非常に密接な関係にあります。

3. 今後の株価を考察【ファンダメンタル・テクニカル分析】

では、SUMCOの株価は今後どうなっていくのでしょうか?

ここでは、「ファンダメンタル分析」と「テクニカル分析」という2つの視点から、今後の展開を予想してみます。

ファンダメンタル分析

ファンダメンタル分析とは、企業の業績や財務状況、市場の成長性などから、株価の将来性を分析する手法です。

  • 市場の成長性(◎)
    • 短期的には調整局面ですが、中長期的には半導体市場の成長は非常に有望です。
    • アナリストからは25年12月期の営業利益10億円予想に対し、26年12月期は155億円を予想もされています。
    • そのため、25年12月期で業績が底打ちすれば業績面でも投資家の信用にもなるでしょう。
  • 財務の健全性(〇)
    • 自己資本比率(総資産に占める純資産の割合)は50%前後と、製造業としては健全な水準を保っています。
    • これは、多少の業績悪化では揺らがない安定した経営基盤を持っていることを示しています。
    • ただし、現在は大規模な設備投資を行っているため、フリーキャッシュフローがマイナスになっており、投資が着実に実を結ぶかどうかが今後の鍵となります。
  • 収益性(△ → 〇)
    • 2024年時点では減益予想と、収益性は一時的に悪化しています。
    • しかし、市場のコンセンサスは「2025年から回復に向かう」というものです。
    • 野村證券のレポートでは、2026年12月期の営業利益が大幅に回復すると予想されており、このシナリオ通りに進めば、株価には大きな上昇余地があると考えられます。

【ファンダメンタル分析の結論】

現在の業績は厳しいものの、将来の半導体市場の大きな成長性を考えれば、中長期的なポテンシャルは非常に高いと評価できます。

まさに「未来を買う」タイプの銘柄と言えるでしょう。

しかしながら、2026年12月期の業績予想が回復していないのであれば、再度株価は下落する可能性が高いので決算日は注意した方がいいでしょう!

テクニカル分析

テクニカル分析とは、過去の株価チャートの動きから、将来の値動きを予測する手法です。

  • 移動平均線(〇)
    • 株価チャートを見ると、短期(5日や25日)の移動平均線が、長期(75日)の移動平均線を下から上に突き抜ける「ゴールデンクロス」が7月に形成され、上昇トレンドが継続しています。
  • 出来高(◎)
    • 株価が上昇している局面で、出来高(売買された株数)が急増しています。
    • これは、多くの投資家が「この上昇は本物だ」と判断し、積極的に売買に参加している証拠です。
    • 力強いトレンドが形成されていることを示唆しています。
  • 上値のメド
    • 当面は、直近の高値である1,800円付近が意識されます。
    • この価格帯を明確に超えてくると、次は心理的な節目である2,000円、さらにその先には過去の高値である2,500円などが視野に入ってきます。

【テクニカル分析の結論】

チャートの形は、明確な上昇トレンドへの転換を示しています。

出来高も伴っており、トレンドの信頼性は高いと考えられます。

短期的には過熱感から調整する場面もあるかもしれませんが、基調としては上向きの展開が期待できそうです。

参照:https://kabutan.jp/stock/chart?code=3436

4. まとめ:SUMCOは今が買い時か?

最後に、本記事の要点をまとめます。

  • SUMCOの株価上昇は、半導体市場の「未来の回復」を織り込んだもの。
  • 証券会社が目標株価を大幅に引き上げるなど、プロからの評価も高い。
  • ファンダメンタル(中長期的)には大きな成長ポテンシャルを秘めている。
  • テクニカル(短期的)にも力強い上昇トレンドが形成されている。

これらの点を総合的に判断すると、SUMCOは非常に魅力的な投資対象の一つと言えるでしょう。

ただし、投資にリスクはつきものです。期待通りに半導体市況が回復しない可能性や、世界経済の動向によっては、再び株価が調整する局面も考えられます!

また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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