今回注目するのは、マネーフォワードMEのアプリを運営するマネーフォワード<3994>について分析します。
同社は1月14日に発表された第4四半期の決算が市場の期待を下回る評価を受けたことで大きな注目が集まりました。
本記事では、マネーフォワード<3994>の株価暴落の背景を解説するとともに、今後の業績や株価の見通しについて詳しく考察します。
結論
マネーフォワードの株価が大幅下落
・24年11月期の決算を発表、営業損益は47.4億円の赤字
→黒字化予想を裏切る形に…
・広告宣伝費の増加が懸念
・新株予約権や譲渡制限付株式報酬の新株式発行
→希薄化の懸念
・長期的にはマネフォ株を買うメリットはない!
1. 会社情報
マネーフォワード(3994)は、SaaS(Software as a Service)を活用した中小企業向けの業務ソフトや、決済などのフィンテック事業を中心に展開している企業です。
また、個人向けの資産管理アプリも提供しており、幅広い顧客層にサービスを展開しています。
セクター別売上割合は以下の通りです:
- Business(法人向け):73%
- Home(個人向けアプリ):13%
- 金融機関向け:8%
- Finance(金融ソリューション開発):5%
このように、同社の主力事業は法人向けサービスであり、収益の大部分を占めています。
2. なぜマネーフォワードの株価は下がっているのか?
2.1 赤字継続の発表
2025年1月14日の取引終了後、マネーフォワードは2025年11月期の連結業績予想を発表しました。
- 売上高:500億〜526億円(前期比23.9〜30.3%増)
- 営業損益:47億円の赤字(前期は47.35億円の赤字)
これにより、赤字継続の見通しが明らかになりました。
このニュースを受け、翌日の株価はストップ安となりました。
2.2 配当予想の無配と新株発行
配当予想も引き続き「無配」とされており、株主還元に対する期待を大きく裏切る形となっています。
また、同時に発表された新株予約権や譲渡制限付株式報酬の新株式発行も、市場には希薄化の懸念を生じさせる要因となりました。
2.3 市場コンセンサスとの乖離
市場では黒字転換が期待されていましたが、実際には赤字継続が予想されたことで、ネガティブなインパクトを与えました。
同社は広告宣伝費の増加などを理由に挙げていますが、これに対して市場は厳しい視線を向けています。
参照:マネフォ 決算
3. 今後の株価を考察
3.1 ファンダメンタル分析
マネーフォワードは上場以来、一度も黒字経営を達成していません。
売上高は順調に伸びているものの、赤字が続く主な原因は以下の通りです:
- 販管費・一般管理費の増加:特にテレビCMや広告宣伝費が高水準にあるため。
- 将来への投資:広告費の増加は市場拡大のための投資とされていますが、8年以上赤字が続く経営は株主から批判されています。
さらに、同社は配当を行っておらず、株主還元の意識が低い点も投資家にとってマイナスポイントです。
そのため、現時点では長期的な投資先としての魅力は薄いと考えられます。
買い時のポイント
- 黒字転換の兆しが見える時
- 広告宣伝費が抑制され、経営効率が改善された時
3.2 テクニカル分析
決算発表後、株価は暴落し、大幅な下落トレンドに突入しました。
このような状況では短期的な値動きが激しくなる可能性があります。
- 短期トレード:デイトレーダーによる短期的な乱高下が予想されるため、短期売買には適している銘柄と言えます。
- 中長期の見通し:株価は下落傾向が続くと予想されます。下値抵抗線として3000円付近が意識されますが、これを割ると2000円台まで下落する可能性も考えられます。
戦略の提案
- 短期投資:乱高下を利用したデイトレード。
- 空売り戦略:3000円を割り込んだ場合、さらなる下落を狙った空売りが有効。
参照:https://kabutan.jp/stock/chart?code=3994
4. まとめ
マネーフォワードの株価が下落した主な理由は、赤字継続と配当の無配、新株発行による希薄化懸念です。
また、期待されていた黒字転換が実現しなかったことで、市場の失望を招きました。
現時点では、同社の株式を長期的に保有するメリットは少ないと考えられます。
ただし、短期的な値動きを狙うトレードや、下落局面での空売りにはチャンスがあるかもしれません。
今後、黒字転換や経営効率の改善が見られた際には、再評価の余地があるでしょう。
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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