大規模自社株買いを発表した銘柄一覧!【ドトル日レス・スルガ銀行・SANKYO・SGHD・日本郵船】#3

自社株買い 銘柄一覧 個別銘柄分析

2025年5月の決算シーズンで企業の株主還元策として注目を集めているのが「自社株買い」です。

中でも、今回紹介する5社(ドトル日レススルガ銀行SANKYOSGホールディングス日本郵船)は、決算発表とあわせて“大規模”の自社株買いを発表し、市場で大きな話題となりました。

この記事では、各社の自社株買いの内容、株価へのインパクト、そして今後の理論株価まで詳しく解説します。株式投資家にとっては見逃せない注目材料となっています。

【結論】自社株買いは“需給改善”という現実的な株価上昇材料!

とくに今回紹介した企業のように「上場株数の5%以上」を買い戻すケースは、需給バランスに直接インパクトを与えるため、短中期的な株価上昇が見込まれます。

今後の株式投資において、自社株買いは“最も分かりやすい株価上昇材料”のひとつとして、ぜひチェックしておきたい指標です。


自社株買いとは?なぜ株価が上がるのか?

まず簡単に「自社株買い」についておさらいしておきましょう。

自社株買いとは、企業が市場から自社の株式を買い戻す行為です。

主な目的は以下のとおりです。

  • 発行済株式数が減ることで1株あたりの価値(EPS)が向上
  • 株主還元としての意味合い
  • 株価の下支えや上昇期待

特に、市場価格に対して買い付けの金額や株数が大きい場合、「需給が改善」され、株価は上昇しやすくなります。では、今回の5社の発表内容を順に見ていきましょう。

ドトール・日レスホールディングス(3087)

発表内容と概要

  • 取得総額上限:50億円
  • 取得株数上限:350万株(発行済株式の7.98%)
  • 取得期間:2025年4月15日~2025年10月14日
  • 現在株価:2,667円

理論上、株価2,667円で50億円を使い切る場合、約1,875,140株の取得が可能です(50億 ÷ 2,667円)。

ただし、会社側は350万株を上限としているため、株価がこの水準であればフルに買い付けることは難しく、全額使用はしないと見られます。

理論株価と上昇見込み

仮に発行済株式の7.98%が減少する場合、理論上のEPS向上効果から株価は最大で約8.67%上昇する可能性があります。

理論株価上昇後:2,667円 × (1 + 7.98%) ≒ 2,879円

予想

業績も良く、割高感もないので2800円までは株価が上昇する見込みはありますね!

しかしながら、2700円が上値抵抗線となっているためブレイク待ちで保有しておくのも面白いかもしれません。

参照:https://kabutan.jp/stock/chart?code=3087


スルガ銀行(8358)

発表内容と概要

  • 取得総額上限:150億円
  • 取得株数上限:1,250万株(発行済株式の6.80%)
  • 取得期間:2025年5月13日~2026年1月31日
  • 現在株価:1,259円

株価1,259円であれば、150億円で買える株数は約11,914,212株。

これは上限である1,250万株を下回るため、理論的にはフルで取得可能です。

理論株価と上昇見込み

発行済株式数の6.8%が減少すると、株価は約7.30%上昇すると予想されます。

理論株価上昇後:1,259円 × (1 + 6.8%) ≒ 1,345円

また、公開買付(TOB)も含まれているため、短期的に需給が改善されやすく、相場に与えるインパクトは強いでしょう。

予想

こちらは自社株買いをフルでできそうな銘柄でもあるので下落しても企業からの買いが入りそうなため下値が堅いと思います。

また、銀行株の業績は良くなっているため、ファンダメンタル面でも買いのため中長期的には上昇する見込みがありそうです!

参照:https://kabutan.jp/stock/chart?code=8358


SANKYO(6417)

発表内容と概要

  • 取得総額上限:600億円
  • 取得株数上限:3,000万株(発行済株式の13.66%)
  • 取得期間:2025年5月13日~2026年3月31日
  • 現在株価:2,384.5円

株価ベースで算出すると、600億円÷2,384.5円 ≒ 約25,159,692株。上限の3,000万株には届かないため、資金が先に尽きる形です。

理論株価と上昇見込み

資金を使い切った場合、EPS上昇効果は約11.44%。これにより、株価は理論上約11.44%上昇する可能性があります。

理論株価上昇後:2,384.5円 × (1 + 11.44%) ≒ 2,658円

13.66%という取得比率は極めて大きく、株価へのインパクトも絶大です。今後の株主還元政策にも期待がかかります。

予想

来期の業績見通しは減益なのでファンダメンタル的にはなかなか株価は上がりにくいかもしれませんが、13%の自社株買いのおかげで短中期的には株価が上がるのかなと思います。

しかしながら、長期的には2500円~3000円くらいで横ばいになりそう。

参照:https://kabutan.jp/stock/chart?code=6417


SGホールディングス(9143)

発表内容と概要

  • 取得総額上限:750億円
  • 取得株数上限:5,500万株(発行済株式の8.79%)
  • 取得期間:2025年5月12日~2025年12月31日
  • 現在株価:1,447.5円

取得上限金額750億円で購入できる株数は、750億円÷1,447.5円 ≒ 約51,818,182株。これは上限の5,500万株に非常に近く、計画通りの買付けが可能と見られます。

理論株価と上昇見込み

8.79%の株式が減少すれば、株価は約9.64%上昇が理論的に期待できます。

理論株価上昇後:1,447.5円 × (1 + 8.79%) ≒ 1,575円

SGホールディングスは総還元性向60%以上という中期経営計画を掲げており、株主重視の姿勢が際立っています。

予想

こちらも来期の見通しとしては、営業利益は増益・最終益は減益なので本業だけをみると悪くはないのですが、最高益からみると全然減益なのでファンダメンタル的には良くないです。

そのため、株価は下降トレンドが続いていますが、この自社株買いのおかげで多少は下値が堅くなるのかなと思います。

1400円を割ったら買って上がったらすぐに売るといった短期的な売買であればよさそう。

参照:https://kabutan.jp/stock/chart?code=9143


日本郵船(9101)

発表内容と概要

  • 取得総額上限:1,500億円
  • 取得株数上限:4,800万株(発行済株式の11.1%)
  • 取得期間:2025年5月9日~2026年4月30日
  • 現在株価:5,274円

1,500億円÷5,274円 ≒ 約28,441,406株の取得が可能。したがって、資金が先に尽きるため、4,800万株の取得には届かないと考えられます。

理論株価と上昇見込み

資金上限ベースの28,441,406株が取得されると、約6.57%の発行済株式数が消却される見込みです。

理論株価上昇後:5,274円 × (1 + 6.57%) ≒ 5,620円

なお、日本郵船はすでに過去に3,300億円もの自己株買いを実施しており、累計での還元額は非常に大きいです。

予想

日本郵船も来期見通しは大幅減益のため単純に株価は下落していきそうです。

しかしながら、こちらも自社株買いが凄いので5000円を割ったら買いでリバウンドの利益をとる手法が良さそうですね。

参照:https://kabutan.jp/stock/chart?code=9101


まとめ:今後注目すべき自社株買い銘柄とは?

2025年春は、大手企業による株価インパクトの大きな自社株買いラッシュとなりました。以下は今回紹介した銘柄と理論上の株価上昇率のまとめです:

銘柄名証券コード自社株買い規模理論株価上昇率
ドトール日レス308750億円(7.98%)約8.67%
スルガ銀行8358150億円(6.80%)約7.30%
SANKYO6417600億円(13.66%)約11.44%
SGホールディングス9143750億円(8.79%)約9.64%
日本郵船91011,500億円(11.1%)約6.57%

今後も資本政策の一環として、自社株買いを発表する企業は増えていくと予想されます。発行済株式の削減割合が大きいほど、理論株価の上昇余地も大きくなるため、投資判断の重要な材料となります。ぜひ、自社株買いを「買いのサイン」として見逃さずにチェックしましょう。

また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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