株式投資の世界では、一般的にポジティブな材料が出ると株価は上昇し、ネガティブな材料が出ると株価は下落すると考えられがちです。しかし、これに逆行する戦略も有効であることがあります。それが「ポジティブな材料を見たら売りを、ネガティブな材料を見たら買い」です。
株式投資での格言でもある通り、「悲観で買って歓喜で売る」は、マーケットが下落して多くの人が悲観や恐れを抱いている時に買って、マーケットが上昇して多くの人が楽観と歓喜に沸いている時に売りなさいという意味です。
この戦略は一見、直感に反するかもしれませんが、実際の市場の動きや投資心理を考慮すると、非常に合理的なアプローチです。
まとめ
・期待や情報がすでに株価に織り込まれていることを考える
・ネガティブな材料に対して一時的な落下か考える
・冷静に状況を分析し、群衆心理に惑わされずに判断を下すことが重要
1.なぜポジティブ材料で売り?
株価に影響を与える「材料」にはどんなものがあるのか?:https://kabumado.jp/zairyo/
期待が織り込まれる
株価はしばしば、未来の予想や期待を反映して動きます。
たとえば、企業が好決算を発表する前に、その期待が株価に反映されていることがあります。投資家は好材料が発表された瞬間に「すでにその情報が株価に織り込まれている」と判断し、売りに転じることがあります。
例:Appleの新製品発表
Appleは新製品の発表を行う際、株価が一時的に上昇することがあります。しかし、発表後にはしばしば利益確定売りが行われ、株価が下落することがあるのです。投資家たちは「新製品発表」というポジティブ材料を前もって予想し、すでに買いに動いていたため、材料が現実化した後に売りを行うのです。
過度な楽観
また、ポジティブなニュースが過剰に期待されると、過大評価された株価が現実に戻ることもあります。これはバブルのような状況を引き起こし、最終的には大きな下落を招くことが少なくありません。
2.ネガティブ材料で買い?
悲観が行き過ぎる
ネガティブなニュースが市場に流れると、多くの投資家がパニックに陥り、株価が急落することがあります。
しかし、しばしばその売りは過剰反応であることが多く、冷静に見ると、その企業や市場全体のファンダメンタルズ(基礎的な経済指標)は健全な場合があります。
例:コロナショック後の株価回復
2020年のコロナショックでは、世界的なパニックが株式市場を襲い、多くの企業の株価が急落しました。
しかし、その後、経済政策やワクチン開発の進展により、短期間で株価は急速に回復しました。
このように、ネガティブな材料に対してパニック売りを行うのではなく、逆に買いを仕掛けることで大きな利益を得ることができるのです。
バリュエーションの調整
ネガティブな材料が出ると、多くの投資家が一斉に売りに出ることがありますが、その株価下落によって割安な価格で優良銘柄を手に入れるチャンスが生まれることがあります。
長期的に見ると、企業の業績が回復し、株価も再び上昇する可能性が高いのです。
3.投資心理と逆張りの重要性
群衆心理に惑わされない
投資家の多くは、他の投資家の行動に影響されやすく、群衆心理に基づいて取引を行うことがあります。市場が好材料に反応して買いが殺到した場合でも、冷静に「すでに材料は織り込まれているのか?」と判断することが重要です。
同様に、悪材料で株価が急落した際には、「この下落は一時的なものではないか?」と冷静に考えることが必要です。
逆張りのメリット
逆張り戦略は、群衆心理に逆らい、市場の過剰反応を利用する手法です。この戦略を成功させるためには、しっかりとしたリサーチと判断が求められますが、長期的には市場の平均以上のリターンを得ることが可能です。
4.注意すべきリスク
本当にネガティブな材料か?
ネガティブな材料が出た際、それが一時的なものなのか、企業や市場全体に深刻な影響を与えるものなのかを判断することが非常に重要です。たとえば、経済全体に大きな影響を与えるリーマンショックのような事象では、逆張りは非常にリスクが高くなる可能性があります。
資金管理の重要性
ポジティブな材料で売り、ネガティブな材料で買う戦略は、投資タイミングの見極めが重要ですが、それ以上に資金管理が鍵となります。全資金を一度に投じるのではなく、少しずつポジションを積み増すことで、リスクを分散させることができます。
5.結論
ポジティブな材料を見たら売り、ネガティブな材料を見たら買うという逆張り戦略は、直感に反するように見えるかもしれませんが、市場の過剰反応を利用することで大きな利益を得ることが可能です。
重要なのは、冷静に状況を分析し、群衆心理に惑わされずに判断を下すことです。また、この戦略を採用する際には、しっかりとしたリサーチとリスク管理を徹底することが必要です。
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以上