さくらインターネット<3778>は2024年10月28日に発表した第2四半期累計(4–9月)連結決算で、大幅増益を記録しました。この決算発表を受けて株価は急騰し、3日続伸するなど注目を集めました。
しかし、その後株価は下落傾向に転じ、11月後半以降は調整局面が続いています。
本記事では、この株価下落の背景、直近の反発理由、そして今後の株価見通しについて詳しく解説します。
結論
さくらインターネット(3778)の株価下落の背景、直近の反発理由
・さくらインターネット<3778>は第2四半期累計(4–9月)連結決算で、大幅増益を記録。
・決算発表前に既に市場は好決算を予測しており、株価はこの期待を織り込み済。
→4500円が適正株価?
・次世代半導体の量産を目指すラピダスとの協業検討が報じられ大幅反発。
株価下落の背景
10月28日に発表された決算は非常に好調なものでした。
具体的には、売上高が前年同期比28.3%増の132億7100万円、営業利益が同5.2倍の12億9500万円、純利益が同4.1倍の7億1000万円となりました。
この結果は、同社が9月20日に修正した業績予想をさらに上回る内容であり、市場から高く評価されました。
それにも関わらず、11月後半から株価が下落し続けている理由として、以下の点が挙げられます:
- 好決算の織り込み済み:決算発表前に既に市場は好決算を予測しており、株価はこの期待を織り込んでいました。
そのため、決算発表直後の上昇は一時的なもので、適正水準と考えられる4500円付近に調整する動きが見られました。 - 新たな材料不足:11月後半以降、目立った新しい材料が出なかったため、買いの手掛かりを失った投資家が多かったと考えられます。
このような状況では、株価が横ばいまたは下落しやすくなります。 - 利益確定売りの増加:好決算発表後に短期的な値上がりを利用して利益確定売りを行う投資家が増えたことも、株価下落の一因と見られます。
12月27日の株価反発の理由
12月27日、さくらインターネットの株価が大幅反発しました。
この背景には、次世代半導体の量産を目指すラピダスとの協業検討が報じられたことが挙げられます。
一部報道によれば、ラピダスは国内AI開発大手のプリファード・ネットワークス、そして国内クラウドサービス大手であるさくらインターネットとの協業を検討しています。
このニュースが好感された理由は以下の通りです:
- データセンター事業の拡大期待:次世代半導体の設計・生産・納入を国内で一貫して行うというプロジェクトは、国内データセンターの重要性をさらに高めるものと考えられます。
さくらインターネットは、クラウドサービスを提供する企業として、このプロジェクトの恩恵を受ける可能性があります。 - 将来性への期待感:ラピダスとの協業により、データセンター需要のさらなる増加や、新たな収益源の確保が期待されています。
このような将来性の高い取り組みは、投資家の関心を引き付けやすい材料です。
ただし、この材料が株価上昇を長期的に支える要因となるかは不透明です。現時点では一時的な反発要因と見るべきでしょう。
参照:https://kabutan.jp/stock/news?code=3778&b=n202412270634
今後の株価予想と買い時のポイント
さくらインターネットの今後の株価動向を予測する上で、業績見通しと市場環境の両面から分析する必要があります。
- 業績の可能性:同社は今期予想で最高益を見込んでいます。
さらに、データセンター需要の増加やラピダス関連の協業が進展すれば、予想を上回る業績を達成する可能性もあります。
3Q(10–12月)決算での上方修正発表があれば、株価上昇のトリガーとなるでしょう。 - テクニカル分析による予測 株価は4500円付近を底値とし、4800円程度までの上昇が期待されます。
ただし、4800–5000円のラインは上値抵抗線として機能しており、この水準を突破するには新たな材料が必要です。
長期的には、5000円の抵抗線を突破すれば、上昇トレンドに転じてさらなる株価上昇が期待されます。
これを踏まえると、現時点での4500円付近は、短期的なリバウンドを狙った買い時と考えられます。 - リスク要因
- ラピダス関連のニュースが期待通りに進展しない場合、株価にマイナスの影響を与える可能性があります。
- データセンター需要の鈍化や競合他社の動向も、業績見通しに影響を与える要因となります。
まとめ
さくらインターネットの株価は、短期的には材料不足により横ばいまたは調整が続く可能性があります。
しかし、長期的には業績拡大や新たな材料によって株価が再び上昇トレンドに入ることが期待されます。
現在の4500円付近の水準は割安感があるため、リスクを取れる投資家にとっては買い時と考えられます。
一方で、上値抵抗線の突破を確認してから投資する戦略も有効です。
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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