なぜ長期金利が上昇しているのか?今後の株価や買い銘柄を分析!

長期金利上昇 株の知識

現在の米国債10年利回り(長期金利)は上昇をしており、4.76%と高い水準の金利状態にあります。

長期金利が上昇する背景には、経済指標や市場の期待感が密接に関連しています。

本記事では、長期金利が上昇している理由、今後の株式市場の展望、そして注目すべき買い銘柄について詳しく解説します。


1. なぜ長期金利が上昇しているのか?

現在の米国経済では、利下げの影響もあってか、力強い成長と堅調な雇用市場が長期金利上昇の主な要因となっています。

以下、具体的に解説します。

現在の米国経済指標が良い

米国経済は強いパフォーマンスを維持しています。

例えば、2023年後半から2024年にかけての雇用統計では、2カ月連続で雇用者数が20万人を超える伸びを記録しました。

これにより、消費活動が活発化し、経済全体が底堅く推移しています。

利下げ期待の後退

良好な経済指標はFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ期待を後退させます。

経済はめちゃくちゃ良いのに株式市場的には利下げ後退は嫌ですね。。

市場では、インフレを抑制するために高金利が長期間維持されるとの見方が強まりました。

その結果、新規発行される債券の利回りが高くなることが見込まれ、既存債券の価格が下落し、長期金利が上昇しています。

インフレ期待の影響

賃金上昇やエネルギー価格の変動によるインフレ懸念も、長期金利上昇の一因です。

市場ではインフレが予想以上に持続する可能性を織り込み、投資家が高金利債券への需要を増やしています。

具体例として、2024年初頭の米国10年債利回りは4.5%を超え、過去数年間で最高水準を記録しました。

このような環境では、長期金利の上昇が経済や株式市場にどのように影響を与えるのかを理解することが重要です。

参照:https://nikkei225jp.com/nasdaq/


2. 今後の株式市場について

長期金利の上昇は、株式市場にさまざまな影響を与えます。

その影響を以下の観点で分析します。

  • セクターごとの影響
    • 成長株(ハイテクなど)への逆風: 長期金利の上昇は、成長株のバリュエーションに直接的な影響を与えます。
      成長株は将来のキャッシュフローを重視するため、割引率が上昇すると理論価値が下がりやすくなります。
    • 金融株への追い風: 銀行や保険会社などの金融セクターは、高金利環境下で利益が拡大しやすい業種です。
  • 市場全体のリスク許容度
    • 高金利環境では、投資家がリスク回避姿勢を強める傾向があります。
    • そのため、安全資産への資金流入が増え、株式市場のボラティリティが高まる可能性があります。
  • 景気後退の可能性
    • 長期金利の急上昇が続くと、企業の借入コストが増加し、設備投資や雇用が抑制される可能性があります。
    • これにより、景気後退リスクが高まり、株式市場全体にマイナスの影響を与えることも考えられます。

現在の株式市場では米国経済のピークが近いと予想しており、景気後退の思惑で株を売っているとうことですね!

一方で、堅調な経済指標が支えとなり、特定のセクターや銘柄には引き続き好調が期待されます。

特に、ディフェンシブ銘柄や配当利回りの高い株式が注目されています。


3. 長期金利上昇・景気後退の時に買いたい銘柄

高金利環境を考慮し、以下のような銘柄やセクターが投資先として注目されます。

  1. 金融セクター
    • JPモルガン(JPM)ゴールドマン・サックス(GS) などの大手銀行は、金利上昇の恩恵を受けやすい銘柄です。
    • 預金金利と貸出金利の差(利ざや)が拡大し、収益が増加する可能性があります。
  2. 公益セクター
    • 電力やガス供給などの公益企業は、安定した収益を維持しやすく、高配当利回りが特徴です。ネクステラ・エナジー(NEE)デューク・エナジー(DUK) などが注目されています。
  3. 高配当株
    • 配当利回りの高い銘柄は、高金利環境下でも投資家に魅力的です。
    • 例えば、AT&T(T)ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ) のような通信セクターの銘柄が挙げられます。
  4. 防衛関連銘柄
    • 政治的な不安定要因が高まる中、防衛関連株は安全資産としての特性があります。
    • 例えば、ロッキード・マーチン(LMT)RTX Corporation(RTX) などが有力です。

4. まとめ

長期金利の上昇は、経済指標や市場の期待に起因し、株式市場に大きな影響を及ぼします。

投資家は、高金利環境下でのセクターごとのリスクと機会を見極めることが重要です。

金融や公益セクター、高配当株、防衛関連銘柄などの選択肢を検討し、分散投資を通じて市場の変動に備えましょう。

また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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