なぜFOMCは利下げしたのに米国株は下がったのか?今後の株価を予想!

FOMC利下げ 投資日記

2024年12月17日から18日にかけて行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)の定例会合では、政策金利が0.25ポイント引き下げられることが決定しました。

しかし、その一方で、NYダウ、NASDAQ、S&P500など主要な米国株指数は大幅に下落しました。

本記事では、なぜFOMCは利下げしたのに米国株は下がったのかを解説し、今後の米国株の動向についても予想します。

結論

株価が下落理由:
FOMCにて来年の利下げ見通しが4回→2回に減ったため
短期投資:
短期間的には買い戻しの動きが予想される
中長期投資:
S&P500指数のPERは25倍前後と、割高感が強い水準にあるため慎重な展開が続くと予想される

FOMC利下げ決定の背景

FOMCでは、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25ポイント引き下げ4.25-4.5%とすることが決定されました。

この措置により、政策金利はピーク時から1ポイント引き下げられ、米国経済における金融環境の緩和が示されました。

パウエルFRB議長は記者会見で、「政策スタンスの景気抑制度合いが弱まった」と述べ、今後の利下げを慎重に検討する意向を示しました。

しかし、2025年に見込まれる利下げ回数は、9月時点の4回から2回に下方修正されています。

これは、インフレ抑制と経済成長のバランスを取るため、金融政策を急激に緩めることを控えたいFRBの姿勢を反映しています。

米国株が下落した理由

SP500日足チャート

FOMCによる利下げ決定にもかかわらず、米国株が下落した理由は以下の通りです。

1. 利下げ見通しの下方修正

投資家の多くは、2025年の利下げ回数が4回と予想していました。

しかし、FOMCの会合後に示された中央値では、利下げ回数が2回に減少。

この情報が市場の期待を裏切り、「利下げによる株価上昇」というシナリオが崩れました。

2. 長期金利の上昇

FOMC後、米10年債利回りが4.5%に上昇しました。

これは金利高による株安を招く要因となり、株式市場に圧力をかけました。

特に、高PER(株価収益率)のハイテク株にとっては、長期金利上昇が重い負担となります。

今後の株価動向を予想

短期的な見通し

12月19日の暴落後、短期的には米国株が反発する可能性があります。

特に、NASDAQに多く含まれるハイテク株は依然として底堅さを示しており、買い戻しの動きが予想されます。

一方で、投資家心理が不安定な状況が続くため、反発局面では利益確定売りも入りやすい状況です。

そのため、短期的な反発は限定的となる可能性があります。

中長期的な見通し

中長期的には、株式市場は慎重な展開が続くと予想されます。その理由として、以下の点が挙げられます。

株式の割高感
S&P500指数のPERは25倍前後と、割高感が強い水準にあります。

この数字は益利回りに換算すると約4%であり、米10年債利回り(4.5%)を下回る状況です。

株式のリスクプレミアムを考慮すれば、この割高感がさらなる買い控えを引き起こしていると考えられます。

テクニカルな要因
NYダウは10営業日連続で陰線を記録し、これはオイルショック時の1974年以来の出来事です。

この間に75日移動平均線を下回る動きも見られ、チャート的にも弱気ムードが強まっています。

投資戦略のポイント

  • 短期投資:短期的な反発局面では、ハイテク株や成長性の高いセクターへの投資が有望です。ただし、リスク管理を徹底することが重要です。
  • 中長期投資:中長期では、割安感のあるセクターや配当利回りが高いディフェンシブ銘柄に注目するのが良いでしょう。また、ETFを活用した分散投資も有効です。

参照:https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202412191082

まとめ

FOMCの利下げ決定にもかかわらず、米国株が下落した背景には、利下げ見通しの下方修正や長期金利の上昇、株式の割高感などが影響しています。

短期的には買い戻しによる反発が期待されますが、中長期的には慎重な姿勢が求められる相場が続くと考えられます。

本ブログでは銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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