なぜフェローテックHDの株価が上昇しているか?今後の株価を予想!

個別銘柄分析

今回注目するのは半導体ウエハや半導体設備向け部品を製造する企業であるフェローテックホールディングス(6890)について分析します。

同社は2025年3月から株価が急上昇し続け、年初来高値を更新しそうでいます。

本記事では、フェローテックホールディングス(6890)の株価上昇の背景を解説するとともに、今後の業績や株価の見通しについて詳しく考察します。

結論

フェローテックHD(6890)の株価が上昇している理由
・旧村上ファンドである機関投資家買い
・それに伴う個人投資家の買い
→企業からの好材料でないため株価が上昇していくのかは怪しい。。。

1. 会社情報

フェローテックホールディングス(6890)は、半導体ウエハや半導体設備向け部品を製造する企業です。

特に真空シールの分野では世界市場において60%のシェアを誇るリーディングカンパニーです。

また、装置や材料、消耗品なども手掛けており、半導体製造プロセスに関わる幅広い事業展開を行っています。半導体業界は成長が期待される分野であり、同社の技術力と市場シェアの大きさは注目されています。

2. フェローテックHDの株価上昇の理由は?

フェローテックHDの株価は、2022年の暴落以降、長らく横ばいのチャートを形成していました。

しかし、2025年3月に入り、急激な上昇を見せています。

この株価上昇の背景には、旧村上ファンドである「シティインデックスイレブンス」の買いが影響していると考えられます。

旧村上ファンドとは、
元金融庁官僚の村上世彰氏が率いていた投資ファンド「村上ファンド」のことを指します。
主に企業の大株主となり、経営陣に対して株主価値向上のための提案を行う「物言う株主(アクティビスト)」として知られていました。

機関投資家の大量保有

フェローテックホールディングス <6890> [東証S]について、シティインデックスイレブンスは3月14日受付で財務省に大量保有報告書(5%ルール報告書)を提出しました。

報告書によれば、同ファンドと共同保有者のフェローテック株式保有比率は5.32%となり、新たに5%を超えたことが判明しました。報告義務発生日は3月7日です。

この情報が市場に伝わると、機関投資家の動向を重視する個人投資家が次々と買いを入れる「イナゴ買い」の動きが発生しました。

アクティブファンドによる影響

「シティインデックスイレブンス」はアクティブファンドとしても知られており、株主総会において経営に対する提案を行う可能性が高いと市場は見ています。

そのため、経営改革の期待感から個人投資家の買いが加速していると考えられます。

参照:https://kabutan.jp/stock/news?code=6890&b=n202503140907

3. 今後の株価を考察

ファンダメンタル分析

機関投資家の買いによって出来高が増加し、株価が上昇している状況ですが、業績の方はどうでしょうか。

2023年3月期に最高益を記録したものの、その後は減益傾向にあり、業績の調子は決して良好とは言えません。

半導体業界全体としては需要が回復基調にあるものの、コスト増加の影響で利益が思うように伸びていない点が課題となっています。

また、財務状況を確認すると、投資キャッシュフロー(CF)が増加しており、設備投資に力を入れていることがわかります。

しかし、その分借入金も増えているため、財務の健全性には一定の注意が必要です。

ただし、長期的には業績が回復する可能性が高いと考えられます。

また、シティインデックスイレブンスが関与することで、経営改善の動きが出る可能性もあり、これが株価にプラスに作用する可能性があります。

参照:https://kabutan.jp/stock/finance?code=6890

テクニカル分析

週足チャート

現在、機関投資家の買いによって株価は急騰しています。しかし、今後もさらに上昇する余地はあるのでしょうか。

短期的には、3000円までの上昇が見込まれます。

その理由として、2024年以降の上値抵抗線が3000円付近にあることが挙げられます。

この価格帯では、過去に高値掴みをした投資家が多く、利確売りが出る可能性が高いと考えられます。

ただし、機関投資家が買いを継続する場合、上値での利確売りによって株価が一時的に下がっても、押し目買いが入りやすくなるでしょう。

そのため、「短期的には3000円を目標にしつつ、押し目を狙う戦略」が有効と考えられます。

4. まとめ

フェローテックHDの株価上昇は、旧村上ファンドの「シティインデックスイレブンス」による大量保有が主な要因となっています。

アクティブファンドの介入による経営改善への期待も相まって、個人投資家の買いが増加しています。

業績面では短期的な不安要素があるものの、長期的には成長が見込まれるため、今後の動向に注目です。

テクニカル面では、3000円付近が短期的な上値目標とされるものの、機関投資家の買いが継続すればさらなる上昇も期待できます。

押し目を狙いながら慎重にエントリーすることが有効な戦略となるでしょう。

また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/