機関投資家も使用するアルゴリズム取引とは?初心者向けに仕組みを解説!

アルゴリズム取引 株の知識

株式投資の世界で近年注目を集めている「アルゴリズム取引」とは、コンピューターがあらかじめ設定されたルール(アルゴリズム)に基づいて自動的に売買を行う手法のことです。通常の人間の取引と異なり、アルゴリズム取引は高速で大量のデータを分析し、瞬時に取引を実行することが可能です。これにより、株式市場の微細な価格変動を捉え、短期間で利益を得ることが期待されます。

アルゴリズム取引の基本的な仕組み

アルゴリズム取引では、特定の条件が満たされたときに自動的に売買が行われます。
たとえば、株価が特定の価格帯に達したとき、あるいは取引量が一定の水準を超えたときに取引が行われるようにプログラムされています。

アルゴリズムの主な目的は、人間が判断する際に発生する感情的な影響やミスを排除し、迅速かつ正確に取引を行うことです。

初心者にとって、この仕組みは難しく感じられるかもしれませんが、基本的には以下のプロセスに基づいています。

  1. データの収集と分析
     市場の価格動向や取引量、ニュースなどのデータを収集し、過去のパターンやトレンドを分析します。
  2. 取引ルールの設定
     例えば、「株価が5%上昇したら売却する」や「出来高が急増したら購入する」といった条件を設定します。
  3. 自動売買の実行
     設定された条件が満たされると、コンピューターが自動的に売買を行います。

アルゴリズム取引の種類

アルゴリズム取引にはさまざまな手法があります。初心者でも理解しやすい代表的な手法をいくつか紹介します。

1. トレンドフォローアルゴリズム

トレンドフォローとは、価格の上昇や下落といったトレンドに従って売買を行う手法です。

例えば、株価が過去の高値を超えた場合に「買い」、逆に下回った場合に「売り」を行うアルゴリズムが使われます。これにより、上昇トレンドに乗って利益を上げることを目指します。

2. アービトラージアルゴリズム

アービトラージとは、異なる市場での価格差を利用して利益を得る手法です。

たとえば、同じ株式が異なる市場で異なる価格で取引されている場合、安い方で購入し、高い方で売却することで利益を得ます。アルゴリズム取引では、このような市場の不整合を瞬時に検出し、素早く取引を行います。

3. スキャルピングアルゴリズム

スキャルピングは、数秒から数分の短期間で小さな利益を積み重ねる取引手法です。

スキャルピングアルゴリズムは、市場の微細な価格変動をキャッチし、高速で何度も取引を行います。これにより、1回の取引ごとの利益は小さいですが、多くの取引を積み重ねて利益を得ることができます。

4. VWAP(出来高加重平均価格)アルゴリズム

VWAPアルゴリズムは、特定の期間における平均価格で株式を売買することを目指します。

これにより、投資家は市場への影響を最小限に抑えつつ、取引コストを削減することができます。大規模な投資家や機関投資家がよく利用する手法です。

上記の他にも様々なアルゴリズム取引の手法がありますので、興味がある方や自分も使ってみたい方はぜひ自分で調べることをおすすめします。

特に楽天証券のアルゴリズム注文機能が分かりやすいと思います。
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アルゴリズム取引のメリット

  1. 感情を排除できる
     アルゴリズム取引は、感情に左右されずに取引を行います。これは特に、株式投資において冷静な判断が難しいときに有効です。
  2. 高速な取引
     人間のトレーダーでは不可能なスピードで取引を行うことができ、市場の瞬時の変動にも対応可能です。ミリ秒単位での取引が可能で、機会損失を最小限に抑えることができます。
  3. 取引コストの削減
     手動で行う場合に比べて、取引にかかるコストが抑えられます。これにより、スキャルピングやアービトラージといった短期取引での利益率が向上します。

アルゴリズム取引のデメリットとリスク

  1. システム障害のリスク
     コンピューターが取引を行うため、システム障害が発生した場合、取引に支障が出る可能性があります。特に市場が急激に変動する局面では、大きな損失を被ることもあります。
  2. 相場の急変に対応しきれない場合がある
     アルゴリズム取引は、あらかじめ設定された条件に基づいて動くため、予想外の市場変動やニュースには柔軟に対応できないことがあります。
  3. 過度な依存
     アルゴリズム取引に過度に依存すると、市場全体が同じ方向に動きすぎてボラティリティが高まる場合があります。これにより、相場が急変しやすくなることもあるため、リスク管理が重要です。

まとめ

アルゴリズム取引は、株式投資の効率化を図るための強力なツールです。

特にトレンドフォローやアービトラージ、スキャルピングといった手法は、初心者でも理解しやすく、適切な条件を設定することで利益を得やすいです。しかし、システム障害や市場の予測不可能な動きに対応しきれないリスクもあるため、リスク管理も欠かせません。

初心者がアルゴリズム取引に挑戦する際は、まずは少額の資金で実験的に始め、取引ルールやリスク管理をしっかりと理解することが重要です。

また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/