「SaaSの死」とは?なぜ株価下落したのか?NECや富士通など影響銘柄一覧

SaaSの死とは 株の知識

株投資を始めたばかりの皆さん、最近の市場で「SaaSの死」という衝撃的な言葉を耳にしていませんか?

2026年1月末、AI界の巨人Anthropicが発表した新機能「Claude Cowork」

これが引き金となり、これまで市場を牽引してきたSaaS(Software as a Service)関連株が一気に急落しました。

市場では「SaaSpocalypse(SaaSの黙示録)」や「Anthropic Shock」と呼ばれ、パニックが広がっています。

この記事では、「SaaSの死」の本質をどこよりもわかりやすく解説し、暴落の直撃を受けた銘柄を一覧でまとめます。

さらに、周辺セクターへの影響や、このピンチをチャンスに変える投資戦略を深掘りします。

1. 「SaaSの死」とは?AIがSaaSビジネスを食い尽くす理由

まず、なぜ「SaaSが死ぬ」と言われているのか、その核心を押さえましょう。

これまでのSaaS(Salesforce、Sansan、Money Forwardなど)は、「人間が操作するための便利な道具(ブラウザ上のソフト)」でした。

しかし、2026年1月30日に発表されたAnthropicの「Claude Cowork」は、その前提を根本から破壊しました。

AIエージェントが「ユーザー」に代わる

「Cowork」は、単なるチャットAIではありません。

ユーザーの代わりにPCを操作し、メールを送り、複雑なデータ集計を行い、各ツール間の連携を自ら完結させます。

  • 従来の形: 人間がSaaS Aにログインし、データを入力し、SaaS Bに貼り付ける。
  • これからの形: 人間がAIに「今月の売上を分析して、関係者に報告して」と指示するだけ。

結果として、人間が直接触る「操作画面(UI)」の価値が消滅しました。

Gartnerの最新分析では、「2026年末までにSaaS支出の15%が、AIエージェントへの直接投資にシフトする」と予測されています。

2. 【2026年版】Anthropic Shockの影響銘柄一覧

今回のショックで特に下落が目立った銘柄をまとめました。時価総額43兆円が消失したと言われるその内訳を見てみましょう。

また、以下で挙げた銘柄以外にもITセクター全体で株価は下げているため有名どころをピックアップしています。

SaaS銘柄の下落一覧(米国・日本)

市場コード銘柄名下落率(参考)下落の主な理由
米国CRMSalesforce-12.5%AIエージェントがCRM入力を自動化。
ライセンス課金の崩壊懸念。
米国ADBEAdobe-10.2%生成AIがデザイン工程を完全自動化。
プロ向けツールの優位性低下。
米国NOWServiceNow-11.8%IT運用がAIで自律化。
管理プラットフォームの必要性が疑問視。
日本4443Sansan-13.5%AIによる名刺情報の自動抽出が標準化。
専用SaaSの解約リスク。
日本3994マネーフォワード-9.5%家計簿・経理入力の完全自動化により、個人・中小の離脱懸念。
日本4478フリー-8.8%AIエージェントがERPを代替。
安価な汎用AIへの乗り換え。
日本2492インフォマート-14.1%電子契約の自動化により、取引量ベースの収益モデルに暗雲。

SIerセクターへの波及:SIer銘柄の下落一覧

SaaSだけでなく、システム開発を請け負うSIer(システムインテグレーター)も激震に見舞われています。

AIがコードを書き、システムを構築するため、「エンジニアの人数 × 時間」で稼ぐモデルが限界を迎えています。

市場コード銘柄名下落率(参考)影響と展望
日本6701NEC-12.0%開発需要の減退。
防衛など非IT部門が支えだが、短期売りに。
日本6702富士通-8.5%コンサルティング業務のAI代替。
大型案件の単価下落リスク。
日本3626TISストップ安開発特化型のモデルがAI直撃。
市場の信頼回復に時間。
日本4307野村総合研究所-8.2%高度な分析業務もAIエージェントにシェアを奪われる懸念。

参照:https://kabutan.jp/

3. なぜ一部のSaaSは生き残り、他は死ぬのか?

今回のショックを冷静に分析すると、すべてのSaaSが消えるわけではないことが見えてきます。

投資家として見るべき「生存の条件」は以下の3点です。

① 「水平型」から「垂直型(Vertical SaaS)」へ

Salesforceのような、どの業種でも使う「水平型」はAIエージェントに代替されやすいです。

一方で、建設、医療、法務など、特定の業界に特化した「垂直型SaaS」は、その業界特有の複雑な商習慣やデータを持っているため、AI時代でも強固な壁(モート)を維持します。

② 課金モデルの変革:SeatからTaskへ

これまでの「1ユーザー月額◯円(Seat-based)」は、人間が使わなくなるため破綻します。

これからは、「AIが処理した業務1件につき◯円(Outcome/Task-based)」という成果報酬型に移行できる企業が、次の覇者となります。

③ 「データ主権」を握っているか

AIの脳みそは外部のものでも、そのAIが読み込む「企業の生データ」を安全に保管・管理しているプラットフォーム(例:OracleやSAPのような基幹システム)は、AI時代の「インフラ」として逆に価値が高まります。

4. 今後の投資戦略

今回の「Anthropic Shock」は、短期的な恐怖で売られすぎている側面もあります。私の戦略をシェアします!

まず、直近ではAIエージェントの普及によってSaaSやSIer企業の業績が急に悪くなるといったことはないでしょう。

そのため、現時点で下げている株価は回復していくと思われます。

しかしながら、将来的にAIエージェントがこれまでのサービスの代替品として使えることが実務で証明された場合、一気に普及していくと思われるため、そうなったら売上が奪われる可能性があります。

  1. 過剰反応した優良SIerの拾い上げ:
    • 富士通(6702)やNEC(6701)は、AIを使いこなす側でもあります。
    • 短期的な下落は、配当利回りが高まった「絶好の仕込み時」かもしれません。
  2. 「AI-First SaaS」への入れ替え:
    • 従来のSaaSを整理し、自社で強力なAIエージェントを組み込んでいるMicrosoft(MSFT)や、Vertical SaaSのリーダー銘柄に資金を移します。
  3. セキュリティ銘柄の強化:
    • AIエージェントが自律的に動く世界では、セキュリティリスクが爆増します。
    • SaaSが死んでも、その周りを守る「サイバーセキュリティ株」は爆上がりするはずです。

5. まとめ:SaaSの死は、新しい時代の産声

「SaaSの死」は、決してソフトウェア産業の終わりではありません。

「人間がツールを操作する時代」から「AIが業務を完結させる時代」へのパラダイムシフトです。

43兆円が消えた今の市場は、まさに10年に一度のバーゲンセール。短期的なボラティリティに惑わされず、どの企業が「AI時代の基盤」になれるかを見極めましょう。

また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/