株式投資において、「年初来高値更新(新高値)」は非常に強力なシグナルです。
しかし、高値で買うことは「さらなる上昇に乗るチャンス」であると同時に、「高値掴みのリスク」も孕んでいます。
私は2025年11月3日、勢いのある日本株の中から「年初来高値更新後もさらに買いたい5銘柄」を選定しました。あれから数ヶ月が経過し、相場環境も大きく変化しました。
本記事では、当時の予想が正解だったのか、それとも見通しが甘かったのか。
その結果を赤裸々に振り返り、2026年以降の投資に活かすべき「勝てるシナリオ」と「負けるパターン」を徹底的に考察します。
2. 年初来高値更新後も買いたい日本株5銘柄の予想結果と考察
当時選定した5銘柄について、それぞれの予想内容と、その後の実際の値動き、そして今だから分かる反省点を見ていきましょう!
① 関電工 (1942):心理的節目と移動平均線の攻防

11月時点の予想(買い:4,717円)
2025年10月、関電工のチャートは非常に力強いものでした。出来高を伴った急騰は「まだ上げ相場の初期段階(若い上げ)」であると判断。
データセンター需要という強力なバックボーンがあり、過去最高益更新が視野に入っていたため、建設業種としての割高感もないと見ていました。
ターゲットとして意識したのは心理的節目である「5,000円」のラインです。
【◎】結果と考察(現在:5,885円)
11月以降、株価は狙い通り5,000円の大台を突破しました。しかし、予想通り5,000円ラインでの上値は重く、一時的に横ばいの展開が続きました。
ここで重要なのは、「横ばいになった時にどう動くか」です。
結果的に、25日移動平均線を明確に割り込まなかったため、トレンドは崩れていませんでした。
その後、2026年に入り「解散総選挙」などの外部要因、および電力インフラ再整備への期待が再燃し、株価は5,800円台まで一段高となりました。
- 学び: 強いトレンドにある銘柄は、節目の攻防で「横ばい」になっても、25日線を割らない限りは「持ち越し(ホールド)」が正解。
- あるいは、横ばい期間で一度利確し、1月の上昇再開初動で入り直すのが最も効率的な資金運用だったと言えます。
参照:https://kabutan.jp/stock/chart?code=1942
② 三菱重工業 (7011):テーマ株における「出来高」の重要性

11月時点の予想(買い:4,653円)
三菱重工は、長らく上値を抑えられてきた4,000円という強力な抵抗線をブレイクした直後でした。
テクニカル的には教科書通りの「買いシグナル」であり、防衛関連という国策テーマも相まって、押し目買いが有効な局面だと判断しました。
【×】結果と考察(現在:4,660円)
予想に反して、11月からは厳しい下降トレンドに転じました。
下落の主な要因は「防衛銘柄への関心の低下」による資金抜けです。
チャートを確認すると、株価の下落とともに「出来高」が目に見えて減少していました。
12月に一時的な反発は見せましたが、下降トレンドラインを抜けるほどではなく、戻り売りに押される展開が続きました。
しかし、2026年1月に入り状況は一変。日本株全体の底上げに加え、解散総選挙によって「防衛力強化」が再び政治的テーマとして浮上。出来高が急増するとともに、株価は11月時点の水準まで全戻ししました。
- 学び: 防衛などの「テーマ株」は、トレンドの持続性が「投資家の注目度(出来高)」に直結します。
- 出来高が減り始めたら、たとえ高値更新後であっても一度撤退するのが鉄則。
- 再び出来高を伴って上昇し始めたタイミングこそが、真の買い場となります。
参照:https://kabutan.jp/stock/chart?code=7011
③ 住友電気工業 (5802):乖離率20%の壁と利確のタイミング

11月時点の予想(買い:5,650円)
長期のボックス相場(レンジ)を、10月末に出来高急増とともに上放れしました。
これは「本物のブレイク」である可能性が高く、多くの投資家が追随する典型的な上昇パターンだと予測しました。
【〇】結果と考察(現在:6,828円)
株価は一時的に急騰しましたが、ボラティリティ(価格変動)が非常に激しい展開となりました。
現在は再びレンジ相場に近い形に落ち着き、25日移動平均線上での推移となっています。
この銘柄で注目すべきは「乖離率」です。11月初旬の窓開け上昇時、25日線からの乖離率が20%近くに達しました。
一般的に20%を超えると短期的な「過熱感」が極まり、調整が入りやすくなります。案の定、12月10日には2日連続の大陰線を叩き、調整局面入りしました。
- 学び: ブレイク後の上昇は魅力的ですが、乖離率が20%に迫る場面では新規買いは控え、むしろ「利確」を検討すべきタイミング。
- 11月の窓開け、あるいは12月の大陰線出現時が、最良の逃げ場だったと考えられます。
参照:https://kabutan.jp/stock/chart?code=5802
④ TDK (6762):「後出しジャンケン」の失敗

11月時点の予想(買い:2,673円)
過去の抵抗線をブレイクし、新高値圏での「強い買い」を想定。
最高益更新というファンダメンタルズを背景に、2,400円の支持線や25日線が下支えになると予想しました。
【×】結果と考察(現在:2,088円)
結果は、5銘柄の中で最も厳しい「敗北」となりました。
11月から株価はズルズルと値を下げ、明確な下降トレンドに突入しました。
敗因は明白で、「買い判断の遅れ」と「過熱感の無視」です。
新高値ブレイク直後にエントリーしていれば微益撤退も可能でしたが、ブレイクから数日が経過し、すでに乖離率が15%を超えたポイントで「買い」と判断してしまいました。
結果として、そこが「大天井」となってしまったのです。
- 学び: 高値更新銘柄を狙う場合、ブレイクの「瞬間」か、その直後の「初押し」でなければなりません。
- 数日経って過熱感が出てからのエントリーは、もはや「高値掴み」でしかありません。
- 乖離率15%以上での飛び乗りは禁物です。
参照:https://kabutan.jp/stock/chart?code=6762
⑤ 東京応化工業 (4186):セクター相関と大陰線のサイン

11月時点の予想(買い:5,653円)
5,000円の大台を突破し、上値が軽くなった状態。
チャート形状は申し分なく、さらなる上昇が期待できる「青天井」パターンと予想しました。
【〇】結果と考察(現在:6,488円)
11月中旬までは順調に上昇しましたが、その後、半導体セクター全体の地合い悪化に巻き込まれ大幅下落。
しかし、2026年1月には再び持ち直し、11月の高値を伺う動きを見せています。
ここでの反省点は、個別銘柄の強さだけでなく「半導体セクター全体」の動きに注意を払うべきだった点です。
また、ここでもピーク時の乖離率は15%に達していました。
大きな陰線が出たタイミングは、セクター全体の資金引き揚げの合図であり、即座に売るべきサインでした。
- 学び: どんなに形が良いチャートでも、セクター全体が売られれば抗えません。
- 「大陰線」は相場転換の明確なメッセージです。
- また、現在は6,500円付近が重くなっており、再度ブレイクするまでは様子見が賢明でしょう。
参照:https://kabutan.jp/stock/chart?code=4186
3. まとめ:2026年に活かすべき「新高値投資」の鉄則
今回の5銘柄の振り返りを通じて、新高値更新銘柄を攻略するための「3つの鉄則」が見えてきました。
1. 「乖離率」を絶対の指標とする
今回の分析で共通していたのは、乖離率15%〜20%が「警戒ゾーン」であるということです。
- TDKや東京応化工業のように、15%を超えたあたりで買いを入れるのはリスクが高すぎます。
- 住友電工のように20%に達したら、利益が出ていても一度半分は売るべきです。
- 新高値更新は「買い」ですが、「どこまで離れたら危ないか」を常に意識しましょう。
2. 「出来高」は投資家の熱量そのもの
三菱重工の結果が示す通り、テーマ株は出来高が命です。
株価が上がっていても、出来高が減り始めたらそれは「燃料切れ」のサイン。
逆に、関電工のように2026年に入ってから再び出来高を伴って上昇する場面は、最も安全で期待値の高いエントリーポイントになります。
3. 「25日移動平均線」と「大陰線」を信じる
トレンドが続いているかどうかは、感情ではなく25日移動平均線で判断します。
- 25日線を割り込まない限り(関電工):継続
- 25日線を割り込み、大陰線が出た場合(TDK、東京応化):即撤退 このシンプルなルールを徹底するだけで、今回の予想における損失は大幅に軽減できたはずです。
最後に
2025年11月の予想は、3勝2敗(あるいは同値撤退含め引き分け)といったところでしょうか。
2026年の日本株市場は、解散総選挙や金利動向など、さらに複雑な動きが予想されます。今回の教訓を胸に、規律あるトレードで利益を積み上げていきましょう!
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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