「この株、すごく調子がいいぞ!」 上昇トレンドの有望株を見つけ、期待に胸を膨らませて買ったのに、なぜか次の日から株価が下落…。
「私が買うと下がる」なんて、ため息をつきたくなる経験はありませんか?
未だに私も同じような経験をたくさんしています。。。。
もし、あなたがこのような経験を繰り返しているなら、それは偶然ではありません。
株式投資で多くの初心者が陥ってしまう典型的な失敗パターン、「高値掴み」が原因です。
しかし、ご安心ください。高値掴みは、その原因を知り、正しい知識を身につけることで、誰でも避けることができます。
この記事では、あなたがなぜ高値掴みをしてしまうのかという根本原因を分析し、明日からすぐに使える具体的な回避策、そして利益を伸ばしやすい理想的な買いタイミングまで、チャート画像をイメージしながら分かりやすく解説します。
結論
やってはいけないこと(高値掴みの原因) | やるべきこと(天井を避ける方法) |
---|---|
大きな陽線が続いている銘柄に飛び乗る | 上昇トレンド中の銘柄が下落してくるのを待つ |
25日移動平均線から大きく離れたところで買う | 25日移動平均線に近づいて、反発したのを確認して買う |
「乗り遅れるな」と焦って買う | **「押し目を待つ」というルールを徹底し、焦らない |
すぐに反発するだろうと安易に考える | 反発のサイン(陽線など)を確認してから**行動する |
なぜあなたは「高値掴み」をしてしまうのか?【3つの原因】
高値掴みの背景には、テクニカルな問題だけでなく、私たちの「心」が大きく関わっています。まずは、その正体を知ることから始めましょう。
原因1:心理的な罠「FOMO(フォーモ)」

上記のような株価が急騰しているチャートを見ると、「このビッグウェーブに乗り遅れたくない!」「今買わないと損だ!」という強い焦りや欲を感じませんか?
これはFOMO(Fear Of Missing Out)、つまり「取り残されることへの恐怖」と呼ばれる心理状態です。
このFOMOが、私たちから冷静な判断力を奪い、株価が一番過熱して危険な、上昇の最終局面で買わせてしまう最大の犯人なのです。
原因2:相場の「過熱感」サインの見逃し

株価は、どんなに強いトレンドでも一直線に上がり続けることはありません。
必ず、上昇と下落(調整)の波を繰り返しながら進んでいきます。
高値掴みは、この上昇の波が頂点に達し、多くの投資家が利益確定を考え始める「買われすぎ」の状態、つまり相場の「過熱感」が出ているサインを見逃してしまうことで起こります。
例えば上記のチャートでは4/21の高値でまだまだ上がると思って買いたくなると思います。
しかしながら、株価と25日平均線の乖離率が10%もあり、過熱感のサインが出ていることが分かります。
伸びきったゴム紐が元に戻ろうとするように、過熱した相場は下落しやすいのです。
原因3:「順張り」と「イナゴ」の勘違い
上昇トレンドに乗って買う「順張り」は、非常に有効な投資戦略です。しかし、これを勘違いしてはいけません。
十分な分析をせず、ただ「上がっているから」という理由だけで急騰銘柄に飛びつく行為は、残念ながら順張り投資ではありません。
それは、群衆心理で一箇所に群がる、通称「イナゴ」と呼ばれる行動に近く、極めてリスクの高いギャンブルになってしまいます。
もう繰り返さない!高値掴みを避けるための具体的な3つの方法
では、どうすればこの高値掴みの連鎖を断ち切れるのでしょうか?
感情に流されず、客観的に相場を判断するための3つの具体的な方法をご紹介します。
方法1:移動平均線との「乖離(かいり)」をチェックする
これは最も簡単で、視覚的に危険を察知できる強力な方法です。
株価と移動平均線(特に25日移動平均線)が、どれだけ離れているかを確認しましょう。

- 危険なサイン: 株価が25日移動平均線から大きく上に離れている状態。
- チェック方法: チャートを開いたら、ローソク足と25日線の間の「隙間」を見てください。この隙間が、過去数ヶ月と比べて異常に大きく開いている場合、それは過熱のサインです。
- 乖離率の基準:乖離率は通常-9%~+9%くらいになっていることが多いです。(対象の銘柄の平均乖離率を見つけ出すのが良いでしょう!)
- 例えば乖離率が10%を越えてくると買われすぎといった過熱感のサインとなり、下落ポイントとなります。(上記チャート)
方法2:テクニカル指標で「過熱感」を客観視する(RSI)
「なんとなく過熱している気がする」という感覚を、客観的な数値で裏付けてくれる便利なツールがあります!
それがRSI(相対力指数)です。

- RSIとは: 相場の「買われすぎ」「売られすぎ」を0〜100の数値で示してくれる指標です。
- 危険なサイン: 一般的に、RSIが70%を超えると「買われすぎ」と判断されます。
- 活用法: 買いたい銘柄を見つけたら、まずRSIをチェックしてみてください。
- もし数値が70や80に達していたら、それは「今は高値掴みのリスクが高い」という客観的なデータです。冷静にエントリーを見送る判断ができます。
方法3:天井を示す「ローソク足」の形を知る
ローソク足一本一本の形にも、相場の心理が表れています。
特に天井圏では、下落への転換を示唆する特徴的な形が出現しやすくなります。
危険なサインの例:

- 上ヒゲの長いローソク足(トンカチ、トウバ):
- 一度は株価が大きく上昇したものの、強い売り圧力に押し返されてしまった証拠。
- 上昇の勢いが尽きてきたサインです。

- 包み足(陰線):
- 前日の陽線を、当日の大きな陰線が完全に包み込んでしまう形。
- 買いの勢力を売りの勢力が完全に打ち負かした、強い下落転換のサインです。
これらのローソク足が出たら、「もしかしたら天井かもしれない」と警戒レベルを上げましょう。
高値掴みを防ぐ、おすすめの買いタイミングとは?【最強の押し目買い】
さて、高値掴みを避ける方法が分かったところで、いよいよ「じゃあ、いつ買えばいいのか?」という核心に迫ります。
その答えは、「押し目(おしめ)」を狙う、ただ一つです。
結論:狙うべきは「押し目」一択
押し目買いとは、力強い上昇トレンドを形成している銘柄が、一時的に下落(調整=押し)してきたところを狙って買う、投資の王道とも言える手法です。
急騰している株を追いかけるのではなく、「良い銘柄が、理由があって一時的に安くなっているところを賢く買う」。
これこそが、高値掴みを避け、安全かつ利益を伸ばしやすい投資の極意です。
「押し目買い」実践3ステップ

- STEP1:トレンドの確認
- まずは、25日移動平均線がキレイな右肩上がりを描いている「上昇トレンド」の銘柄を見つけます。
- これが全ての土台です。
- STEP2:押し目を待つ
- 株価が上昇中の25日移動平均線に向かって下落してくるのを、何もしないで、ひたすら待ちます。
- FOMOに負けず、チャンスが来るまで待てるかどうかが、勝敗の分かれ目です。
- STEP3:反発を確認してエントリー
- 株価が25日移動平均線でしっかりとサポートされ、下げ止まったのを確認。
- そして、再び上昇を示す陽線が出たタイミングでエントリーします。
- 25日線上で「下ヒゲの長い陽線」などが出れば、絶好のエントリーサインです。
まとめ:高値掴みを卒業し、「待つ」ことができる賢い投資家へ
最後に、今回の内容をまとめます。
- 高値掴みの原因:
- 「乗り遅れたくない!」という心理(FOMO)と、相場の「過熱感」サインの見逃し。
- 避けるためのチェック項目:
- 移動平均線との乖離は大きすぎないか?
- RSIは70%を超えていないか?
- 上ヒゲの長いローソク足など、天井のサインは出ていないか?
- 最強の買いタイミング: 上昇トレンド中の「押し目」。25日線まで下落し、反発を確認してからエントリーする。
株式投資の世界で長期的に利益を上げ続けるために最も重要なスキルは、派手なテクニックではありません。それは、**「自分が有利になる絶好のチャンスが来るまで、じっと待つ力」**です。
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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