将来のための資産形成を考えたとき、多くの人が「安定」と「リターン」の両立を目指すのではないでしょうか。
しかし、株価の値動きが激しい銘柄への投資は、精神的な負担も大きいものです。
そこで注目したいのが、定期的に配当金という形で利益を還元してくれる「高配当株」への投資です。
特に、10年以上も連続で配当金を増やし続けている「連続増配株」は、安定した収益力と株主を大切にする姿勢を持つ優良企業の証と言えます。
この記事では、数ある日本株の中から、以下の厳しい条件をクリアした銘柄だけを厳選してご紹介します。
・10年以上の連続増配実績を持つ
・予想配当利回りが3%以上である
・TOPIX500採用銘柄で、日本を代表する企業である
この記事を読めば、あなたのポートフォリオを支える、頼れる銘柄が見つかるかもしれません。ぜひ最後までご覧ください!
1.【厳選12銘柄】10年以上増配&利回り3%超のおすすめ高配当株一覧

ここからは、厳しい基準をクリアした12の優良銘柄を、配当利回りの高い順にご紹介します。
1. T Sテック (7313)

予想配当利回り:5.01%
事業内容:
自動車用のシートや内装品を主力とするホンダ系の部品メーカー。四輪車用シートでは世界トップクラスのシェアを誇ります。
強みと成長性
| 決算期 | 1株あたり配当金 |
|---|---|
| 2020年3月期 | 43.00円 |
| 2021年3月期 | 45.00円 |
| 2022年3月期 | 54.00円 |
| 2023年3月期 | 63.00円 |
| 2024年3月期 | 73.00円 |
| 2025年3月期 (予想) | 83.00円 |
ホンダという強力な販売基盤に加え、グローバルな生産・販売網が強みです。
高品質な製品は他メーカーからも評価が高く、安定した収益を上げています。
今後は電気自動車(EV)向けの新しい内装ソリューション開発にも期待がかかります。
2. ゼオン (4205)

予想配当利回り:4.99%
事業内容
タイヤなどに使われる合成ゴムや、スマートフォン・テレビに使われる高機能樹脂の分野で世界的な技術力を持つ化学メーカーです。
強みと成長性
| 決算期 | 1株あたり配当金 |
|---|---|
| 2020年3月期 | 21.00円 |
| 2021年3月期 | 22.00円 |
| 2022年3月期 | 28.00円 |
| 2023年3月期 | 36.00円 |
| 2024年3月期 | 45.00円 |
| 2025年3月期 (予想) | 70.00円 |
独自性の高い製品開発力が最大の強み。特に光学フィルムの分野では世界トップシェアを誇ります。
近年は半導体製造に必要な部材にも注力しており、デジタル化社会の進展とともに更なる成長が期待されています。
3. アステラス製薬 (4503)

予想配当利回り:4.68%
事業内容
日本を代表する大手製薬会社。特に、がん、泌尿器、免疫といった専門性の高い領域で強みを持っています。
強みと成長性
| 決算期 | 1株あたり配当金 |
|---|---|
| 2020年3月期 | 40.00円 |
| 2021年3月期 | 42.00円 |
| 2022年3月期 | 50.00円 |
| 2023年3月期 | 60.00円 |
| 2024年3月期 | 70.00円 |
| 2025年3月期 (予想) | 74.00円 |
革新的な新薬を開発する高い研究開発力が競争力の源泉です。
グローバルに事業を展開しており、特定の国や地域の経済状況に左右されにくい安定した収益基盤を持っています。
高齢化が進む世界において、医薬品の需要は今後も堅調に推移すると見られます。
参照:https://www.astellas.com/jp/
4. 野村不動産ホールディングス (3231)

予想配当利回り:4.40%
事業内容
「PROUD(プラウド)」ブランドのマンション開発・販売で知られる大手不動産会社。オフィスビルや商業施設の開発、不動産賃貸・管理事業も幅広く展開しています。
強みと成長性
| 決算期 | 1株あたり配当金 |
|---|---|
| 2020年3月期 | 80.00円 |
| 2021年3月期 | 82.50円 |
| 2022年3月期 | 97.50円 |
| 2023年3月期 | 120.00円 |
| 2024年3月期 | 140.00円 |
| 2025年3月期 (予想) | 165.00円 |
高品質なブランドイメージと、開発から販売、管理まで一貫して手掛ける総合力が強み。
賃貸事業などから得られる安定的なストック収入が、経営の安定に寄与しています。
都市部への人口集中や再開発の流れは、同社にとって追い風です。
参照:https://www.nomura-re-hd.co.jp/
5. MS&ADインシュアランスグループホールディングス (8725)

予想配当利回り:4.22%
事業内容
三井住友海上やあいおいニッセイ同和損保などを傘下に持つ、国内トップクラスの損害保険グループです。
強みと成長性
| 決算期 | 1株あたり配当金 |
|---|---|
| 2020年3月期 | 50.00円 |
| 2021年3月期 | 51.67円 |
| 2022年3月期 | 60.00円 |
| 2023年3月期 | 66.67円 |
| 2024年3月期 | 90.00円 |
| 2025年3月期 (予想) | 145.00円 |
国内での強固な顧客基盤とブランド力が安定収益の源泉です。近年はアジアを中心に海外事業を積極的に展開しており、グローバルな成長を取り込んでいます。
自然災害のリスクはありますが、適切なリスク管理と保険料設定により、安定した配当を実現しています。
参照:https://www.ms-ad-hd.com/ja/index.html
6. 丸井グループ (8252)

予想配当利回り:4.22%
事業内容
百貨店の「マルイ」と、クレジットカード「エポスカード」を中核としたフィンテック事業の二本柱で事業を展開しています。
強みと成長性
| 決算期 | 1株あたり配当金 |
|---|---|
| 2020年3月期 | 50.00円 |
| 2021年3月期 | 51.00円 |
| 2022年3月期 | 52.00円 |
| 2023年3月期 | 59.00円 |
| 2024年3月期 | 101.00円 |
| 2025年3月期 (予想) | 106.00円 |
小売と金融を融合させた独自のビジネスモデルが強み。特にエポスカードは若年層を中心に会員数を伸ばしており、安定した収益源となっています。
近年は店舗を「売らない店」へと転換し、体験価値を提供するなど、時代の変化に対応した事業改革を進めています。
参照:https://www.0101maruigroup.co.jp/
7. 芙蓉総合リース (8424)

予想配当利回り:4.04%
事業内容
みずほフィナンシャルグループ系の総合リース会社。情報関連機器や事務用機器、不動産、航空機など幅広い分野のリースを手掛けています。
強みと成長性
| 決算期 | 1株あたり配当金 |
|---|---|
| 2020年3月期 | 205.00円 |
| 2021年3月期 | 240.00円 |
| 2022年3月期 | 285.00円 |
| 2023年3月期 | 343.00円 |
| 2024年3月期 | 440.00円 |
| 2025年3月期 (予想) | 450.00円 |
多角的な事業ポートフォリオにより、特定業界の不振に影響されにくい安定した収益構造を持っています。
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスや再生可能エネルギー事業など、新たな成長分野への投資も積極的です。
8. 三菱HCキャピタル (8593)

予想配当利回り:3.94%
事業内容
三菱グループと日立グループのリース事業が統合して誕生した国内トップクラスの総合リース会社です。
強みと成長性
| 決算期 | 1株あたり配当金 |
|---|---|
| 2020年3月期 | 25.00円 |
| 2021年3月期 | 25.50円 |
| 2022年3月期 | 28.00円 |
| 2023年3月期 | 33.00円 |
| 2024年3月期 | 37.00円 |
| 2025年3月期 (予想) | 40.00円 |
両グループが持つ広範な顧客基盤と高い信用力が最大の強み。国内外でファイナンス事業だけでなく、環境エネルギー、不動産、航空機など、多岐にわたる事業を展開しています。
株主還元への意識が非常に高く、26期連続の増配を予定しています。
参照:https://www.mitsubishi-hc-capital.com/
9. 豊田通商 (8015)

予想配当利回り:3.86%
事業内容
トヨタグループの総合商社。自動車関連事業が主力ですが、金属、化学品、食品、エネルギーなど、非自動車分野にも事業を拡大しています。
強みと成長性
| 決算期 | 1株あたり配当金 |
|---|---|
| 2020年3月期 | 36.67円 |
| 2021年3月期 | 37.33円 |
| 2022年3月期 | 53.33円 |
| 2023年3月期 | 67.33円 |
| 2024年3月期 | 93.33円 |
| 2025年3月期 (予想) | 100.00円 |
トヨタグループという強力なバックボーンと、世界中に広がるネットワークが強み。
近年はアフリカでの事業展開に力を入れており、高い成長性が見込まれます。
また、再生可能エネルギーや資源リサイクルといったサステナビリティ関連事業への取り組みも強化しています。
参照:https://www.toyota-tsusho.com/
10. ヒューリック (3003)

予想配当利回り:3.82%
事業内容
東京23区内の駅近好立地にあるオフィスビルや商業施設を中心に、不動産の開発・賃貸・売買を手掛ける不動産会社です。
強みと成長性
| 決算期 | 1株あたり配当金 |
|---|---|
| 2019年12月期 | 31.50円 |
| 2020年12月期 | 36.00円 |
| 2021年12月期 | 39.00円 |
| 2022年12月期 | 42.00円 |
| 2023年12月期 | 50.00円 |
| 2024年12月期 (予想) | 54.00円 |
資産価値の高い優良な不動産を数多く保有しており、安定した賃料収入が収益の柱となっています。
高齢者施設や観光関連不動産など、時代のニーズに合わせた新たな分野への投資も積極的に行っており、持続的な成長が期待できます。
11. 山口フィナンシャルグループ (8418)

予想配当利回り:3.70%
事業内容
山口県、広島県、福岡県北部を主な地盤とする山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行を傘下に持つ金融グループです。
強みと成長性
| 決算期 | 1株あたり配当金 |
|---|---|
| 2020年3月期 | 24.00円 |
| 2021年3月期 | 26.00円 |
| 2022年3月期 | 28.00円 |
| 2023年3月期 | 31.00円 |
| 2024年3月期 | 43.00円 |
| 2025年3月期 (予想) | 60.00円 |
地域経済に深く根差した強固な顧客基盤が最大の強み。
地元企業や個人との長年にわたる信頼関係を基盤に、安定した収益を上げています。
地方銀行を取り巻く環境は厳しいですが、コンサルティング機能の強化やデジタル化の推進により、新たな収益機会の創出を目指しています。
12. 全国保証 (7164)

予想配当利回り:3.65%
事業内容
独立系の住宅ローン保証会社で国内最大手。金融機関が個人に住宅ローンを融資する際に、その債務を保証する事業を行っています。
強みと成長性
| 決算期 | 1株あたり配当金 |
|---|---|
| 2020年3月期 | 95.00円 |
| 2021年3月期 | 117.00円 |
| 2022年3月期 | 133.00円 |
| 2023年3月期 | 148.00円 |
| 2024年3月期 | 170.00円 |
| 2025年3月期 (予想) | 197.00円 |
特定の金融グループに属さない独立系のため、全国の様々な金融機関と提携できるのが強みです。
ストック型のビジネスモデルであり、一度契約すると長期間にわたって安定した保証料収入が見込めます。
住宅市場の動向に左右されますが、圧倒的なシェアと健全な財務体質で安定した成長を続けています。
2.高配当株投資で失敗しないための3つの注意点

魅力的な連続増配・高配当株ですが、投資を始める前に知っておきたい注意点もあります。
- 配当利回り「だけ」で選ばない
- 株価が大きく下落した結果、一時的に利回りが高く見えることがあります。
- 業績が悪化しているのに無理な配当(たこ足配当)を続けている可能性も。
- 企業の利益のうち、どれくらいを配当に回しているかを示す「配当性向」も合わせて確認し、30%~50%程度の無理のない範囲かを見るようにしましょう。
- 業績の安定性と将来性を確認する
- 過去の実績が素晴らしくても、未来が保証されているわけではありません。
- 企業の決算情報や中期経営計画などをチェックし、「将来も稼ぎ続けられるか」という視点を持つことが重要です。
- 分散投資を心掛ける
- どんなに優良な企業でも、予期せぬトラブルで業績が悪化する可能性はゼロではありません。
- 1つの銘柄に資産を集中させるのではなく、複数の銘柄や異なる業種の企業に分けて投資する「分散投資」を徹底し、リスクを管理しましょう。
3.まとめ
今回ご紹介した12銘柄は、いずれも厳しい基準をクリアした、長期保有に適した優良企業です。
高配当株投資の最大の魅力は、株価の上下に一喜一憂することなく、配当金という安定したインカムゲインを継続的に得られる点にあります。
そして、受け取った配当金をさらに同じ銘柄に投資する「配当金再投資」を行えば、複利の力で資産の成長を加速させることも可能です!
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/


