今回注目するのは、イタリアンレストランを運営するサイゼリヤ<7581>について分析します。
同社は1月9日に発表された第1四半期の決算が市場の期待を下回る評価を受けたことで大きな注目が集まりました。
本記事では、サイゼリヤの株価下落の背景を解説するとともに、今後の業績や株価の見通しについて詳しく考察します。
結論
サイゼリヤの株価が大幅下落
・1四半期の決算を発表、営業利益は39億円で前年同期比13.3%増となり、ほぼ市場予想通りの着地
・国内販売の好調などは月次動向などから織り込み済み
・サプライズ性が無かったため株価が下落
・株価は横ばいチャートが続きそう
1, 会社情報
低価格でおいしいイタリアンを提供することで知られる『サイゼリヤ』は、国内外で直営店舗を展開しています。
同社の特徴的なビジネスモデルは、自社の大規模な工場で食材を生産することで高品質かつ低価格な料理を実現している点です。
セグメント別業績を見るとわかる通り、中国をはじめとする海外事業が大きな利益を支える柱となっています。
なぜ日本(サイゼリヤ)の営業利益が売上高に対して少ないのかというと、日本だけは低価格帯を維持しているからです。
日本への愛国心がありますね(笑)
逆を言えば、日本でも値上げを実施すれば営業利益が増える余地は大いにあるということです!(私的には値上げしてほしくないです・・・)
自己資本比率は65%で、借金も少ないので財務状況も健全だと思われます。
2. なぜサイゼリヤの株価が下がったのか?
サイゼリヤ(7581)は、直近の株価が大幅に続落しました。
これは、1月9日に発表された第1四半期の決算が市場の期待を下回る評価を受けたことが主な要因です。
具体的な数字を見てみると、営業利益は前年同期比13.3%増の39億円となり、市場予想にほぼ一致する内容でした。
しかしながら、以下の要因が株価下落を引き起こしたと考えられます。
1. サプライズの欠如
サイゼリヤの国内販売が好調であることは、月次の動向から事前に織り込まれていました。
そのため、決算内容に新たなポジティブサプライズが乏しかったことが市場に失望感を与えました。
2. 原材料価格の上昇
昨今のコメ価格の上昇が粗利率の悪化を招いています。
これにより、利益率に対する懸念が強まり、特にコスト効率を重視するサイゼリヤの経営においてはマイナス材料となりました。
3. 中国市場の苦戦
海外事業が利益の柱となっているサイゼリヤですが、中国市場での既存店売上が伸び悩んでいる点も市場のネガティブな評価につながりました。
これには、現地の経済状況や消費行動の変化が影響している可能性があります。
4. 高い期待値
サイゼリヤは成長期待が高い銘柄として位置づけられており、好決算が発表されると期待されていました。
そのため、良好な結果ではあったものの、期待値が高すぎたために“出尽くし感”が広がり、売りが優勢となったと考えられます。
参照:https://www.saizeriya.co.jp/PDF/irpdf001540.pdf
3. 今後の株価を考察
株価の行方を考える上で、ファンダメンタル分析とテクニカル分析の両面から分析してみました!
1. ファンダメンタル分析
2025年8月期の会社予想では、売上高・営業利益・最終益ともに前期比10%以上の業績予想をしています。
今回(1Q)の決算での進捗率としては、24%となっています。
可もなく不可もなくといった感じですね。
そのため、このまま順調にいけば会社予想通りの業績になるのではないかと考えられます。
悪く言えば、サプライズ性がないので株価は横ばいが続くのではないかと思われます。
日本での価格帯が値上げするなどの材料が出れば、日本の営業利益は大幅に上がる可能性を秘めているので、そういったニュースが出れば買いです。
2. テクニカル分析
週足チャートを見ると、株価5000円の抵抗線は固く、今後の株価も5000~6000円辺りを上下すると考えられるので、5000円付近で買うのもありかと思います。
そして、現在決算を受けて株価が大幅に下落しているので買いだと思います。
理由としては、決算を見るとサプライズ性がないだけで決算自体は良い数値を出しているのでなんだかんだで前回の株価(5500円)までは上がると考えられます。
しかしながら、今回の株価下落を受けて売りが続く可能性もあるのでもし売りが先行している場合は、売りが一段落したら買うでいいかと思います。
(それにしても-7%の下落は落ちすぎな気もするので買いが短期的には入りそう。。)
4. まとめ
サイゼリヤの株価が下落した背景には、サプライズの欠如やコスト上昇、中国市場の苦戦が影響しています。
しかし、同社のビジネスモデルの強みや将来的な成長ポテンシャルを考慮すると、現在の株価下落は長期投資家にとっての買いのチャンスとなる可能性があります。
投資判断を下す際には、ファンダメンタルズとテクニカル両面から慎重に分析を行い、市場の動向を注視しましょう。
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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