ANAホールディングス(9202)の分析まとめ
・空運業界大手
・インバウンドなどで旅客需要増加期待
→今後業績成長する余地はある
・2025年3月期第2四半期の決算で経常利益は前年同期比11.7%減
→上方修正したものの一時的な利益が出ただけだったので成長期待を失い株価が暴落したと考えられる。
・配当性向はコロナ前の水準に達していないため、業績の回復に伴って今後も配当を引き上げる可能性あり
・来期以降は増益すると思われば株価が割安な今が買い時だと考えられます。
ANAホールディングス(9202)の銘柄情報
ANAホールディングス(9202)は、日本を代表する航空会社グループとして多くの投資家に注目されています。
ANAホールディングスは国内外で航空事業を展開し、近年では新型コロナウイルスの影響からの回復を進めています。
2025年3月期第2四半期の決算資料によると、観光需要の増加やインバウンド需要の回復に伴い、収益の回復が見られます。
ANAの経営は着実に成長基調を取り戻しており、長期的な成長が期待される企業です。
この記事では、2025年3月期第2四半期(中間期)決算資料の内容も踏まえ、ANAの事業内容、業績、財務状況、株価、配当利回り、今後の成長性について考察していきます。
また、なぜ決算後に株価が下がったのかも考察出来ればと思います。
それではANAホールディングス(9202)の情報を見ていきましょう!
ANAホールディングス(9202)の事業内容
国内線、国際線ともに首位
ANAホールディングスは、ANAブランドを通じた国内外の旅客・貨物輸送、低コストキャリア(LCC)の運営、ホテル・リゾートなどの関連事業も手がけています。
主力の旅客事業では国内外の幅広いネットワークを展開しており、観光需要の回復とともにLCCとの相乗効果が期待されています。
また、物流の需要増加に伴う貨物事業も好調で、今後も成長が見込まれます。
セクター別売上高
参照:https://www.ana.co.jp/group/investors/financial/highlights.html
航空事業が約79%を占める
航空事業以外にも旅行事業や商社事業などの様々な事業を行っているANAですが、航空事業が売上高の8割を占めている状況となっています。
空運業は円安影響や原油価格などの影響も受けやすい業界なので円安になると売上も増加します。
地域別売上高
参照:https://www.ana.co.jp/group/investors/financial/highlights.html
日本の売上高が約7割!
海外の売上高も3割はあるのですが、大半を占めているのは日本の売上ですね。
これからインバウンドが進めば海外売上も増えていくので、空運業はインバウンド銘柄と言っても良いでしょう。
ANAホールディングス(9202)の業績
売上収益の推移
売上は過去最高・利益も堅調
コロナショックを受けて、一時売上収益が減っていたのですが、コロナ後は徐々に回復して売上・収益は2024年度決算では最高益を出しました。
航空事業では国内線はレジャー客が順調に増えており、国際線では訪日客と北米方面の出張客を多く獲得したことが奏功し単価上昇が想定超えで売上を伸ばしました。
特に日本への外国人観光客(インバウンド)も増加は今後のANAの業績を伸ばしていきやすい要素となるのでインバウンドの状況把握はしていた方が良いかもしれません。
貨物の売上も上向き売上に貢献している状況となります。
しかし、2025年度予想は売上高は過去最高ですが、営業利益は前期比-18.2%を予想しています。
理由としては、整備費や燃油費などのコスト増加で利益を下押ししているからだと思われます。
ANAホールディングスは2025年3月期 第2四半期(中間期)決算で2025年3月期の業績見通しを修正し、経常利益予想などを上方修正しました!
上方修正した理由としては、上記の通り、航空機・エンジン関連の補償獲得があったためです。
そのため、上方修正は嬉しいことですが、一時的な利益があっただけなのであまり投資家的にはサプライズではないですね。
ANAホールディングス(9202)の財務状況
財務状況は問題なし
ANAの財務状況については、自己資本比率の改善が見られます。
2025年3月期第2四半期では、有利子負債が減少傾向にあり、資本効率が向上しています。
キャッシュフローの増加は、燃料費や為替の変動リスクに対応するための流動性を確保し、さらなる成長投資への資金確保にもつながります。
ANAは、キャッシュフロー管理を強化し、財務基盤の安定化に注力している点が投資家にとって魅力的なポイントとなります。
ROE・ROAも問題なし
ROEは8%以上が目安、ROAは5%以上が一般的な目安となりますが、直近のデータからは安定的な数値を出しています。
インバウンドなどが続けばROEなども上がってくるので今後に期待はできる銘柄だと思います。
PS:決算などを見てもそんなに悪くないように見えますが、航空業界は経営破綻になりがちですよね(笑)
2010年にJALが経営破綻したのは有名だと思いますが、スカイマークも2015年に経営破綻しています。(やはり経営が難しいのでしょう。)
良くコロナ後に巻き返したなと思います。
ANAホールディングス(9202)の株価
株価:2,855円
PER:11.2倍
PBR:1.28倍
配当金:50円(年)
配当利回り:1.75%
配当性向:14.9%
時価総額:1兆3,827億円
※2024/11/6のデータ
3000円付近でレンジを形成
上記はANAホールディングス(9202)の月足のチャートとなります。
ANAホールディングスの株価は、観光需要の回復とともに堅調に推移しています。
2024年は株価が上昇傾向にあり、2025年のさらなる成長が見込まれることからも引き続き注目が集まっています。
しかしながら、目先の業績ではコスト増加などで利益が減り株価は落下していますが、株価はインバウンド需要の増加や貨物輸送事業の成長といった業績改善の影響を受けやすく、特にアジア地域からの観光客増加が株価に好影響を与えると考えられます。
また、長期的に見れば、航空業界の需要回復が進む中で安定した成長が期待されます。
テクニカル分析的には、3000円を割ったら買いでも良いかなと思います。
コロナ禍での株価が2500円付近なので、現在の売上から考えるとそこまでは下がらないかなと思われます。
また、出来高も減少傾向のため今が底なのではないかと思います。
ANAホールディングス(9202)の配当金の推移
昨年度に続き配当を実施
業績回復に伴う配当により、株主への還元姿勢が鮮明だと投資家の関心が高まり、株価の上昇につながると思います。
2025年3月期の中間配当についても、業績回復を背景に堅調な配当が予想されています。
配当性向は、持続的な成長を目指す中で適正な水準を維持しており、株主還元と財務健全性のバランスが取れた戦略が伺えます。
配当性向はコロナ前の水準にはまだ達していないので、今後利益拡大していけば積極的に増額増配していくと考えられます。
参照:https://www.ana.co.jp/group/investors/stock/dividend/
ANAは、業績の回復に伴って今後も配当水準を維持、または引き上げる可能性があり、株主にとって魅力的な銘柄となるでしょう。
まとめ
株価は上昇する余地あり
インバウンド増加などの影響で直近の業績は良いので、株価は上昇する可能性はあると思います。
今期は減益予想ですが、来期以降は増益すると思われば株価が割安な今が買い時だと考えられます。
配当も復活したので長期保有にもおすすめの銘柄です!
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/
以上