株式市場には「5月に株を売り、10月に戻って来い(Sell in May and go away, but remember to come back in October)」という有名な格言があります。
この格言は、夏季の市場パフォーマンスが他の季節に比べて低迷する傾向があることから生まれたものです。今回は、この格言がどれほど有効なのか、過去28年間のデータを基に検証してみました。
1.S&P500の検証結果
- 10月から5月までの運用: +861%
- 全期間運用: +718%
- 6月から9月までの運用: -15%
SP500のデータを分析すると、10月から5月までの期間に運用した場合のリターンは+861%と非常に高く、全期間を通じて運用した場合の+718%を上回る結果となりました。対照的に、6月から9月までの運用は-15%とマイナスのリターンでした。
2.TOPIXの検証結果
- 10月から5月までの運用: +166%
- 全期間運用: +74%
- 6月から9月までの運用: -35%
日本のTOPIXについても同様の傾向が見られます。10月から5月までの期間に運用した場合のリターンは+166%であり、全期間運用した場合の+74%を大きく上回りました。一方で、6月から9月までの運用は-35%と、こちらもマイナスのリターンを示しています。
3.結論
過去28年間のデータに基づくと、「5月に株を売り、10月に戻って来い」という格言は実際に有効であることが示されました。特に夏季の市場パフォーマンスが低迷することを避け、秋から春にかけての期間に集中して運用することで、より高いリターンを得ることができました。
もちろん、市場の動向は様々な要因に影響されるため、今後もこの格言が必ずしも有効であるとは限りません。しかし、歴史的なデータをもとにした一つの戦略として参考にする価値は十分にあると言えるでしょう。
株式投資を行う際には、リスク管理と多様な視点を持つことが重要です。この格言もその一環として、投資判断の一助となれば幸いです。
引用元:モーニングサテライト