日産自動車(7201)は、米国での減産拡大報道やムーディーズの見通し引き下げは、同社の業績回復への懸念を浮き彫りにしました。
これらの発表で、日産自動車(7201)の株価は更に安値更新しました。
本記事では、日産自動車の株価はどこまで下がるのか?業績不振は長期化するのか?ついて詳しく解説します。
結論
日産自動車(7201)が更に大幅安値
・想定以上の業績下方修正
・米国での減産拡大報道、株価は大幅反落
・信用格付け会社ムーディーズ・ジャパンが、日産の発行体格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げ
・「米国と中国での販売不振による採算の悪化」は長期的に影響があり業績不振も長引きそう
・株価は300~400円でウロウロするのではないか
1. 出来事の概要
想定以上の業績下方修正
2024年11月08日、第2四半期の決算を発表し、7-9月期営業利益は319億円で前年同期比84.7%減となり、市場予想を200億円程度下振れる着地になっている。
また、通期予想は従来の5000億円から1500億円、前期比73.6%減にまで下方修正している。
この決算を皮切りに日産自動車の株価が大幅に下がりはじめました。
米国での減産拡大報道、株価は大幅反落
2024年11月26日、日産自動車の株価が大幅反落し、年初来安値を更新しました。
その背景には、同社が2025年3月末までに米国での生産を前年比17%削減する方針を固めたという報道があります。
同社では業績不振で世界の生産能力を2割削減することを決定している。
この報道を受けて、業績低迷期間の長期化が意識される形になった。
格付け見通しを引き下げ
信用格付け会社ムーディーズ・ジャパンが、日産の発行体格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたことも、株価下落の一因となりました。
ムーディーズは、以下のような要因を見通し引き下げの背景として挙げています:
- フリーキャッシュフロー(FCF)と採算の悪化
自動車事業全体で収益力が低下しており、自由に使える資金の減少が懸念されています。 - 再建計画の実行リスク
日産は年間4000億円のコスト削減を目指した再建計画を進めていますが、ムーディーズは「計画の実現にはリスクがある」とコメントしています。
なお、格付けそのものは投資適格級の下限にあたる「Baa3」に据え置かれていますが、さらなる格下げの可能性が意識されています。
参照:https://kabutan.jp/stock/news?code=7201
2. 業績不振は長期化するのか?
米国での減産拡大や格付け見通しを引き下げなどの報道が続き、市場の見通しでは業績不振は長引くのではないかという思惑が強くなっています。
業績不振に陥った要因は「米国と中国での販売不振による採算の悪化」であるとされています。
特にアメリカ市場における収益悪化は激しく、2023年4~9月期の連結営業損益は2413億円の黒字だったが、2024年の4~9月期は41億円の赤字となっています。
日産自動車にはコレ!といった「手に入れたいブランド」がなく、あまり日産自動車には購買意欲がわかないといった点も業績不振に繋がっているのではないかと思われます。
また、日産自動車の自動車事業のキャッシュフローを確認すると、2025年3月期第2四半期ではマイナス4483億円となっていました。
キャッシュフローとは、
企業が稼ぎ出した現金のうち、運営や成長に必要な投資を差し引いた後に残る自由に使える現金を指すします。
車が売れない限り、日銀の追加利上げ、FRBの利下げやトランプ政権での関税等の影響によって、日産自動車は、ますます業績回復するのが難しくなる可能性が高いと思います。
上記のことを鑑みると、すぐすぐは業績不振は回復しないと思います。
また、日産自動車の経営陣が業績不振に至るまで何らかの対策を講じなかった点も経営があまり上手くはないのではないかと考えられます。
なので数年間は業績が低迷するかと思います。
3. 株価はどこまで下がるのか?
上記の週足チャートを見る限り、コロナ禍で下がった株価まではまだ達していません。
そのため、次の決算までは300円付近まではズルズルと下がって横ばいチャートを形成していくのではないかと思います。
次回の決算までにどういった対策をしていくのかや決算内容で何らかの材料が出てくると思うので、それを受けて投資家がどう思うかによりますが、300~400円でウロウロするのではないかと思います。
もし、まだ下方修正が更新されるともっと下がる可能性が高いので警戒は必要です。
逆に300円は抵抗線になって反発することも考えられるのでウォッチしておきましょう!
4.まとめ
日産自動車の米国での減産拡大報道やムーディーズの見通し引き下げは、同社の業績回復への懸念を浮き彫りにしました。
販売不振や業績低迷が続く中、再建計画の実行力が市場の信頼を回復する鍵となるでしょう。
今後の具体的な再建内容などについての続報が待たれるところです。
また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
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