【銘柄分析】JR東日本の株価上昇?今後の業績・株価推移から買い時を解説!

JR東日本 個別銘柄分析

JR東日本(9020)の分析まとめ

・大きな心配は無い銘柄(安定の銘柄)
売上収益は回復中だがコロナ前に戻らず
・株価もコロナ前の値に戻りつつある
・コスト削減や不動産事業の成長や運賃の値上げ予定
 →今後業績・株価ともに成長する見込みあり

JR東日本(9020)銘柄情報

JR東日本(9020)は、鉄道、流通、ホテル、不動産など幅広い事業領域で増収増益を達成しており、特に鉄道事業と不動産事業が収益を牽引しています。

2025年3月期第1四半期の決算では、営業収益が前年同期比109.1%増の6,866億円、営業利益が150.3%増の1,205億円と好調な業績を示しています​。

それではJR東日本(9020)の情報を見ていきましょう!

同業他社で最近IPOした「東京地下鉄」も解説しているのでぜひこちらもご覧ください!

JR東日本(9020)の事業内容

国内最大の鉄道会社

JR東日本の事業は主に以下のセグメントに分かれています。

  1. 運輸事業:新幹線や在来線の利用者増により堅調に推移。
  2. 流通・サービス事業:エキナカ店舗の売上増で増収増益。
  3. 不動産・ホテル事業:不動産販売や商業施設、ホテルの収益拡大が業績に貢献。
  4. その他:海外鉄道関連事業やIT・Suica事業が含まれ、増収増益を達成しています。

JR東日本では、オフィスへの回帰によって定期券利用が予想以上に増加しています。
また、北陸新幹線の延伸が収益に寄与しています。さらに、訪日観光客の増加でホテルの客室単価も上昇し、エキナカ店舗の売上も順調です。

一方、人件費の増加や、下半期の修繕費の増加が見込まれるものの、全体としては営業利益の増加が見込まれています。これにより、配当金が増加する可能性も高いでしょう。

また、鉄道利用者数の減少を見越し、非鉄道事業の強化を目的とした不動産取得・開発を担う新会社が設立されました。デジタルサービス面でも、2028年度にSuicaアプリを導入する計画があり、利便性を向上させて顧客基盤の拡大を図る方針です。

セクター別売上高

参照:https://www.jreast.co.jp/investor/report/2024/pdf/kaiji.pdf

運輸事業が6割
大まかに3つの事業を持っているJR東日本ですが、主力は言わずもがな運輸事業ですね。
しかしながら、特にJR東日本の場合は不動産事業がどんどん強くなってきています。

運輸事業で前年度1,707億円の利益に対して、不動産・ホテル事業で1,001億円の利益となっていて、その他の事業も含めると、利益の半分くらいは運輸以外の事業からということになっています。

今後ますます不動産やその周辺事業に力を入れていくかと思います。

JR東日本(9020)の業績

売上収益の推移

参照:https://irbank.net/E04147/pl#google_vignette

売上収益は回復中だがコロナ前に戻らず
2025年3月期第1四半期決算で、連結営業収益は前年比109.1%の6,866億円、営業利益は前年同期比150.3%増の1,205億円となり、鉄道や不動産の利用増が好影響を与えました。

また、親会社株主に帰属する四半期純利益は733億円(前年同期比163.6%)と堅調です。新幹線の北陸方面延伸や訪日観光客の増加が収益を後押ししており、今後も増収基調が期待されます。

コロナ前の2019年3月期には実は過去最高の売上・利益を記録していて、コロナが終了した今期の予想が注目されていましたが、コロナ前の数字には達しておらず、このあたりが物足りなさを感じさせているのではないかと思います。

運輸部門ではコスト削減が進んでおり、目標としていた1,000億円削減に対し、すでに850億円が実現されています。

また、運賃の値上げに向けた手続きも進行中で、実施されれば収益拡大が期待でき、株主にとってはポジティブな要因となるでしょう。

JR東日本(9020)の財務状況

財務状況は問題はない
JR東日本(9020)の財務状況は健全とは言えませんが、問題はないです。
理由としては、不動産事業では有利子負債倍率が増えて、自己資本比率も低くなる傾向にあるからです。

最新の貸借対照表によると、2024年6月末時点で資産総額は9兆5,508億円、負債総額は6兆7,731億円です。
有利子負債の増加は成長投資のためとされ、TAKANAWA GATEWAY CITYなどの大規模開発プロジェクトへの投資が進行中です。

財務体質改善のため、EBITDA倍率の抑制が今後の課題となるでしょう。

ROE・ROAは安定
ROEは8%以上が目安、ROAは5%以上が一般的な目安となりますが、JR東日本(9020)は少し低い数値ではありますが、問題はないと思います。

コロナで赤字になっているのですが、それ以前は安定のROE・ROAを保っていたので、そこまで回復してもらえれば投資家的には嬉しいですね。

JR東日本(9020)の株価

株価:2,962円
PER:16倍
PBR:1.21

配当金:52円(年)
配当利回り:
1.76%
配当性向:
26.8%
時価総額:
3兆3,607億円
※2024/10/27のデータ

コロナ前の株価に戻りつつある
上記はJR東日本(9020)の月足のチャートとなります。
JR東日本の株価は、安定的な配当と将来性から長期投資の対象として人気があります。

第1四半期の決算が好調なことから、今後も株価の上昇が期待されますが、鉄道事業は景気や利用者動向に影響を受けやすい面もあるため、経済情勢の変動には注意が必要です。

中長期的にはインバウンド需要回復や新路線開発の影響も加味されると予想されます。

テクニカル分析的には3000円をブレイクするかで拮抗しているので、3000円をブレイクして上昇していけば買い時かと思います。

JR東日本(9020)の配当金の推移

業績回復のために自社株買いは控えている
JR東日本(9020)では、中長期的には総還元性向40%を目標とし、配当性向は30%を目指しています。

2025年3月期の配当予想は年間52円(中間26円、期末26円)となっており、配当利回りも一定の水準を維持しています。配当性向も安定しているため、長期保有の観点から魅力的です。

今後業績が回復してくれば株主還元も力を入れてくる可能性は大いにあると思うので、今のうちに仕込んでおいても良いかなと思います。

まとめ

大きな心配は無い銘柄

株価はコロナ禍で大きく下がったものの、その後はじわじわと上がってきています。

現在PERが16倍ということですが、過去のJR東日本のPER水準を見ると、まともに利益が出ている局面では13倍というところが最も下のラインで、これ以上下がらないとは言えませんが少なくとも高い水準ではないでしょう。

JR東日本は国内需要とインバウンド需要の双方で成長が見込まれており、2025年以降も堅調な業績が期待されます。

特に、不動産・ホテル事業や新規路線の開通による収益増加が成長の鍵です。

安定的で初心者向けの銘柄ということにはなりますが、今後の株価を心配するような銘柄ではないでしょう。

また、銘柄選択の方法(スクリーニング)や株についての記事も書いているので参考にしていただければ!
https://blog-hero.com/

以上